プレスリリース

2025年12月18日

三菱マテリアル株式会社

Elemental USA E-Waste & ITAD, Inc.の株式取得に関するお知らせ

三菱マテリアル株式会社は、Elemental Holdings SA(以下「Elemental」)が保有する米国におけるE-Wasteリサイクル事業を行うElemental USA E-Waste & ITAD, Inc.(以下「Elemental USA E-Waste」)の株式を一部取得(以下、「本出資」)することとしましたので、お知らせいたします。

1. 出資の背景・目的

当社は、中期経営戦略(2026~2028年度)において「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、資源循環ビジネスを欧州、米国、アジアでグローバル展開を図るとともに、E-Scrapなどを原料とする二次原料製錬への転換を推進しています。

Elementalは、都市鉱山分野の世界的リーディング企業であり、米国のE-Scrap事業部門ではElemental USAの完全子会社のColt Recycling LLC(以下「Colt Recycling」)を通じて事業を拡大しています。同社は年間約18,000tのE-Wasteを、4つの施設で処理しています。本出資は、米国におけるE-Scrapを含む二次原料の回収量の拡大、回収ネットワークの強化だけでなく、以下に記載する、リサイクルプラットフォームの強化、およびグローバルな資源循環に向けた共通ビジョンの推進に繋がると考えています。

リサイクルプラットフォームの強化

当社は、資源循環ビジネスのグローバル展開の一環として、米国でE-Scrap等の二次原料製錬事業を開発しているExurban Limited(以下「Exurban」)に出資しています。本出資は、回収ネットワークの増加による上流の原料調達拡大を図ることで、Exurbanへの出資を補完するものとなり、加えて当社のE-Scrapの回収・解体から金属地金の製錬に至るまでのグローバルなバリューチェーンの強化になると考えています。

グローバルな資源循環に向けた共通ビジョンの推進

当社とElementalはより循環型で低炭素な経済への移行を支えるリサイクル素材のグローバルなサプライチェーン構築という共通のビジョンを有しており、当社の非鉄金属製錬の専門知識と、急速に拡大するElementalのE-Wasteリサイクル基盤を融合させる契機となります。今後以下の取り組みを協力して進めます:

  • E-Wasteリサイクル事業の戦略的な拡大・M&A等によるグローバルな成長加速
  • 米国およびその他海外での上流の回収ネットワークの強化、高品質な二次原料へのアクセス向上
  • 金属の回収率、サステナビリティ、処理能力を改善するための設備投資と技術導入支援
  • Colt Recyclingから当社グループで建設を検討している米国の二次原料製錬所への将来的な原料供給を含む、長期的なサプライチェーン構築

2. 対象会社の概要

(1)会社名Elemental USA E-Waste & ITAD, Inc.
(2)所在地Corporation Trust Center,1209 Orange Street, New Castle County, Wilmington , Delaware 19801,USA
(3)代表者の氏名・役職Joel Glaser (Chief Executive Officer/President)
Marek Stanio (Chief Financial Officer/Secretary)
(4)事業内容米国におけるE-Wasteリサイクル事業を統括する持株会社
(5)資本金USD 37,180,000.01
(6)設立年月日2020年12月22日
(7)株主構成Elemental Holding SA 100%

3. 取得株式数、取得後の所有株式等の状況

(1)異動前の所有普通株式数
    異動前の優先株式数
0株(議決権所有割合:0%)
0 株(議決権所有割合:0%)
(2)取得普通株式数
    取得優先株式数(※)
4,448株(議決権所有割合:19%)
13,771株(議決権所有割合:0%)
(3)異動後の所有普通株式数
    異動後の所有優先株式数
4,448株(議決権所有割合:19%)
13,771株(議決権所有割合:0%)

※将来的に当社の裁量で、必要な規制当局の承認取得を条件として普通株式に転換できる優先株式(議決権なし)を13,771株取得予定。転換した場合には、当社の議決権所有割合は既存普通株式と合わせて49%になります。

4. 株式取得日

2026年1月22日(予定)
株式取得の完了は株式取得契約書で定めている完了条件を全て満たすことが前提となります。

5. 今後の見通し

本件による2026年3月期の当社連結業績への影響は軽微です。

6. エグゼクティブコメント

三菱マテリアル株式会社 執行役社長 田中 徹也

三菱マテリアル株式会社 執行役社長 田中 徹也:

「本出資は、当社のグローバルな資源循環の取り組みを拡大し、特にE-Scrapなどを原料にする二次原料製錬への移行を推進するための重要な一歩です。Colt Recyclingのような信頼できるリサイクラーとの協業を通じ、米国の二次製錬事業においてE-Scrap回収能力の強化、供給地域の拡大することに加え、既存のExurbanとの取り組みを通じて、重要な素材のより強靭で持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。」

Elemental Holding S.A. CEO Paweł Jarski 氏

Elemental Holding S.A. CEO Paweł Jarski 氏:

「三菱マテリアルの投資とパートナーシップは、当社がE-Wasteリサイクリング事業を世界規模で拡大するうえで、重要な戦略的推進力をもたらします。急速なデジタル化、消費者デバイスの更新頻度の増加、データセンターや電化インフラの拡大により、今後10年間で世界のE-Waste量は急増すると予測されており、産業規模で重要素材を回収できる、拡張性があり技術的に高度なリサイクルプラットフォームの必要性が高まっています。三菱マテリアルの技術的専門性とグローバルな産業基盤は、都市鉱山分野のリーダーになるというElementalの使命を補完するものであり、米国をはじめ世界各地でこのパートナーシップを発展させていくことを楽しみにしています。」

Elemental Holding S.A.について

Elemental Holdingは、E-Waste、自動車触媒、その他の二次資源から貴金属や戦略的素材をリサイクルする分野で国際的なリーダーです。ヨーロッパ、米国、アジア、中東、アフリカに事業拠点を持ち、世界最大級の都市鉱山プラットフォームの構築を目指しています。
URL: https://www.elemental.biz/

Elemental USAの完全子会社のColt Recycling本社Elemental USAの完全子会社のColt Recycling本社

(用語)

都市鉱山
都市に存在する廃棄物や不要品を「鉱山」に見立て、そこから有用資源を回収する概念
E-Waste
使用済みまたは不要になった電気·電子機器の総称
E-Scrap
E-Wasteの中でも、特に有価金属を高濃度に含有する電子機器類の廃基板などの総称

以上

<本件に関するお問い合わせ>

広報室:03-5252-5206

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