森の守り人

森林には、木材生産のほかにも二酸化炭素の吸収を始めとする地球環境の保全や、生物多様性の保全、土砂災害防止、水源かん養などの多面的機能があります。そうした多面的機能を発揮するには、森の状態を調べ、適切に管理しなければなりません。
このコーナーでは、豊かな森を次世代に残すために、わたしたちが日頃、どのような取り組みを行っているかをご紹介します。

2017年7月

地域の皆さまに愛される社有林を目指して

柔らかな日差しが差し込む林内(手稲山林) 柔らかな日差しが差し込む林内(手稲山林)

三菱マテリアルの森では、生物多様性の保全とともに、森林の多面的機能を高めながら木材生産やCO2吸収の促進を目的として「資源林」の整備を進める一方、都市近郊に位置する社有林については、地域の皆さまなどに豊かな自然環境をより身近に楽しんでいただける「環境林」と位置付け、その一部を開放しています。

札幌市手稲区に所在する手稲山林は、札幌市内中心部からの交通アクセスが良好な場所にありながら、豊かな森林に囲まれた素晴らしい環境にあることから、札幌市に対して札幌市市民の森、自然歩道、青少年キャンプ場などの用途で一部を提供したり、地元NPO団体「手稲さと川探検隊」が主催する環境教育、地元小学校のスキー学習の場、大学等研究機関の研究フィールドなどとして広く開放しています。
環境林における私たちの大事な務めは、地域の皆さまにより有意義に社有林を活用していただけるよう、それぞれの用途に適した環境に維持することです。混み過ぎて日が射さず暗い林は間伐することで林内を明るくし、様々な動植物が棲みやすく、水源涵養機能等の多面的機能を高める森づくりに努めるのはもちろんのこと、林内で倒木の危険がある枯木等を見つけたときは速やかに除去し、林内の安全な場所に移しています。また、雪解けや雨の後に、自然歩道でぬかるみ等、歩き難い場所が生じた場合は、利用者が安心して歩けるようにするため、木材を敷き詰めるなどの路面整備も行っています。

社有林は、私たちの大事な財産であると同時に、その地域を形成する重要な環境要素の一つでもあります。私たちは、これからも適切な社有林運営とともに、地域の皆さまに愛される森林環境の整備に努めて行きたいと考えています。

自然歩道のぬかるみを整備する様子(手稲山林) 自然歩道のぬかるみを整備する様子(手稲山林)
市民の森で危険木等を処理する様子(手稲山林) 市民の森で危険木等を処理する様子(手稲山林)

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2017年4月

手稲さと川探検隊が冬の森遊びを満喫!

イタヤカエデの樹液採取を体験 イタヤカエデの樹液採取を体験

そり遊びを楽しむ子どもたち そり遊びを楽しむ子どもたち

2017年2月25日、三菱マテリアルの手稲山林(所在:北海道札幌市手稲区)の一部を開放し、「手稲さと川探検隊(代表:鈴木玲氏)」が自然体験活動を開催し、札幌市内の子どもと大人約30名、当社社有林管理の実務を担う三菱マテリアル不動産㈱から2名が参加しました。

「手稲さと川探検隊」は、主に札幌市手稲区内を活動場所とする市民団体です。2004年7月の設立以降、子どもと大人が身近な自然を体験し、自然との付き合い方や自然を守り育てる感性を学ぶことで、地域の自然環境の保全のための生物調査を継続的に行うことを目的に活動されており、今回は「冬の森遊び」をテーマとして午前の部でイタヤカエデの樹液採取、午後の部でそり遊びが行われました。

メープルシロップの原料となる樹液が採れる木としては、カナダの「サトウカエデ」が有名ですが、北海道に生育するカエデの仲間「イタヤカエデ」の樹液からも作ることができます。まず、森の中に入り準備体操した後、スノーシューを履いてお目当てのイタヤカエデをみんなで探しました。北海道の2月はまだとても寒く、手稲山林内のイタヤカエデは他の落葉広葉樹と同様に、葉を付けずに雪の中で春の訪れをじっと待っていますが、幹の中では地面から吸い上げた水分が早くも流れはじめています。幹の表面から1cm程の深さで穴を開けると、透明な樹液がしみ出すので、ペットボトル容器を設置して樹液を採取します。樹液をじっくり煮詰めるとメープルシロップが完成しますが、採れたばかりの樹液だけでも「なんだかちょっと甘い!」と子どもたちは目を丸くし、回収した樹液を集めて作るメープルシロップの完成が待ち遠しそうでした。

森の中でお弁当を食べた後は、近くの沢でそり遊びを楽しみました。はじめは地面がでこぼこしていて上手く滑ることができませんでしたが、何度も滑るうちに雪がなじみ、立派な自然のコースができあがりました。  子どもたちは"滑ってはスタート地点に戻る"を何度も繰り返し、大はしゃぎでした。

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2017年4月

日常のモニタリング活動について

フクジュソウ フクジュソウ

三菱マテリアルの社有林では、四季折々の森の移ろいを観察したり、森林の健康状態に異常がないかを確認したりと、日常的にモニタリング活動を行っています。

雪解けの季節である春は、林内の動植物の動きが特に活発になります。陽当たりの良い斜面からはフキノトウが真っ先に顔を出し、沢にはミズバショウが咲き、フクジュソウ(北海道レッドデータブックで絶滅危急種に指定)などの希少な植物を見ることもできます。また、春は鳥たちにとって繁殖期でもあり、林内にはさまざまな鳥類が訪れます。目視で鳥の種類を判断することはとても難しく、鳴き声を手掛かりに確認できる限りの生息状況を記録していますが、絶滅のおそれのある鳥を確認した場合には、繁殖期が終わるまでは極力巣に近づかないようにするなど、種の保存に努めています。

動植物の観察とともに、樹木の成長を見守ることも重要です。樹木が枯れたり腐ったりする原因となる有害な病害虫が発生していないか、大規模な風倒被害(強風により木が倒れてしまうこと)が発生していないかなどを定期的に確認し、適切な対応を行うことで、被害の拡大を未然に防いでいます。

私たちは今後も地道なモニタリング活動を通じて、社有林における生物多様性を保全しながら、適切な森林管理を行ってまいります。

フキノトウ
フキノトウ

ミズバショウ
ミズバショウ

オオルリ
オオルリ

風倒木処理 風倒木処理

モニタリング報告書 モニタリング報告書

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2017年1月

冬は主伐しゅばつ

三菱マテリアルの社有林では、一年で最も寒さの厳しい冬に「主伐しゅばつ」を行います。

主伐とは、森林が持つ多様な公益的機能のうち、木材としての利用に向け、十分に成長した樹木を伐採し、農作物と同じように収穫することを意味しています。
冬には葉が落ちて樹木の成長が止まり、地面から水分を吸い上げる量が減るため、樹木内部の含水率が低くなり、くるいや割れが少ない良質な木材を生産することができます。また、地面が凍結により固まるため、作業車両が林内を走行しやすいことも冬に主伐を行うメリットの一つです。

主伐の実施においては、特に生態系への影響を配慮し、限られた小さな範囲で行います。
特に、尾根林おねりん(山の尾根に成立している林のこと)や河畔林かはんりん(川の両岸に成立している林のこと)は生物の移動経路や生活空間として重要であると同時に、防風、河川への土砂流入防止、河川水温の安定といった多面的な効果もあるため、敢えて伐採せずに保全区域として残すことで、生物多様性の保全に配慮しています。

ところで、樹木が二酸化炭素(CO2)を吸収する能力は若齢~中齢期がピークで、中齢期を過ぎると徐々に落ちていきます。そこで、一定のタイミングで収穫し、新たな植栽により一から森林を育てることは、森林のCO2吸収能力を長期的に維持する上で重要であると言えます。また、樹木が吸収したCO2は炭素化合物として樹木内部に留まるため、従来同様に「家」や「紙」など様々な用途に木材を利用することで、大気中のCO2の削減に貢献することにも繋がります。

このように、尾根林、河畔林を残すなど極力人の手を加えないことが森林価値の向上に繋がる一方で、植え、育て、伐るなどの積極的な人の関与が森林価値を高めることもあるのです。

私たちは、今後も森林全体の公益的機能をより効果的に発揮させることを意識し、森林の特徴を見極め、保全及び木材生産を計画的に進めてまいります。

冬の伐採作業
冬の伐採作業

主伐において敢えて残した保全区域(尾根林)
主伐において敢えて残した保全区域(尾根林)

主伐により伐採した木材の積み上げ作業
主伐により伐採した木材の積み上げ作業

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2016年10月

秋は間伐かんばつ

夏が終わり、秋の足音が聞こえてくる頃、三菱マテリアルの社有林ではカラマツをはじめとする植栽木を対象に間伐かんばつを行います。

間伐とは、成長にともなって混みすぎた林の木を一部抜き伐ることです。最初は小さな苗木ですが、植えてから15年もすれば大きく成長し、隣り合う木と木の枝や葉が重なりやすくなります。そのまま放置すれば太陽の光が十分に届かず、幹の細い弱い木になってしまいますが、間伐を行うことで林の中に差し込む太陽の光を増やし、再び活発な光合成を促すことで、立派な太い木を育てることができます。
また、林の中が明るければ、木の周りにさまざまな植物が集まって力強く根を張り、地下水を適度に溜めてくれる機能もあることから、豪雨等の災害時に土砂の流出を防ぐことにも繋がります。

一口に間伐と言っても、木々の混み具合は場所ごとに異なるため、方法は必ずしも同じではありません。そこで重要な作業が選木せんぼくです。
木の形状、幹の太さ、樹高じゅこう(木の高さ)、樹冠じゅかん長率ちょうりつ(木の高さに対し、葉のついた枝がある部分の割合)、隣の木とのバランスなど、さまざまな視点から判断することで、実際の森林の状況に応じて木を伐る量、木の残し方などを変えています。選木によって将来の森林の姿が決まるとも言えますので、三菱マテリアルの社有林を管理する三菱マテリアル不動産㈱森林事業部では、定期的な勉強会の開催や作業現場から提案を受けた改善案の振り返りなどを通じて、選木の技術を高める取り組みを進めています。

私たちは適切な間伐によるたくましい森林づくりを目指しており、間伐により伐り出した木材についてもできる限り再生可能な資源として世の中に送り出すことで、人と社会と地球のために貢献してまいります。

間伐作業の様子
間伐作業の様子

間伐により明るくなった林内
間伐により明るくなった林内

選木に関する勉強会の様子
選木に関する勉強会の様子

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2016年7月

JICA研修生がやってきた! ~生物多様性保全の取り組み~

JICA研修生と一緒に JICA研修生と一緒に

当社社有林管理の実務を担う三菱マテリアル不動産㈱では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が進める2016年度課題別研修「生物多様性保全のためのGIS・リモートセンシングを利用した情報システム及び住民参加型保全」の一環として、2016年7月21日、北海道札幌市の同社森林事業部事務所において、エクアドル、カンボジア、ミャンマー、ラオス及びボツワナからの海外研修生7名を受け入れ、実務に即した研修を実施しました。

JICAでは、途上国において、生物多様性に関する情報をより高度な手法で管理するための支援策として、林業・森林管理に携わる海外の研修生に日本の先進的な取り組みを紹介しています。そこで、今回、三菱マテリアルの社有林における全地球測位システム(GPS)、地理情報システム(GIS)などの技術を用いた生物多様性保全の取り組みに注目いただき、本研修が実現しました。

「GPS」とは、カーナビゲーションやスマートフォンなどでも身近な、地球上の位置の把握や記録が可能なシステムのことです。また、「GIS」とは、GPSで取得した位置情報や地形図などを、一つの図面上に重ね合わせて表示できるシステムのことです。
当日は、希少種であるオオタカやクマゲラの巣の位置をGPSで記録し、GIS上で地図として広く周知することで、彼らの繁殖時期に悪影響を与えないようにしていることや、尾根や沢など動植物の生息環境として重要な場所をGIS上の図で色分けして管理し、極力手を加えないことで生物多様性の保全に役立てていることなどを説明しました。

研修生からは「民間組織の取り組みが成功していることに驚いた」、「生物多様性の保全を森林管理に取り入れる良いアイデアが得られた」など、母国においても実践可能な取り組み事例として、高い評価をいただくことができました。

私たちは今後も社有林に生息する生物の多様性を尊重し、保全する取り組みを続けることにより、さまざまな環境問題の解決に貢献したいと考えております。

社有林の概要説明の様子 社有林の概要説明の様子
GPS・GIS活用事例の説明の様子 GPS・GIS活用事例の説明の様子

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2016年7月

夏は下刈したがり

下刈の様子① 下刈の様子①

下刈の様子② 下刈の様子②

毎年夏は、三菱マテリアルの社有林においても植物が最も盛んに成長する季節です。カラマツをはじめとする小さな苗木なえぎは、太陽の光をたくさん浴びて「我先に」と空に向かって背を伸ばし、数十年後には20mを超えるほどに成長します。しかし、植栽しょくさい(苗木を植えること)後3年〜5年の間は、苗木の成長が雑草に比べて遅いため、周りを雑草に囲われてしまい、太陽光を十分に得られずに枯れることがあります。 そこで、周辺の雑草を刈り払う「下刈したがり」を行うことで、苗木の成長を守っています。

下刈は、まず作業前に苗木の樹高じゅこう(地面から木の頂点までの高さ)を測定し、周囲の雑草の生え具合を確認します。その上で、刈払機かりはらいきを使って苗木を傷つけないよう丁寧に雑草だけを刈り取ります。

三菱マテリアルの社有林では、毎年数百haもの面積(平成27年度は約200ha、東京ドーム約42個分)で下刈を行っていますが、人の手による作業のため、多大な時間と労力を要します。また、炎天下での作業のため、熱中症やスズメバチ等の危険生物に注意する必要があります。さらに、刃物を扱うため、作業を行う人同士が十分に距離をあけ、傾斜地では上下方向に並ばない等、安全に対する配慮も必要です。

このように、下刈は手間のかかる作業ではありますが、今は小さな苗木であっても一本一本が立派に成長し、数十年後には素晴らしい森に変化してくれることを期待しながら、私たちは社有林を大切に育てています。

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2016年4月

雪解けは植栽の季節

植栽(しょくさい)の様子 植栽(しょくさい)の様子

カラマツの仮植(かしょく) カラマツの仮植(かしょく)

雪が解け、草木が目覚める春は、一年の中で苗木を植えるには最も適した季節であり、三菱マテリアルの社有林では毎年大忙しになります。特に、北海道にある社有林では、成長が早く強度も十分なカラマツや、北海道固有の樹種であるトドマツなどを1ヘクタール当たり約2000本と、非常にたくさん植えています。

まず植えようとする土地に適した苗木選びにはじまり、苗木が成長しやすい環境を作るための()(ごしら)え(ササなどを刈り払い、取り除くこと)、運搬した苗木が乾燥しないように仮植(かしょく)(植える直前まで土をかけておくこと)を行ってから、(くわ)などの器具を使って一本一本を丁寧に植えていきます。こうした作業は機械ではなく人の手で行うため、とても大変ではありますが、植えた木々が成長した姿を想像すると期待が広がり、いつの間にか苦労を忘れてしまいます。

もちろん、一度植えてしまえばそれで終わりというわけではありません。木が成長しやすいように下刈(したがり)(苗木周辺の雑草を刈ること)や間伐(かんばつ)(木の間隔を保つために適度に伐採すること)などを適切に行い、何十年もの長い年月で木を育てていきます。こうした中で、CO2吸収や水土保全などの機能であったり、その成長段階に応じて多様な生物の生活の場になったりと、木は様々な価値を発揮しています。最終的には、木材資源として有効活用するために収穫することになりますが、また苗木の植栽を繰り返すことで、木はその価値を保ち続けています。

私たちは、このように「伐る ⇒ 植える ⇒ 育てる」という森林のサイクルを確実に行って森の持つ多様な価値を向上させ、未来に繋ぐことで、人と社会と地球のために貢献していきたいと考えております。

トドマツの苗木 トドマツの苗木

カラマツ(植栽後6年目) カラマツ(植栽後6年目)

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2015年9月

社有林経営と生物との関わりあい

三菱マテリアルの社有林では、製品として木材を伐採し出荷していますが、同時に、そこにはキタキツネ、エゾモモンガなどの哺乳類、オオタカやクマゲラなどの鳥類など、とても多くの生物が生息しています。そのため私たちは、日々のモニタリング活動などを通じて、彼らの貴重な生活の場を奪うことのないよう常に気を配っています。

ところで、「木を伐るという行為自体が、生物にとって悪影響を及ぼすのではないか?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。たしかに、東南アジアなどで見られるような、無計画に森林を一気に伐採する方法は、生物への悪影響が大きいと思われます。しかし、たとえば過去に人の手によって植えられた樹木は、何も手を入れずに放っておくと、木と木の間隔が狭くなり、地面に十分な光が届かなくなってしまいます。そこで、適度に伐採してある程度光の入る空間をつくり、地面を明るく保ってあげると、そこに集まる生物が増え、生命を育む環境が生まれます。

それでは、育てた木をすべて伐採することは、自然破壊になるのでしょうか。実はこれも、必ずしも生物にとってマイナスの影響ばかりであるとは言えないのです。たしかに、森林がなくなれば、そこに暮らしてきた生物の数が一時的に減少するかもしれません。しかし、それまで変化のない森林であった中に、新しい空間が生まれることは、生物にとって新たなチャンスにもつながります。たとえば、森林の中に草原が生まれれば、バッタなど昆虫にとって生活範囲が広がり、生息数も増えます。また、オオタカやノスリなどの猛禽類にとっても地上が見渡しやすくなり、野ネズミなどの獲物を捕まえやすくなります。

自然界においては、台風や山火事、その他のさまざまな自然現象によって、森林が草原に変わり、長い年月を経て再び森林に変わる、というように、森は絶えず変化を繰り返しています。そしてそこに生きる生物も、彼らにとってふさわしい環境を見つけ出しながら日々暮らしています。木の伐採は、一見すると生物にとって悪影響を与えるように思われがちですが、こうした自然界の環境変化に近い形で、一定の気配りのもとで行うのであれば、生物の暮らしを守ることができるのです。

私たちは、今後も社有林を経営していく中で、そうした自然界の仕組みを十分に理解しながら、生物の多様性に配慮した社有林づくりを心がけていきたいと思います。

早来(はやきた)山林の林道を行列して歩くシカ 早来はやきた山林の林道を行列して歩くシカ

早来山林の定点カメラに写ったキタキツネ 早来山林の定点カメラに写ったキタキツネ

早来山林を上空から撮影 早来山林を上空から撮影。
伐採により生まれた草原と、その周りに残した天然生林てんねんせいりん(自然に発芽した樹木でできた林)、カラマツの造林地ぞうりんち(人の手で植えられた苗木でできた林)がモザイク状にバランスよく配置されている。

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2015年4月

早春の作業は「山火事予防」と「クマ対策」から

早春の早来社有林 早春の早来社有林

本州では日々新緑が眩しくなる季節、北海道にもようやく春が訪れ、雪の下からふきのとうや福寿草が顔を出してきます。この時期は空気も乾燥し、一年で最も林野火災の多い時期です。 そのため北海道では、4月~5月にかけて火災予防強調期間を設定し、防火に努めています。

「マテリアルの森」を管理する三菱マテリアル不動産㈱森林事業部でも例年、この時期に「山火事予消防訓練」を実施しています。
社有林内で火を使う作業時の延焼防止機材として“ジェットシューター(背負い式消火水のう)”を準備しており、イザという時に全員が使えるよう定期的に訓練しています。背中に18㎏の水を背負い手動式ポンプで放水するのは重労働ではありますが、延焼を防ぐためには必須の訓練ですので、毎回、気を引き締めて実施しています。

また、この時期はヒグマが冬眠から目覚め、空腹のため凶暴化する季節でもあるため、「春のヒグマ注意特別期間」にも指定されています。遭遇時の撃退手段である“クマ除けスプレー”は、個人一人一本の必須携行品としていますが、突然、クマに遭遇しても慌てることのないように、この時期に併せて訓練しています。ときおり噴射訓練中に、急に風向きが変わり、訓練者自身がその威力を体感するハプニングもありますが、日々“守り人”としての備えを固めながら、万が一に備えています。

山火事予防訓練開始! 山火事予防訓練開始!

ジェットシューターを使った消火訓練 ジェットシューターを使った消火訓練

クマ除けスプレーは必須アイテム クマ除けスプレーは必須アイテム

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