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未来創造変革プロジェクト

Project 05

金属構造色

構造色を発する凹凸を刻んだ金属表面

#構造色 #金属 #生物模倣 #バイオミメティクス #バイオミミクリー

動植物が有する多様な能力に興味を持ち、その構造を模倣する取り組みを進めていた。
一方で、全ての物には「表面」が存在し、その表面へ生物を模倣した構造を複数付与することによって、過去に活躍した素材、あるいは使い方が制限されている素材へ新たな活躍の場を創出させる可能性を考え、表面への微細加工技術の探索も並行して行っていた。微細加工による機能発現を試す中で、加工する凹凸のサイズが光の波長に近くなるにつれて発色する構造色を見かけ、改めて色は物体が反射する光が眼に入り認知されていることを感じた。
名称自体から色を連想させる金属を付与対象とし、また世の中には色々な構造色の発色方法がある中から光の回折を制御する方法を選択した。銅表面へ付与した数百ナノメートルオーダーの凹凸構造から発色する金属光沢を含む各色を見て楽しんでもらいたい。
数100nm オーダーで銅表面に刻まれた凹凸から発色する構造色。凹凸の間隔により発色する色が決まる。金属光沢が重なって、構造色がより美しく映える。

金属表面に刻まれた凹凸は、樹脂に転写されても尚、構造色を発色することがわかった。

構造色を発する凹凸を刻んだ、光が透過できる程度の厚み数十nm の金属箔を樹脂の中に積層した。
一つの光が樹脂に内包された各金属箔を透過しながら回折し、複数の金属レイヤーから
それぞれの構造色を発する。構造色の美しさが際立つプロダクトとなった。
表面に間隔dの周期的な凹凸構造がある場合、隣り合う凹凸間の光路差は「d・sinΘ」となり、 この光路差が波長の整数倍になると強めあう。 この凹凸構造の間隔dを光の波長と同程度のサイズにできると、間隔dによって 強め合う光の波長が制御でき、波長に応じた色が認識できる。

構造色は一定の角度から見ることで発現する

起案者 Drafter

矢野 雅大

矢野 雅大

Masahiro Yano

三菱マテリアル株式会社
イノベーションセンター

三菱マテリアル入社後は、酸化物単結晶の育成技術やダイヤモンドなどの硬質素材を原料とした焼結材料開発やその用途探索に携わった。結晶が持つ規則正しさや材料が有する特性が僅かな作製条件の影響を受けて変化することへ制御を試みるにつれ、自然が作り出す造形物に見られるような規則性が曖昧さを含む環境の中で調和していることに惹かれる。 未来創造変革プロジェクトにて生物に強く関心を持ち、生物模倣から菌の活用と幅広い分野に注目し活動している。