2015年10月 7日
三菱マテリアル株式会社(取締役社長:竹内 章、資本金:1,194億円)の加工事業カンパニーは、超硬ソリッド工具※の製造体制を拡充するため、このたび約37億円の費用を投じインドネシア国に有する超硬工具製造拠点PT.MMC Metal Fabrication(以下、MMF社)第二工場を移転・新設し製造能力増強を図るとともに、約4億円の費用を投じ岐阜製作所に最新鋭ドリル製造設備を導入することとしましたので、お知らせいたします。
なお両設備は、それぞれ2016年10月頃に稼働開始予定です。
ソリッドエンドミルやソリッドドリルをはじめとした超硬ソリッド工具は、自動車や航空機などの輸送機器産業や、医療器具など各種精密機器産業における金属部品の穴あけ、溝掘り、側面の削り出しなどの加工に不可欠な製品です。
超硬ソリッド工具市場は、航空機産業などの成長に伴い世界的に拡大基調にある中、近年は使用される部材がCFRP、チタン、超耐熱合金など、軽量化や機能性向上を目的に多様化・難削化している上、加工形状も複雑化の傾向にあるため、顧客ニーズへの迅速な対応、安定した製造体制の構築が事業戦略上の課題となっています。
加工事業カンパニーでは、売上高の約2割を占める超硬ソリッド工具について、主力製品であるインサートに次ぐ収益の柱へ育てていくための戦略を検討してまいりました。
現在のMMF社第二工場は、アジア地域におけるタイに次ぐ超硬製品の主力工場として、2012年の操業開始以来着実に成長してまいりました。
当社は、①MMF社が培ってきた製造ノウハウ、②成長著しいASEAN諸国市場におけるローカルサービス強化、③製造拠点分散によるリスク低減などに鑑み、このたびMMF社と岐阜製作所の製造体制拡充を決定いたしました。
MMF社第二工場は、今回の移転によりソリッドエンドミルの製造能力を年産74万本(現在の約2倍)に増強するとともに、年産12万本規模のソリッドドリル製造ラインを新設します。また、MMF社の能力増強にあわせ、岐阜製作所に最新鋭の設備を導入することで、付加価値の高い高性能品の拡充を図る予定です。
今後MMF社は汎用製品に、岐阜製作所および明石製作所はそれぞれ超硬ソリッドドリルと超硬ソリッドエンドミルのマザー工場として難削材向けをはじめとした高付加価値製品に注力することで、超硬ソリッド工具市場のシェア拡大を図ってまいります。
当社は、中期経営計画「Materials Premium 2016」において、全社成長戦略の一つに「グローバル競争力の強化」を掲げ、海外製造・販売拠点の拡充など、新興国を中心とした事業展開により成長を実現していくこととしております。
当社の加工事業カンパニーは、既存の製造拠点である米国、スペイン、タイ、中国に続き、このたびの製造体制拡充によりグローバル競争力のさらなる強化を図り、拡大する超硬ソリッド工具市場を確実に獲得していくことで持続的な成長を実現してまいります。
※ 超硬ソリッド工具:ドリル、エンドミルには、刃先だけが超硬の製品と軸部までが超硬一体型の製品がある。
後者を超硬ソリッド工具と呼ぶ。
MMF社 新第二工場の完成イメージ
東南アジアにおける超硬事業の拠点
以上