2022年4月13日
三菱マテリアル株式会社
三菱マテリアル株式会社は、リチウムイオン電池モジュールや電子回路基板などの発熱した高温部材から、ヒートシンクなどの低温の放熱部材への熱の移動を促すために、それらの部材間に挟み込んで使用する伝熱材料として「伝熱パテ」の開発に着手しました。
高温部材と低温部材の接触面には、界面熱抵抗(接触面に生じる熱抵抗)が生じ、高温部材から低温部材への熱の伝達が阻害されます。この界面熱抵抗のために、高温部材が十分に冷却できないことが課題となっています。対策として伝熱性ゴムシートなどが使用されていますが、接触する部材の形状に合わせてある程度変形させられるものの、十分に密着させることが難しく、課題の解決には至っていません。
当社はこうした課題を克服するために、伝熱性を有し、かつゴムよりも柔らかい伝熱材料の開発に取り組み、熱伝導率の高いフィラー(充填剤)と、ある特定のゴムとを組み合わせ、柔らかい粘土状の伝熱材料とする技術を開発しました。この技術を応用して、接触する部材の形状に追従して、より密着させることが可能な「伝熱パテ」の開発を進めてまいります。
「伝熱パテ」の使用例:CPUの発熱対策のイメージ図
現在、自動車や電子機器関連分野など幅広い分野で発熱が課題となり、伝熱材料の要求が高まっています。それらに対して、より良い提案ができるように、さらなる開発に取り組んでまいります。
当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」となることをビジョンとしております。今後も、非鉄金属素材および付加価値の高い製品の開発・提供を通じて、豊かな社会の構築に貢献してまいります。
以上
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