続流についてサージアブソーバ
続流とは...
続流とは、文字通り続けて流れるもの、すなわち放電管で言うと電流が流れ続ける現象をいいます。
通常、サージアブソーバは高インピーダンスの状態で、電流を流していません。これにサージが印加されると、導通して低インピーダンスの状態でサージをバイパスさせ、電子回路を保護します。そしてサージがなくなった後は高インピーダンスの状態に戻ってもとの状態に戻ります。ところが、低インピーダンスの状態の時にサージアブソーバの電流を維持できる電圧が印加されていると、サージがなくなった後でも放電が維持され、もとの高インピーダンスの状態に戻れなくなり電流が流れ続ける現象があります。これが続流と言われる現象です。
続流現象が観測されることがあるものは、放電管や半導体タイプのスイッチング型サージアブソーバです。これらの素子の特徴は、サージを吸収(バイパス)している時の動作電圧(残留電圧)が動作開始電圧に比べて低いことがあげられます。
サージを吸収している時の電圧が低いと言うことは、被保護機器にかかるストレスが低く抑えられると言う長所を持ちますが、何等かの原因で電源等から電流が流れ込むと電圧が低い為に電流を止めることが出来なくなると言う短所にもなってしまいます。
JICC5381-311では、電流が150msec.を超えて流れ続けた場合を続流が発生したと判定しています。
そこで、この続流のメカニズムについて、以下に述べる事にします。ここでは放電管の放電、電源の特性、そして続流の条件について述べます。