プレスリリース

2017年1月25日

世界最大級の柱状晶シリコンの製造技術を確立

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:竹内 章、資本金:1,194億円)の電子材料事業カンパニーは、連結子会社である三菱マテリアル電子化成株式会社(取締役社長:越村 正己、資本金:26億円)と共同で、長年培ってきた精密鋳造に対する高度な知見を活かし、高純度化と内部応力の低減によって実用性が格段に向上した、角型の一辺が1200mmを超える世界最大級の柱状晶シリコンの製造技術をこのたび確立しましたので、お知らせいたします。

柱状晶シリコンは、一方向に結晶を成長させて凝固させた「柱状」の結晶構造を持つ多結晶シリコンです。シリコンは材質が脆性なことに加え、凝固過程において膨張するため、大型になると割れやすい物性が顕著に現れます。当社は、長年培ってきた高度な精密鋳造技術を駆使することにより、高純度化と内部応力の低減を実現する製造技術を確立し、実用性が格段に上がった大型柱状晶シリコンを安定的に製造することに成功したものです。

このたびの大型柱状晶シリコンの製造技術の確立により、現在同製品が利用されている分野である半導体製造装置用部材(プラズマエッチング装置※1用部材、均熱板※2等)やスパッタリングターゲット材料等で、その利用拡大が見込まれます。近年では、半導体の微細配線化に伴って半導体装置内における不純物の低減要求が高まっており、柱状晶シリコンは同装置のウェーハ周辺の部材から、従来は他の素材を利用していた同装置の大型部材へも使用範囲が拡大しています。また、フラットパネルディスプレイの分野においても基板の大型化が進んでおり、基板を熱処理する工程で使用される均熱板としての柱状晶シリコンについても大型化のニーズが高まっております。当社の大型柱状晶シリコンは、高純度でかつ加工性に優れていることから、そのほかさまざまな製品分野に利用が拡大していくものと期待されます。

当社は2016年度中を目途に、この大型柱状晶シリコンをサンプル出荷する予定です。2017年2月15日(水)~17日(金)東京ビッグサイトで開催される「新機能性材料展2017」への出展も予定しておりますので、ぜひご来場ください。

当社は、長期経営方針において「ユニークな技術により、地球に新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するNo.1企業集団」となることを掲げております。当社電子材料事業カンパニーと三菱マテリアル電子化成株式会社は、精密鋳造技術というユニークな技術に裏打ちされた大型柱状晶シリコンの提供を通じて社会に貢献してまいります。

※1
プラズマエッチング装置
フォトレジスト(感光性を有するエッチングに耐える性能を持つ化学薬剤)により、回路パターンが描かれたウェーハ上の酸化膜などの薄膜を、プラズマ状態となったエッチングガスでパターンに沿って削り取る装置。
※2
均熱板
板面内の温度分布が小さいため、基板等の均一な熱処理を可能にするシリコン製の板。

【用途例】
プラズマエッチング装置用部材、均熱板(アニール炉用、拡散炉用)、サセプタ(CVD装置用)、スパッタリングターゲット材料、赤外線レンズ

世界最大級の柱状晶シリコン 世界最大級の柱状晶シリコン (画像をクリックして拡大イメージを表示)

以上

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