伸銅品事業マテリアル領域

伸銅品事業イメージ

事業の概要

銅製品銅ビレット

銅製錬で製造された電気銅を基材に、無酸素銅や高性能銅合金などを加工し、自動車・半導体・電子機器向けに多様な銅製品を提供しています。基礎素材の製造から高度な加工までを一貫して手がけることで、高い加工技術と徹底した品質管理を実現。軽量化・省エネルギー化といった、進化し続ける市場のニーズに応える製品を安定的に供給し、次世代産業の発展に貢献しています。

国内では、大阪製作所、若松製作所、小名浜製錬鋳造部門の3つの直轄製造拠点を有し、伸銅品の国内生産量シェアはNo.1を誇ります。また海外では、世界7カ国・12拠点に製造・販売ネットワークを展開するルバタグループを中心に、グローバルな供給体制を構築しています。

これらの拠点が連携することで、世界各地域のニーズにきめ細かく対応できる体制を整えています。当社およびグループ会社の銅加工製品は、型銅や荒引線といった一次加工品から、伸銅品(条、板、棒、線)、リードフレーム、鍛造品、ブスバー、溶接電極などの汎用品、さらには超電導線のような高度技術を要する製品まで、多岐にわたります。

幅広いラインナップと総合的な技術力を武器に、お客様の多様で高度な要求に応えるソリューションを提供しています。

事業の目標と戦略

異形条異形条

伸銅品事業は、電気銅を原料に型銅から条・板・棒まで一貫製造し、国内トップシェアを持つ強みを活かして、世界中の顧客から最初に相談されるグローバル・ファーストサプライヤーを目指します。CASE化や電子機器の高度化に伴う高機能素材ニーズに応え、MSP®シリーズなど高付加価値銅合金の開発を加速。さらに顧客スクラップの循環利用、生産拠点の統合による効率化、Luvata社との連携を通じてグローバル展開を強化し、収益性向上と循環型社会への貢献を両立します。

通信規格5G(第5世代移動通信システム)の普及や、自動車分野のCASE、MaaS対応に関連した銅加工品の需要の高まりにお応えするよう、製品開発の強化、増産体制の整備を進めております。

特に自動車業界では、各国における次世代自動車の急速な普及拡大に伴い、車載用電子機器の高電圧・大電流への対応に加え、高性能化、小型化、低コスト化の要請が高まっております。

当社の銅加工事業では、これらのニーズに対応した次世代自動車の製造に不可欠な無酸素銅(OFC)をはじめ、Cu-Mg系の銅合金MSP®5、MSP®8を開発し、量産化を実現しております。MSP®5は小型端子用途として、MSP®8は高電圧・大電流用途として優れた特性を有しております。その他MSP®1など車載用製品として、お客さまから高い評価をいただいている多数の製品群を有しております。また、グループ会社であるルバタグループでは、MRIの磁石を構成する超電導線、特殊なコイルに使用される中空ホローコンダクターなどの製品も製造しています。

トピックス

コアコンピタンスとしての無酸素銅

無酸素銅は、銅中に酸素や酸化物をほとんど含まない⾼純度の銅加⼯品で、電気・熱の伝導性、溶接性、加⼯性に優れた材料です。

無酸素銅は、その優れた導電性や熱伝導性により、⾼導電部材や冷却⽤材料として使⽤されておりますが、今後は⾃動⾞のエレクトロニクス化やEV化の進展に伴う⾼電圧・⼤電流への対応や、熱マネジメント要求の⾼まりにあわせ、ますます⽤途の拡⼤が期待されます。

当社の銅加⼯事業は、2017年に買収したルバタグループも含め、世界有数の無酸素銅の製造技術と⽣産規模を有しているうえ、直島製錬所や⼩名浜製錬所で⽣産される⾼品位電気銅の使⽤や⻑年培った鋳造技術により、酸素濃度を極限まで低減させたハイクラスな無酸素銅の量産能⼒を有しております。その技術を活かして、酸化しやすく合⾦化が困難なマグネシウム(Mg)やジルコニウム(Zr)をはじめとした酸素活性元素の添加を実現するなど、各種⾼性能銅合⾦の鋳造が可能であることに加え、優れた圧延、押出、異形加⼯技術を駆使し、合⾦性能の最⼤化を図っています。

今後も当社グループは無酸素銅の需要拡⼤に応えるべく、開発・製造・販売が⼀体となったマーケティング活動により、世界中のお客さまに貢献してまいります。

MSPシリーズの拡充

銅にマグネシウムを添加した固溶強化型銅合金MSPシリーズは自動車の車載端子、バスバーやリレーなどに使用されています。

長年ご好評いただいている「MSP®1」、より高い強度と曲げ加工性、低比重を有し小型端子に好適な「MSP®5」、「MSP®8」は高導電性、優れた耐応力緩和特性を有しており、高電圧・大電流用バスバーや高圧端子に好適な銅合金です。

2025年には「MSP®5-ESH」を新たに開発。ベリリウム銅・チタン銅に代わる世界最高水準の銅マグネシウム系合金としてお客さまに利用されています。

高性能無酸素銅MOFC(Mitsubishi Oxygen Free Copper) シリーズ

MOFC-HR(Heat Resistance)は世界最高水準の強度と耐熱性を有する無酸素銅で、過酷な環境条件で大電流、高放熱が求められるEVやデータセンター、AI、次世代エネルギーなどの電気機器の部材に最適です。また導電率が低い銅合金の置き換えも可能です。

2025年には異形条タイプの「MOFC-HR異形条」を新たに開発。リードフレームや端子・コネクタの放熱部と接点部とを同一素材で製作、同時成型が可能となる銅合金です。

環境負荷を低減

鉛を使わない銅合金ECOBRASS®を開発し、環境負荷の低減に貢献しています。ECOBRASS®は、北米や欧州における鉛規制(RoHS、ELV)に対応しており、欧州ではWieland社、米国ではChase Brass社とライセンス契約を締結するなど、世界的な普及を目指した供給体制を構築しています。

また、ECOBRASS®の快削性・高強度は維持しつつ、銅と亜鉛の配合比率を見直すことでメタルコストを抑制した鉛フリーの黄銅である。GloBrass®も2020年に開発。当社の完全子会社であるLuvata Oyに対し、欧州および北米地域における独占的ライセンス権を付与する契約を締結し、欧州、北米地域の市場における製品開発やマ―ケティングなどに戦略的に取り組んでいます。

沿革

1960年代の大阪製錬所1960年代の大阪製錬所

堺工場堺工場

1891年 宮内省御料局生野支庁付属大阪製錬所発足
1896年 三菱合資会社に経営を移管
1905年 電気銅を型銅品に鋳造して市販開始
1925年 資本金30万円をもって、第一製氷株式会社設立[旧三菱伸銅社]
1930年 社名を第一産業株式会社と改称[旧三菱伸銅社]
1935年 資本金20万円をもって、三宝伸銅工業株式会社設立。伸銅品(主として銅、黄銅の棒、板)の製造を開始[旧三宝伸銅工業社]
1937年 若松工場(現・若松製作所)を建設。非鉄金属圧延事業を開始[旧三菱伸銅社]
1942年 社名を株式会社日曹製作所と改称[旧三菱伸銅社]
1950年 ビレット生産開始
1952年 棹銅の熱間圧延による銅荒引線生産開始
1954年 蒸着品(薄膜品)事業に進出[旧三菱伸銅社]。板、条、管、棒、線等全伸銅品にわたる総合伸銅メーカーとしての地位を築く[旧三宝伸銅工業社]
1957年 社名を玉川機械金属株式会社と改称[旧三菱伸銅社]
1970年 業界初の3000トン押出機設置[旧三宝伸銅工業社]
1971年 米国サウスワイヤー社開発のSCR式銅荒引線生産開始
1972年 半導体用銅系リードフレーム材の生産開始[旧三菱伸銅社]
1974年 本社内に技術研究所を建設[旧三宝伸銅工業社]
1976年 米国ゼネラルエレクトリック社開発のDIPフォーミングプロセスによる銅荒引線生産開始
1986年 社名を三菱伸銅株式会社と改称[旧三菱伸銅社]。可逆式熱間圧延機稼動[旧三宝伸銅工業社]
1989年 堺工場移転発足。冷間12段圧延機稼動[旧三宝伸銅工業社]
1990年 三菱金属株式会社と三菱鉱業セメント株式会社が合併し、「三菱マテリアル(株)」として発足(12月1日)。低周波誘導炉溶解無酸素銅ビレット、ケーク生産開始。間接押出機新設稼動[旧三宝伸銅工業社]
1993年 小名浜分室発足。横型連続鋳造機を新設稼動[旧三宝伸銅工業社]
1995年 銅合金、銅ボール生産開始。リョウシンドウマニュファクチャリング(マレーシア)社を設立[旧三菱伸銅社]
1999年 高純度銅製造開始
2000年 シャフト炉溶解無酸素銅線「ROX®」生産開始。ISO14001を認証取得[堺工場]
2001年 株式会社後藤製作所およびゴトーフィリピン社を子会社化[旧三菱伸銅社]。鉛フリー黄銅合金「エコブラス」の開発[旧三宝伸銅工業社]
2002年 ISO9001を認証取得[堺工場]
2003年 若松製作所にてISO14001環境マネジメントシステムを認証取得[旧三菱伸銅社]。鍛造事業を株式会社三宝フォージングに移管[旧三宝伸銅工業社]
2004年 シャフト炉溶解無酸素銅ビレット、ケーク生産開始。銅加工開発センターが小名浜に発足
2005年 2号APライン新設稼動[旧三宝伸銅工業社]
2006年 三菱マテリアル社の100%子会社に[旧三菱伸銅社]
2007年 三菱マテリアル社の100%子会社に[旧三宝伸銅工業社]
2008年 旧三菱伸銅社と旧三宝伸銅工業社の合併により、統合新社「三菱伸銅株式会社」発足
2010年 三宝製作所 新圧延工場が稼動。中国青島に青島愛科銅業有限公司設立
2013年 ROX®ベースの合金線生産開始
2015年 菱星尼崎電線株式会社を子会社化
2017年 ルバタ社より銅加工品の製造及び販売を行うSpecial Products事業部門を取得