プレスリリース

2024年11月29日

三菱マテリアル株式会社

xEVおよびAIサーバー用電源など向け雷害対策部品の新製品を開発
~高速応答かつサージ耐量5,000Aを実現したサージアブソーバ~

三菱マテリアル株式会社は、xEVや近年急速に発展するAIサーバー用電源など、高い安全性や安定した運用が求められる電子機器の異常電圧(サージ)対策のため、高速応答かつ高サージ耐量を備えた高性能雷害対策部品(サージアブソーバ(*1))「DH53」シリーズを開発しました(図1参照)。

図1:DH53-302Mの外観
図1:DH53-302Mの外観

これまで当社はxEV(充電器や車載OBC(*2))や各種電源のサージ対策用にサージアブソーバを供給し、高い評価をいただいてきました。昨今、地球温暖化の進行により異常気象となることが増え、雷雨日が増加するなど、電子機器が予期せぬサージに晒される危険が高まっています。このことから、高い安全性や安定した運用が求められる電子機器には、これまで以上に高い応答性やサージ耐量(*3)を備えたサージアブソーバが求められています。

このたび当社は、サージ耐量3,000Aまでであった従来品に対し、高サージ寿命を維持しつつ高速応答かつサージ耐量を5,000Aまで向上させたサージアブソーバ「DH53」シリーズ(直流放電開始電圧の異なる「DH53-272M」、「DH53-302M」、「DH53-362M」(*4)の3品番)の開発に成功しました。
「DH53」シリーズは過電圧保護部品として、今後ますます高性能化が求められるxEVの充電機器やAIサーバー用電源などの電子機器の設計自由度の向上や安定的な運用に貢献します。(表1参照)。

当社グループは、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを「私たちの目指す姿」と定めています。今後もオンリーワンの高機能素材・製品供給を行うとともに、お客さまのご要望に合わせた最適なソリューションを提供することで、目指す姿の実現に取り組んでまいります。

表1:サージアブソーバシリーズのスペック比較(*5)

当社従来品 DH53シリーズ
272M 302M 362M 272M 302M 362M
直流放電開始電圧(*6) 2,700V 3,000V 3,600V 2,700V 3,000V 3,600V
サージ寿命 100A(サージ電流波形8/20μs)×300回で放電開始電圧の変化率が±30%以内(*5)
応答性(応答電圧(*7)
(波形1.2/50μsec.10kV)
<3,800V <4,200V <5,000V <3,300V <3,600V <4,400V
サージ耐量
(波形8/20μsec.)
3,000A 3回 5,000A 3回
サージ特性耐量(*8)
(波形8/20μsec.)
3,000A 1回 3,000A 100回
(*1)
サージアブソーバとは:
URL:https://www.mmc.co.jp/adv/ja/solution/surge_absober/surgeabsober04.html
(*2)
On-Board Chargerの略。電気自動車などのバッテリーの充電において、充電スタンドからの電力をバッテリーに必要な電圧へ変換する機器のこと。
(*3)
サージ耐量とは、外来サージに対して誤動作や故障なく正常動作ができる限界値。決まった波形のインパルス電流を印加した際にアブソーバが破壊しないピーク電流値で表わす。
(*4)
型番の記号は、頭から順にシリーズ名、直流放電開始電圧(Vs)、Vs許容差を示す。例)DH53-272Mの場合、DH53シリーズ、272はVs=27×102=2,700Vを表す、許容差M=±20%。
(*5)
開発品のスペックで、製品仕様とは異なる場合があります。
(*6)
許容差(初期値)は±20%。
(*7)
応答電圧は目安値。低い電圧ほど応答性が良いことを示す。
(*8)
決まった波形のインパルス電流を印加した際に電気的特性が満足する電流値および印加回数のこと。

【関連リリース】

2021年7月14日
xEV用急速充電器向け雷害対策部品の新製品を開発
URL:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2021/21-0714.html

以上

<本件に関するお問い合わせ>

コーポレートコミュニケーション室:03-5252-5206

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