2026年1月 5日
三菱マテリアル株式会社
執行役社長 田中 徹也
2026年の年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。
2025年度は、中期経営戦略2030 Phase1の最終年度として、様々な施策を展開してまいりました。しかしながら、半導体・自動車関連市況は当初の想定を下回り、さらにTC/RC(製錬マージン)の大幅な低下が当社事業に深刻な影響を及ぼすなど、私たちを取り巻く事業環境は大きく変化しています。このような状況下、当社はビジネスモデルの抜本的な見直しを迫られている重要な局面にあります。一方、当社にとっての機会という点においては、脱炭素化やデジタル化の進展により、銅の将来需要は長期的に増加すると予測される中、銅精鉱の供給量には限りがあるため、E-Scrap等のリサイクル原料の重要性がますます高まっています。欧州と米国では、E-Scrap発生量が処理量を上回る状況が継続すると見込まれており、重要鉱物の囲い込みの動きも強まっているため、発生地域での処理体制の構築が求められます。当社は世界トップクラスのE-Scrap集荷・処理能力と技術力を有していることに加え、家電リサイクルから伸銅品までのバリューチェーンを保有しており、このような機会を最大限に活かせる強みを有しています。
こうした状況と当社がこれまで培ってきた強みを踏まえ、私たちは昨年、2026年度以降を対象とする新たな中期経営戦略を策定し公表しました。これに基づき、当社は「資源循環ビジネスで未来を創る企業」への変革を本格的に進めていきます。これは単なる現状維持や延長線上の成長ではなく、私たち自身が変革し、社会や産業の持続可能性を支える存在となるという強い決意を示しており、限りある資源を最大限に活用し、廃棄物を新たな価値へと転換することで社会的価値と経済的価値の両立を目指していきます。
具体的には、欧州、米国での二次原料製錬所の新設等を通じて資源循環ビジネスのグローバル展開を加速するとともに、E-Scrap処理量の倍増、タングステンリサイクル率100%の達成等を目指していきます。また、量から質への経営を加速させるための抜本的構造改革についても、引き続き推進していきます。銅精鉱処理の縮小、生産拠点の統合、銅精鉱の他社との共同買鉱による銅精鉱製錬の国際競争力強化のほか、これらの施策の推進を後押しする本社においては、機能の集約・業務改革を推進し、スリムで事業の成長を強力にサポートする体制を整えます。これらの取り組みは決して容易ではありませんが、スピード感を持って確実に実行します。
キャピタルアロケーションについては、財務規律を維持しつつ、営業キャッシュフローや事業売却等で得た資金を、資源循環ビジネスを中心とした成長投資に優先的に割り振ります。資源循環ビジネスの二次原料製錬等に経営資源を重点的に配分していくことになりますが、超硬製品事業、高機能製品事業、資源事業、再生可能エネルギー事業、そしてコーポレート部門の各組織も引き続き重要な役割を担うことには変わりなく、各部門が一致団結していくことが不可欠です。超硬製品事業、高機能製品事業は、収益性向上に取り組み、安定したキャッシュの創出源となり、当社を支えることに加えて、新たなマテリアル、すなわち、お客様の期待を超える製品・サービスを提供することで、当社の成長を加速する重要な役割を担っています。資源事業は、銅精鉱の安定調達や既存権益の収益性向上を通じて、低TC/RCの状況下であっても安定した収益基盤を構築する上で欠かせません。再生可能エネルギー事業は、脱炭素社会の実現、電力の再生可能エネルギー自給率100%の達成のために中核的な役割を果たします。そして、コーポレート部門の各部署は、事業の成長を促進するため、業務の質をさらに磨き、変革を後押しする存在であり続ける必要があります。
会社を動かしていく原動力は、他でもない「人」、すなわち皆さん一人ひとりです。こうした大きな変革を求められる状況だからこそ、私たち一人ひとりの力が問われています。それぞれが「志と情熱」を持ち、世界No.1を目指して挑戦し続けてほしいと思います。私自身、常に自身の仕事が世界No.1であるか問い続け、挑戦を続けてきました。皆さんにおかれましても、今一度、自身の仕事を振り返っていただき、それぞれの立場で「志」を立て、「情熱」を持って「資源循環ビジネスで未来を創る企業」への変革を成し遂げるため、そして「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ための挑戦を続けてください。全員が当事者意識を持って行動することで、製造現場だけでなく、営業部門や開発部門、本社各部門等、企業活動全ての最前線における「現場力」がさらに磨かれ、世界を相手に戦う力へとつながっていくと確信しています。
2026年は新中期経営戦略、そして当社の新たな未来に向かってのスタートを切る年です。全社一丸となって、共に当社の未来を切り拓く年にしていきましょう。
以上
広報室:03-5252-5206