三菱マテリアル

プレスリリース

2020年5月 7日

三菱マテリアル株式会社

LEDヘッドランプの長寿命化に貢献するメタルベース基板「nBoard®-R」を開発

三菱マテリアル株式会社(執行役社長:小野 直樹、資本金:1,194億円)は、車載用高輝度LED向けメタルベース基板「nBoard®(以下「従来品」)」の改良型として、熱抵抗の上昇を抑えることでLEDヘッドランプの長寿命化を実現するメタルベース基板「nBoard®-R」※1を新たに開発しましたので、お知らせいたします。

自動車のヘッドランプの光源には、ハロゲンランプなどに代わり高輝度LEDの採用が進んでおり、2025年までには搭載率50%を超えると予想されています※2。高輝度LED向け基板には、高い放熱性が要求されるため、従来はアルミナ基板に代表されるセラミックベース基板が一般的でしたが、当社は2019年1月により高い放熱性をもつメタルベース基板として従来品を開発しておりました。

一方、LEDヘッドランプ内では、LEDとメタルベース基板はハンダにより固定されていますが、LEDの点灯、消灯を繰り返すことで生じる熱サイクルにより基板の熱抵抗が上昇し、ハンダに大きな負荷がかかることで、ハンダにひびや割れ(以下「クラック」)が生じやすく、このようなクラックは、LEDヘッドランプの寿命に大きく影響していました。

このたび、当社は従来品と同様に高い放熱性を維持しつつ熱サイクルによる熱抵抗上昇を抑えるメタルベース基板としてnBoard®-Rを開発しました※3。nBoard®-Rは、-40℃と125℃の熱衝撃を交互に3,000回通した場合であっても、熱抵抗の変化率は5%以内となり(図1)、従来品よりも熱抵抗の変化率を大幅に改善するとともに、クラック発生率※4は0%を達成しています。なお、従来品に比べると放熱性は低下したものの、アルミナ基板との比較ではnBoard®-Rの熱抵抗は15%程度低くなり、従来品と同様にnBoard®-Rの放熱性が高いことが分かります。

nBoard®-Rは、当社独自のプロセスにより従来品の樹脂絶縁膜を改良したことに加え、シミュレーションに基づく構造設計やLEDモジュール※5まで作りこんだ上での評価技術など、当社がこれまで培ってきた総合的な技術力によって開発され、放熱性と信頼性を併せ持つ新たな基板として、LEDヘッドランプの長寿命化に貢献するものと考えております。

当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」となることをビジョンとしております。今後も電力機器分野において独自の技術を活かした製品開発を促進することで豊かな社会の構築に貢献してまいります。

図1:「nBoard®-R」の熱サイクルごとの熱抵抗の変化 「nBoard®-R」の熱サイクルごとの熱抵抗の変化
図1-2:高輝度 LEDを実装したnBoard®-Rの熱抵抗評価時の構成※4
高輝度 LEDを実装したnBoard®-Rの熱抵抗評価時の構成
※1.
「nBoard®-R」の平均耐電圧は3ACkV、平均熱伝導度は2W/mK
※2.
富士キメラ総研「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2018」より
※3.
データ取得基板の回路厚みは35µm、銅板厚みは1mm、ハンダ厚みは60µm
※4.
LED素子中心付近での断面におけるハンダ内のクラック量/ハンダ幅
※5.
LEDと電子基板を組み合わせたもの

【関連リリース】
2019年1月8日
車載用高輝度LED向けメタルベース基板「nBoard」を開発
https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2019/19-0108.html

以上

<本件に関するお問い合わせ>
コーポレートコミュニケーション部 広報室:03-5252-5206

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