
三菱マテリアルの再生可能エネルギー事業は、地熱・水力・太陽光を中心とした多様な電源を組み合わせ、安定供給と脱炭素の両立を図るエネルギー基盤として展開しています。特に地熱発電は大沼・澄川・山葵沢・安比など国内有数の開発実績を有し、地下調査ノウハウを活かした安定発電が強みとなっています。水力発電については秋田県を中心に長期的な安定供給を維持しています。また、社有地を活用した太陽光発電の導入を進めるとともに、北海道・東北地方の社有林を風力発電の候補地として調査に取り組んでいます。
脱炭素社会の実現に向けて、自社消費電力量相当の発電量達成を長期的な目標とし、地熱を中心に新規開発地点の開拓を進めます。北海道・東北などでの地熱開発調査を進め、新規開発候補地の確保を図っています。風力発電では2030年代の事業化を見据え、社有地等で調査を行っております。太陽光発電では自己託送モデルの拡大、水力発電では老朽設備の更新による高効率化を進め、脱炭素・安定供給・資源循環を同時に実現する総合的な再エネ戦略を構築しています。
国内でも数少ない大規模地熱開発に長年取り組んできた当社は、山葵沢地熱発電所に続く大型案件として安比地熱発電所を開発しました。積雪が4〜5mに及ぶ厳しい自然条件の岩手県八幡平において、三菱ガス化学・J-POWERとともに建設を進め、2024年に営業運転を開始しました。地熱は安定供給に強みを持ち、再エネのベースロード電源として期待されています。当社が培ってきた地下資源探査技術が、次の世代の地熱開発へと確実につながり始めています。
自然と向き合う発電の原点でもある水力。秋田県では約70年ぶりとなる新規水力発電所である小又川新発電所が2022年に稼働しました。森吉ダムの水をトンネルで約8.5km導き発電するこの方式は、水力の長寿命・高安定性という価値を再確認させる象徴的なプロジェクトとなっています。地域の河川環境に配慮しながら、100年以上続く当社の水力の歴史を未来へ引き継ぐ取り組みです。
旧明延鉱山の捨石集積場を有効活用して鳥の奥太陽光発電所(兵庫県朝来市)を開発しました。発電した電力は、自己託送の仕組み(自社で作った電力を電力会社の送配電ネットワークを介して自社の別拠点へ供給)を使って、切削工具の製造拠点である明石製作所(兵庫県明石市)に供給しています。これにより消費電力の一部を太陽光発電電力で賄えるようになりました。
地熱は地下資源特有の開発リスクが伴うエネルギー源です。当社はJOGMECの支援を受け、北海道、東北などの複数地域で調査を推進しています。中には300℃超の高温層が確認された地点もあり、新規開発への期待が高まっています。地熱は発電量拡大の中核に位置づけられており、こうした「探査の一歩」が10年後の電力供給の姿を形づくります
碇水力発電所
当社の事業は三菱商会の前身、九十九商会が明治維新直後から炭鉱と金属鉱山の経営に進出したことに始まります。炭砿や金属鉱山における事業に携わるなかで必要とされる電力として、水力、地熱発電などの自然エネルギーについても国内への導入草創期より他社に先駆けて開発・運用で培ってきたことが、今日の再生可能エネルギー事業の基盤となっています。当社はこのノウハウを最大限に活かし、発展させることで脱炭素社会の構築に貢献していきます。
| 1898年 | 永田発電所運転開始(再生可能エネルギー事業の起点) |
|---|---|
| 1907年 | 碇発電所運転開始 |
| 1974年 | 大沼地熱発電所運転開始(地熱事業へ参入) |
| 1992年 | 秋田発電(株)設立 |
| 1994年 | 八幡平地熱(株)設立 |
| 1995年 | 澄川地熱発電所運転開始 |
| 2010年 | 湯沢地熱(株)設立 |
| 2013年 | エルエムサンパワー(株)設立(太陽光事業に参入) |
| 2013-17年 | 真壁・福井・鳥越・入釜・矢吹の太陽光発電所運転開始 |
| 2019年 | 山葵沢地熱発電所運転開始 |
| 2021年 | 八幡平グリーンエナジー(株)設立 |
| 2022年 | 小又川新発電所運転開始 |
| 2024年 | 安比地熱発電所運転開始 |
| 2025年 | 鳥の奥太陽光発電所運転開始 |