三菱マテリアル

プレスリリース

2014年10月 8日

油水分離を可能とする世界初の「フッ素系化合物」を開発

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:矢尾 宏、資本金:1,194億円)の電子材料事業カンパニーと、同カンパニー所管の連結子会社である三菱マテリアル電子化成株式会社(取締役社長:内山 直樹、資本金:26億円)は、独自のフッ素化技術と有機合成技術により、油水分離を可能とする親水撥油特性を有する世界初の「フッ素系化合物」を、このたび新たに開発しましたので、お知らせいたします。

さまざまな製品における「汚れ」対策には、主に「撥水撥油剤」あるいは「親水剤」が、塗布剤などとして使われています。
「撥水撥油剤」は、水も油も寄せ付けない防汚特性をもち、汚れの予防策として防水機能付の衣類やスポーツ用品をはじめ、スマートフォンやタブレットPCの画面における指紋汚れ防止などに、主に利用されています。
一方「親水剤」は、水に馴染むことで洗浄を容易にする易洗浄特性をもち、雨や水で容易に汚れが除去できるよう、建物の外壁や窓ガラス、自動車ボディなどに利用されています。
また、上記の両特性を併せ持つ「親水撥油剤」として、フッ素系材料と、酸化チタンあるいはシリカを複合化した素材があり、建物の外壁に利用された例はあるものの、瞬時に十分な親水撥油性を発現させることは困難でした。

優れた親水撥油特性を有する本開発品は、各種材料に塗布することで油汚れを防止し、除去を容易にするため、レンジフード、換気扇などの各種厨房機器、油で汚れがちな工場の床、機械装置、鉄道や自動車の油付着部などへの利用が期待されます。
また、本開発品を布製やセラミックス製など各種フィルターに塗布した場合、水を通しながらも油を通さない油水分離フィルターとなるため、河川や海洋における油流出事故の復旧作業、石油資源の採掘現場、金属工場や食品工場の油含有廃液の油分離装置など、大規模かつ効率的な油水分離処理が求められる、さまざまな分野への応用が期待されます。

当社の電子材料事業カンパニーは、幅広い利用形態が見込まれる本開発品について、市場ニーズを反映したさらなる新製品へ展開させるなど、新市場を創出し大型事業へ育成してまいります。
また、当社の電子材料事業カンパニーは、中期経営計画「Materials Premium 2016」における事業戦略として、「ユニークで高付加価値戦略製品の短期開発と戦力化を実現するために、マーケティング主導による研究開発を推進」することを掲げておりますが、今後もお客様のニーズに適うユニークで付加価値の高い製品の提供を通じ、世界シェア№1製品群を有する高収益事業体を目指してまいります。

水による油汚れの除去(開発品を塗布したPETフィルムの事例)

油滴の実験

油と水の分離(開発品を塗布したフィルターの事例)

フィルタの実験

以上

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