
三菱マテリアルのタングステン事業は、タングステン粉末やカーバイドを中心とした高硬度・高耐熱材料を提供し、精密加工や耐摩耗用途など、幅広い産業分野を支えています。独自の素材開発力と品質管理技術を強みに、切削工具や産業機械部品の高性能化に貢献しており、製造現場における生産性向上や高精度化を後押ししています。
また、原料調達から製品供給までを見据えたグローバルな事業基盤を構築し、安定供給と信頼性の高い材料提供を通じて、ものづくりの高度化に寄与しています。
タングステン事業では、次世代電池、防衛、電子部品分野などで拡大する需要に対応するため、資源循環型モデルの確立と収益性の強化を中核戦略に位置付けています。偏在性の高い一次鉱石への依存リスクを低減するため、2030年度までに特定地域に依存しない形で、全製造拠点におけるリサイクル原料比率100%の達成を目指しています。この実現に向け、欧州拠点であるH.C. Starckにおけるリサイクル量の拡大、米州での新たなリサイクル拠点設置、E‑Scrap集荷ルートの活用などを通じて、グローバルな資源循環ネットワークの強化を進めています。あわせて、生産体制の最適化による固定費の抑制や、高付加価値粉末製品の拡販を推進し、超硬製品・電子材料分野における安定供給と収益力の向上を図っています。
世界有数のタングステンメーカーであるH.C. Starck社の全株式取得により、欧州・北米・中国に展開する製造拠点と、世界最大級のタングステンリサイクル能力を獲得しました。これにより、三菱マテリアルのタングステン事業基盤は大幅に強化されています。
タングステン資源の偏在リスクに対応するため、欧州・米州・アジアにおいて、製造拠点のリサイクル原料比率100%を目指す循環体制の構築を進めています。
日本新金属との連携を通じて、研究開発力の強化、リサイクル技術の高度化、クロスセルの推進を加速しています。電子部品用粉末や二次電池向け用途など、新たな市場の開拓にも取り組んでいます。
難削材加工や小径・深穴加工に強みを持つ切削工具向けに、新製品の継続的な投入を進めています。IoT対応センサー搭載工具など、高付加価値製品の開発を通じて、加工現場の高度化に貢献しています。
| 1950 -1990年代 |
日本新金属がタングステン粉末・モリブデン粉末を中心に事業拡大 |
|---|---|
| 2010年代 | 超硬工具向け粉末の需要拡大により、日本新金属のタングステン事業が電子部品向けに多角化 |
| 2020年代 前半 |
生成AI・xEV向け需要増を背景に、タングステンの長期供給リスクが顕在化(中国の輸出規制強化) |
| 2024年 | H.C. Starck社(世界有数のタングステンメーカー)全株式取得の最終契約締結。欧州・北米・中国拠点と世界最大級のリサイクル能力を獲得 |
| 2025年 | H.C.Starckと日本新金属の連携開始。研究開発強化・クロスセル推進・リサイクル拡大を本格化 |
| 2025年7月 | H.C.Starck PMI(統合プロジェクト)「W-Pro」が実行フェーズへ。生産再編・業務統合・需給組織の統合を開始 |