当社グループは、事業活動上の優先順位を示す指針として、「SCQDE※」を定め、従業員の安全と健康(=S)は、最優先事項に位置付け、かねてより全社・各グループ会社において様々な取り組みを行ってまいりました。
※S:安全と健康、C:法令遵守・環境保全、Q:製品・サービスの品質、D:納期厳守、E:適正利益
しかしながら、我が国における従業員の健康を取り巻く状況は、少子高齢化を背景とした高年齢労働者が安心して働ける職場環境づくりや健康づくりをはじめ、メンタルヘルス対策の推進、治療と仕事の両立への対応など、様々な課題を有しています。
そこで当社では、従業員の健康管理を経営課題として捉え、戦略的に取り組む「健康経営」に全社的に取り組むこととし、社員とその家族の心と身体の健康づくりに向けての対策を三菱マテリアル健康保険組合との連携のもとで展開をしていきます。
健康経営の活動を通じ、従業員がより健康でいきいきと働ける職場を形成していくことで、労働生産性の向上や、ひいては企業価値の向上に繋げていくことが期待されます。
また何よりも、健康増進によって従業員とその家族が幸せを感じながら会社生活を送ることができる、まさに会社と従業員の双方にとって実りの多い活動となるよう、取り組んでまいります。
三菱マテリアルグループは「人と社会と地球のために」を企業理念とし、その行動規範に「安全と健康をすべてに優先させる」を掲げ、労働災害の防止や労働衛生の確保、社員の健康管理に最大限の努力を払い継続的改善を行っていきます。
具体的には、働き方改革の取組みや社員とその家族の心と身体の健康づくりに向けての対策を健康保険組合との連携のもと展開していきます。
また、世界的感染症等新たな疾病対応についても、社員と家族のための感染予防・健康づくりに努めていきます。
2020年10月1日
執行役社長 小野 直樹
当社では、従業員の健康管理を経営課題と捉え、2020年10月に「三菱マテリアルグループ健康経営宣言」の制定を行い、執行役社長を最高責任者とする健康経営推進体制の整備、基本方針の策定など、三菱マテリアル健康保険組合と連携し、健康経営の推進を図ってまいりました。
2023年度からは、従業員の健康リテラシー向上を目指し、重点実施項目として①高血圧 ②糖尿病 ③喫煙 ④メンタルヘルスについて中期的な数値目標を定め、全社的な展開を行い、計画的にその向上に取り組んでいます。
また、女性特有の健康課題や高年齢層従業員向け健康セミナーなど、健康に対する意識や感度を向上させると共に健康保持に必要な基礎知識を付与するため、各種教育研修を展開。
その他、ウォーキングイベントの開催による運動機会の提供をはじめとした全社的な活動と事業所毎の活動を組み合わせ、健康増進に関する多彩な取り組みを推進しています。
こうした中、これまで外部の顕彰制度において以下の認定を得ることができ、当社の健康経営活動の成果を可視化することができました。
今後も当社の行動規範である「安全と健康をすべてに優先させる」のもと、従業員一人ひとりの健康意識をさらに高めていくとともに、いきいきと働きやすい職場づくりや多様な健康経営施策等を通して、当社グループの企業価値向上に取り組んでまいります。
当社グループの中期経営戦略と連動し、健康経営においても中期的な目標を設定
死亡リスクを高める要因の高血圧、糖尿病、喫煙、ならびにメンタルヘルスに関する指標である各拠点の「健康いきいき度」について、中期的な数値目標を定め、各拠点と共に計画的に取り組んでいく
活動事項および施策 | プロセス指標 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
重点実施事項 | 1.健康教育の展開
|
健康セミナー受講率 | ー | 78.1% | 85.5% | |
2.高血圧、糖尿病ハイリスク者低減施策
|
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% | ||
精密検査受診率 (高血圧・糖尿病以外の項目も含む) |
63.0% | 77.0% | 75.2% | |||
高血圧・糖尿病ハイリスク者受診率 | ー | 高血圧 60% 糖尿病 79% |
高血圧 67% 糖尿病 80% |
|||
3.「禁煙率向上」への取組み
|
喫煙率 | 25.5% | 24.4% | 23.5% | ||
オンライン禁煙外来参加人数 | 6名 | 実施見送り | 9名 | |||
4.「メンタル休業者・休業日数削減」への取組み
|
心の健康づくり計画拠点策定率(50人超) | 100% | 100% | 100% | ||
メンタルヘルス研修受講率 | セルフケア研修 | 90% | 87.7% | 85.5% | ||
ラインケア研修 | 98.8% | 95.2% | 94.7% | |||
ストレスチェック受検率 | 96.3% | 96.0% | 96.3% | |||
「いきいき度」 | 102 | 101 | 104 | |||
健康保持・増進に向けた取組み | 5.健康づくりの為の環境整備
|
健康測定器具設置率 | 100% | 100% | 100% | |
kencom登録率(被保険者、4月時点) | 38.6% | 43.3% | 46.8% | |||
6.「食」への取組み
|
食への取り組み拠点 | 100% | 100% | 100% | ||
7.「運動」への取組み
|
歩行または同程度の運動を 1日1時間以上行っている |
40.1% | 40.5% | 集計中 | ||
kencomウォーキングイベント参加者数 | 580名 | 914名 | 1,046名 | |||
健康損失リスク低減に向けた取組み | 8.健診機会の積極的な活用(定期健康診断100%受診を含む)
|
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% | |
9.家族の健康づくり
|
被扶養者の特定健診受診率 | 59.0% | 60.3% | 59.5% | ||
10.感染症予防対策
|
消毒用アルコールおよび マスク設置率 |
100% | 100% | 100% | ||
11.「過重労働防止」への取組み
|
平均残業時間 | 17.1H/月 | 17.8H/月 | 14.0H/月 | ||
12.「年次有給休暇取得促進」への取組み
|
年次有給休暇取得率 | 81.1% | 87.3% | 83.9% | ||
13.適正な健康経営活動の運営維持に向けた取組み
|
各拠点における諸施策立案・実行率 | 100% | 100% | 100% |
4種目=パターゴルフ、トランプ、卓球的なもの、ダーツ
骨密度測定、体組成測定、乳がんモデル設置 等
全従業員の宣言を食堂に掲示
当社は健康経営の考えに賛同し、「より多くの企業の皆さまに、健康経営を知って頂きたい」との思いから、当社の取り組み事例を含む健康経営に関する情報をリーフレットにまとめ、取引先や各事業所の協力会社など、サプライチェーン各位に配布させていただき、健康経営活動をご紹介しています。
2023年度~2025年度までの中期的な数値目標を設定。
血圧、HbA1c(直近1~2ヶ月の血糖平均を表す指標)が「要至急受診」レベル以上の者(治療中の者、及び血圧については家庭での血圧が概ね正常の者を除く)の医療機関受診率を2025年度末までに100%とするため、判定区分ごとに管理目標を設定。
検査項目 | 判定区分 | |||
---|---|---|---|---|
要再検査 | 要精密検査 | 要至急受診 | 就業措置検討 | |
収縮期血圧(mmHg) | 150〜159 | ー | 160〜179 | 180〜 |
拡張期血圧(mmHg) | 95〜99 | ー | 100〜109 | 110〜 |
HbA1c(%) | 6.0〜6.4 | 6.5〜6.9 | 7.0〜8.9 | 9.0〜 |
参考)MMCにおける健康診断判定区分一覧(高血圧・糖尿病のみ抜粋)
年度 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|---|
血圧 | 31.3% | 31.2% | 29.6% | 32.0% | 33.7% | 27.8% |
血糖 | 31.8% | 39.4% | 37.7% | 32.1% | 25.6% | 28.7% |
2023年度~2025年度までの中期的な数値目標を設定
【例】所内喫煙率と共に禁煙啓蒙ポスターの掲示(若松製作所)
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
喫煙率 | 31.0 % |
28.3 % |
28.2 % |
27.0 % |
26.2 % |
25.5 % |
24.3 % |
23.4 % |
「健康いきいき職場」該当拠点:2021年度実績57%(15/26拠点)→ 「健康いきいき職場」該当拠点を2025年度までに80%へ
※補足説明「いきいき度」(働きがいの指標)
プレゼンティーズムとは、健康問題による労働機能障害、つまり何らかの体調不良を感じながら勤務している状態のことであり、当社では2021年より産業医科大学で開発されたWfun(Work Functioning Impairment Scale)調査票による調査を実施しています。
A判定 | 上記のすべてを満たす | 職場全体が、元気に仕事に取組めている状態。 |
---|---|---|
B判定 | 上記のうち2つを満たす | 職場全体が、比較的元気に仕事に取組めているが、仕事に困難を感じている従業員もやや多い状態。 |
C判定 | 上記のうち1つを満たす | 体調によって仕事に困っている従業員が多くいる状態。それによる仕事のパフォーマンスへの影響も大きいと考えられる。 |
D判定 | 上記すべてに該当しない | 体調によって仕事に困っている従業員が多く、深刻な状況。就業措置や治療等の医学的な対応が必要と考えられる従業員もいることが窺われる。 |
年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 良好 基準※ |
---|---|---|---|---|
受検者数 | 6,691名 | 5,814名 | 5,516名 | ー |
受検率 | 96.3% | 96.0% | 96.4% | 78% 以上 |
高ストレス者比率 | 10.3% | 10.3% | 10.5% | 12.1% 未満 |
総合健康リスク※1 | 86 | 83 | 82 | 100 未満 |
いきいき度※2 | 102 | 101 | 104 | 100 以上 |
ワークエンゲージメント | 2.44 | 2.44 | 2.46 | 1~4点で数値が高いほど良い |
※参考基準であって目標ではない
Well-being推進を通じた働きがいの醸成を実現するため、従業員のエンゲージメント向上に取り組んでいます。
関連リンク:https://mmc.disclosure.site/ja/themes/111
年度 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|
エンゲージメントサーベイ (全設問における肯定的回答率) | ー | 71% | 73% |
※目標指標:2025年度75%、2030年度80%
年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|
離職率 | 4.5% | 3.8% | 2.9% | 2.9% |
年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|
医療費 | 149,559円 | 157,598円 | 160,664円 | 166,531円 |
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 17.5年 | 17.7年 | 18.0年 | 18.2年 | 18.4年 |
女性 | 14.4年 | 14.3年 | 14.4年 | 14.1年 | 14.1年 |
全体 | 17.2年 | 17.3年 | 17.6年 | 17.7年 | 17.8年 |
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|
受診率 | 99.5% | 99.8% | 100% | 100% | 100% | 100% |
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|
受診率 | 87.1% | 87.0% | 90.0% | 91.4% | 88.6% | 91.4% |
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|
完了率 | 88.3% | 85.9% | 87.1% | 86.9% | 87.2% | 実施中 |
配偶者、家族の健康保持・増進のため、家族健診および扶養者の特定保健指導の実施を推進しています。また大腸がん検診や家族の婦人科健診についても健保組合の費用補助を活用し、受診を推進しています。
インフルエンザおよび麻疹(はしか)予防接種については、三菱マテリアル健康保険組合と連携の上、費用補助を行っています。
また新型コロナウイルス感染防止施策においては、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、社内方針や対応ガイドライン・マニュアルを作成等、フェーズに応じた機敏な対応を行いました。(対策本部は2023年5月をもって解散)
従業員のヘルスリテラシー向上のため、メンタルヘルスや生活習慣病の予防に関する内容、熱中症対策や女性特有の健康課題、高年齢従業員に関する内容を取り上げ、社内教育システムを通じて毎年実施。スマホ端末からも受講できる環境を整備し、工場勤務者や交替勤務者も受講しやすい環境を整えています。
また、2023年度からは安全管理部門と連携し、社内外のデータに基づいた腰痛予防や熱中症対策に関する教育コンテンツを共同作成し、全グループを対象として健康教育を進めています。
各教育受講後は全てアンケート調査を実施。女性従業員を受講対象とした「女性特有の健康課題」においては、「Kenko企業会」(社外組織)と連携したアンケートを実施、当社女性従業員の健康課題把握や健康経営施策に活用しています。
※Kenko企業会:https://note.com/kenko_kigyo/n/nf72539e74c46
当社は2022年よりkenko企業会に参加しています。
セミナー名 | 受講者数(人) |
---|---|
セルフケア研修 | 5,401 |
ラインケア研修 | 1,541 |
女性特有の健康課題 | 417 |
加齢に伴う健康課題 | 616 |
喫煙 | 305 |
ヘルスリテラシーの向上を目的として、毎月、本社産業保健スタッフ(保健師・臨床心理士)が作成した「保健だより」を全グループへ配信しています。
(テーマ...熱中症対策、禁煙、メンタル、フィジカル等、トレンドを踏まえて年間計画策定)
従業員の運動習慣向上のため、全社で毎日の体操を実施しています。また三菱マテリアル健康保険組合と連携し、アプリを用いたウォーキングイベントを年2回定例開催しています。
2024年度の全国労働衛生週間健康増進行事として、「東京都スポーツ推進企業」プログラムを活用し、元オリンピック陸上選手を招いた運動イベントを、集合型とオンラインのハイブリッド形式で開催し、当社のみならずグループ展開しました。
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全年齢 | 23.6 % |
24.1 % |
25.0 % |
24.3 % |
25.5 % |
28.2 % |
27.9 % |
集計中 |
40歳以上 | ー | 25.1 % |
25.5 % |
24.7 % |
26.3 % |
29.4 % |
27.9 % |
集計中 |
年度 | 2020秋 | 2021春 | 2021秋 | 2022春 | 2022秋 | 2023春 | 2023秋 | 2024春 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
チーム数 | 25 | 105 | 136 | 132 | 131 | 149 | 159 | 193 |
参加者 | 195 | 580 | 934 | 914 | 927 | 1,046 | 1,206 | 1,293 |
平均歩数 | 9,862 | 8,647 | 9,202 | 8,951 | 8,827 | 8,605 | 8,171 | 8,044 |
三菱マテリアル健康保険組合と連携し、2019年からkencomアプリを導入しています。ウォーキングイベント開催の他、健康診断結果を経年で閲覧できる機能や、自身の血圧や体重、歩数など体調管理への活用も可能で、健康に関する各種情報が取得可能となっています。各種健診受診や健保保健事業の参加に応じインセンティブが付与される等、福利厚生の一環としても活用しています。
年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
---|---|---|---|---|---|
金額 | 9,656 | 10,757 | 12,297 | 15,524 | 18,187 |
一人当たりインセンティブ | 1.4 | 1.5 | 2.0 | 2.6 | 3.1 |
「野菜摂取強化月間の新設」
2024年度より、8月31日(やさいの日)にちなんで、8月を野菜摂取強化月間と設定し、健康経営活動「食への取り組み」を推進しています。
各拠点で社外業者様とも連携し、野菜摂取量の測定イベントや、食堂で野菜を多く摂り入れたメニューを特に紹介する等の取組みを行っています。
2024年度より健康経営のトレンドや各社取組み状況の共有、課題解決の場を設け、当社グループにおける健康経営活動の推進を加速。
健康経営優良法人 | 大規模法人 部門 |
|
---|---|---|
中小規模法人 部門 |
|
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健康企業宣言 | 金の認定 取得 |
|
銀の認定 取得 |
|
|
銀の認定 取り組み中 |
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(2024年9月末現在)
健康増進行事参加者の声