2022年12月 9日
三菱マテリアル株式会社
三菱マテリアル株式会社は株式会社日本歯科衛生協会(所在地:東京都目黒区、代表取締役:澤井淳一、以下「日本歯科衛生協会」)とともに、健康保険の運営主体向け(*)クラウド型歯科健診サービス「スマート歯科健診™」の事業化に向けた検討を開始しました。
現在検討している事業は、職場単位など集団で行う歯科健診を対象に、受診者の口の中をデジタルデータ化して診断する健診サービスです。デジタルデータ化により、受診者はスマートフォン上で自身の歯や歯ぐきの3Dモデルを拡大・縮小・回転させ、これまで直接見ることが難しかった口の中を隅々まで確認することができます。さらに、歯科医師とオンラインシステム上で3Dモデルを共有することで、歯科医師から従来よりも的確なアドバイスを受けることが可能となります。
(*)健康保険組合、全国健康保険協会、共済組合などの保険者の保健事業が対象となります。
事業化検討に先立ち、試験的に複数の健康保険組合を対象にこの歯科健診サービスを提供したところ、受診者の方々から『歯の3Dモデルに感動した』、『歯科医院を受診したくなった』などの好意的な意見が多く寄せられ、実際に歯科医院を受診する行動変容も確認されました。
本サービス事業は、当社にとって医療分野における初めての本格的な取り組みとなります。当社では今までに整形外科向け人工関節などの部品や歯科向けの補綴物(ほてつぶつ(詰め物や被せ物))を製作するための切削工具を製造販売しており、既存事業とのシナジーが期待できます。また、医療はじめライフヘルスケア関連領域の市場は今後益々伸長することが予測されています。特に歯科健診については政府が「国民皆歯科健診」の導入を検討しており、重要性が増していくことが予想されます。そのような中、本サービスの事業化は歯科健診および歯科医院の受診率の向上に寄与する有効な手段になると確信しています。
今後は、サービスに使用するシステム開発と日本歯科衛生協会との協業スキームについて、2023年度中の事業化および年間売上高50億円の早期実現を目標として検討を進めてまいります。
本サービスはクラウド上で以下の流れでサービスを提供します。
受診者は事前にスマートフォン上の問診票に必要事項を記入します。健診会場にて歯科衛生士により口腔内スキャナを用いて受診者の歯や歯ぐきの3Dスキャン・写真撮影が行われます。問診票、3Dデータ、写真データはクラウド上に保存され、歯科医師が状況を確認して健診結果が記入されます。
受診者はスマートフォン上の健診結果サイトにて、虫歯や補綴物、歯肉炎などの位置や状態、3Dモデルと写真、医師の所見を確認します。3Dモデルと写真を通じて医師の所見の理解が深まり、過去の結果との比較により歯の形状や歯ぐき下がりなどの経年変化を把握することができます。スマートフォンでいつでも健診結果を閲覧できるため、パーソナルヘルスレコード(PHR)として生涯にわたり自身の歯や歯ぐきの状態を一括で管理することが可能です。
オンライン相談では、歯科医師と健診結果、3Dモデルと写真を画面共有して相談を進めます。それらを活用しながら虫歯などの症状や受診者が気になっていることなどを相談できるため、受診者は従来よりも的確なアドバイスを受けることができます。
治療内容や期間などの治療に関する相談の他、矯正やホワイトニングなどの審美、日常のケアの方法など、受診者が抱える悩みや疑問を歯科医師が丁寧にお答えします。
以上
三菱マテリアル株式会社
戦略本社 経営戦略部
コーポレートコミュニケーション室
03-5252-5206