2020年9月 3日
三菱マテリアル株式会社
三菱マテリアル株式会社(執行役社長:小野 直樹、資本金:1,194億円)高機能製品カンパニーは、従来製品よりも高速応答・高精度・薄型で、さらに曲げても動作するフレキシブルなサーミスタセンサ(以下「新製品」)を開発しましたので、お知らせいたします。本製品のサンプル出荷は7月より開始しております。
サーミスタセンサは温度を検知する電子デバイスで、スマートフォンやパソコンをはじめ、自動車、自動二輪、エアコン、冷蔵庫など私達の日常生活を取り巻くさまざまなものに使用されており、温度の計測はもちろん、電子機器の異常発熱による故障を防止する役割があります。近年では、各種電子機器の軽量化・小型化・薄型化にともない、温度センサへの要求も軽量化・小型化・薄型化し、加えて、より細かな温度制御を行うために、熱応答の速さ(高速応答性)や、熱測定の精度のニーズも高まっております。
当社では、2019年に車載用バッテリモジュール向けの高速応答サーミスタセンサ(以下「従来品」)を開発しておりますが、新製品は、従来品と比べ約7倍の高速応答性を有し(図2)、熱測定の精度も約2倍を実現しております。また、従来品はチップサーミスタを樹脂ケース部に内蔵していたことで製品の厚みが4ミリありましたが、新製品はチップサーミスタを基板の表面に搭載し、無駄な部品をなくしたことで製品厚み0.5ミリを実現しました。これによって新製品は従来品と比べ屈曲性が高くなり、狭い部位や湾曲した部位など、複雑な形状や薄さが必要な製品への取り付けが可能となりました。さらに、新製品は、部材に鉛フリーはんだを使用するなどRoHS適合製品※を用いることで、自動車用途はもとより、医療用機器や人体に接触するウエアラブル機器まで、幅広い用途での使用を期待しております。
当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」となることをビジョンとしております。今後も、サーミスタセンサの市場のニーズをとらえ、独自の技術を活かした製品開発により、豊かな社会の構築に貢献してまいります。
シリーズ名 | DCFシリーズ |
長さ | 32.0mm |
幅 | 4.4mm |
厚み | 最大0.5mm |
使用温度範囲 | -40℃~125℃ |
25℃抵抗値(許容差) | 10kΩ±0.5% |
B定数(25/50℃) | 3380k±0.3% |
B定数(25/85℃) | 3395k±0.3% |
熱時定数(t) | 0.5秒 |
熱放散定数(δ) | 1.5mW/℃ |
RoHS | 適応 |
以上
<本件に関するお問い合わせ>
コーポレートコミュニケーション部 広報室:03-5252-5206