金属ゴムは金属と同等の融点を実現
金属ゴムの機能、耐熱性について融点の観点から各材料を比較します。
融点は固体が液体に変わる融解のおこる温度で、固体物質中での原子間あるいは分子間の結合力の強さの目安です。一般的に材料固有の値とされ工業材料では金属は高い融点を有し、有機化合物の融点は低い。
金属材料では鉄、ニッケル、銅については融点1,000℃以上、アルミでも660℃であり、ゆえに金属の耐熱性は高い傾向にあります。
そのため、強度を求められたり、600℃以上の高温用途では種々の金属および合金用いられてきました。
一方で、ゴム材料では天然ゴム系、アクリル系については融点が200℃以下、耐熱ゴムとされているフッ素系、シリコーン系でも約300℃程度にとどまります。
ゆえに、400℃以上で柔軟性を求められる用途においては、適切な材料の選定が困難となっていました。
金属ゴムは、柔軟性は微細形状で、耐熱性は素材で、というようにそれぞれ機能分離した因子を用いているため耐熱性と柔軟性のトレードオフに苦慮することがありません。
材料選択に際し、耐熱性の観点から高融点の金属とすることができるため、金属ゴムの融点は選択金属に順じ、ゴムに比べて優れた耐熱性を有することができます。