2022年12月 2日
三菱マテリアル株式会社
株式会社エンビプロ・ホールディングス
三菱マテリアル株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:小野直樹、以下「三菱マテリアル」)、株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社:静岡県富士宮市、代表取締役社長:佐野富和、以下「エンビプロHD」)、株式会社VOLTA(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:今井健太、以下「VOLTA」)は共同で、事業化を前提とした、リチウムイオン電池(以下、「LIB」)のリサイクル工程で製造されるブラックマス(*1)に含まれるリチウム、コバルト、ニッケルを回収・精製する湿式製錬技術の開発に着手しました。
(*1:LIBを放電・乾燥・破砕・選別したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓)
レアメタルを含有するLIBは、スマートフォンなどのモバイル機器や家電製品に広く利用されています。また、ハイブリッドを含む自動車のEV化により、これからもLIBの需要は拡大していく見込みです。一方で、主要なLIB材料であるリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルは近い将来の供給不足が懸念され、地下資源の開発に加え、材料のリサイクルや代替材料の開発などの対策が、産業界全体における成長戦略の重要な課題となっています。
このたび、三菱マテリアルとエンビプロHD、VOLTAの共同開発では、相互に培ってきたノウハウと湿式製錬技術を融合することで開発を加速し、ブラックマスを原料としたレアメタルの回収・精製の事業化に向けた技術開発に取り組みます。これらレアメタルを高効率で回収するリサイクル技術の確立により、LIBの処理からリチウムイオン電池材料の安定供給まで一貫したリサイクルシステムの構築に貢献してまいります。
三菱マテリアル、エンビプロHD、VOLTAによる共同開発となり、LIBのリサイクル工程で製造されるブラックマスからのリチウム、コバルト、ニッケルの高効率回収プロセスの確立を目指します。
当社はこれまでも、銅製錬所におけるシュレッダーダストやE-Scrapの処理、家電リサイクル工場への出資をはじめとして、各事業分野においてリサイクルを積極的に推進してまいりました。
このたびエンビプロ・ホールディングス社とともに、湿式製錬によるリチウムイオン電池のブラックマスからのレアメタル回収という新たなリサイクルの事業化に向けて共同開発することとなりました。
当社がこれまで培ってきた製錬技術を最大限に活かして本プロジェクトを成功させ、早期の事業化を目指すとともに、リチウムイオン電池材料の安定供給とそのリサイクルシステムの構築に貢献していきます。
リチウムイオン電池のリサイクル分野は中国や韓国が先行していち早く事業化し、年々その規模を拡大しつつあります。
一方日本ではLIBリサイクルの一次加工にあたるブラックマス製造を担う会社は複数あるものの、次の工程である製錬分野で事業化している会社はまだありません。
三菱マテリアル社との今回の共同開発契約は、LIB to LIBのクローズドループ実現を目的にしており、資源安全保障の観点からも国益にかなう取り組みです。
当社はリサイクル業界で70年余に渡り生業を営んできました。私はこの際、これまで培ってきたリサイクル技術やノウハウを惜しみなく提供して本プロジェクトを必ずや成功裡に導く覚悟です。
以上
三菱マテリアル株式会社
戦略本社 経営戦略部
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株式会社エンビプロ・ホールディングス
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