2022年10月14日
三菱マテリアル株式会社
三菱マテリアル株式会社の従業員が執筆した、新材料開発において利用可能な機械学習モデルを活用した材料の特性予測技術に関する論文が、英国の総合科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
今回の論文において構築した機械学習モデルは、米国立標準技術研究所(NIST)のデータベース(*1)を基にした金属錯体(*2)データを対象に、錯安定度定数(*3)を予測するモデルを構築でき、新材料開発時にも利用可能な技術です。
(*1)57種類のイオンの19,810個の金属錯体データ
(*2)金属イオンを囲む1個または複数の分子などで構成されるもの
(*3)めっきなどの表面処理技術、純物質を抽出する分離精製技術、薬学分野などの分子デザイン、分析化学などで用いられる金属錯体の重要な特性指数
材料開発分野では、様々な材料需要の多様化に迅速に応えるため、試行錯誤に依存していた従来手法に代わってデータ科学に基づく機械学習や人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(Materials Informatics;以下MI)を用いた開発期間の短縮、新しい材料の発見・開発が期待され、その活用が進んでいます。
このたびの研究結果は、材料の特性として理解しやすい特徴量(パラメータ)を抽出しながらMIに基づく特性予測を行う一つの方法論を示すことができたものと考えています。
三菱マテリアルはこれからも新しい材料の開発および付加価値の高い製品の開発・提供を通じて、豊かな社会の構築に貢献してまいります。
本研究成果を2022年4月に国際的な学術誌である、Springer Nature Groupの総合科学雑誌「Scientific Reports」(オンライン)に投稿し、6月に正式に受理されました。
以上
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