INTERVIEW 23

情報システム

プログラミング未経験からスタート。
蓄積データを可視化し、
全社の安全向上に寄与する。

T.R
高機能製品カンパニー
三田工場 事務部 情報システムグループ
2021年入社

(所属部署・役職、インタビュー内容は当時のものです)

EPISODE 01 燃料電池の研究から
情報システムの
世界へ。
事業全体に関われる
ポジションを選択。

就職に際しては業界を特定せず、さまざまなイベントに参加しました。大学院でバイオ燃料電池の研究に従事していたことから、最初は開発系の職種を意識していましたが、各社のインターンシップ参加をきっかけに情報システム系の魅力に気づきました。システムを通じてものづくりのサポートができるのはもちろん、事業全体を俯瞰した立場から各プロジェクトに携われるところに魅力を感じたことから、その後はメーカーのSE職を軸に活動しました。
三菱マテリアルに注目したのは、素材メーカーの中でも事業領域が幅広く、数多くの製品づくりで必要とされる汎用性の高さと国内外に市場を持つ経営基盤の安定性。また、インターンシップで、プログラミング未経験でも情報システム職として採用してもらえるか尋ねたところ、「研修制度を整備しているので大丈夫。さまざまなバックグラウンドを持つ人が活躍しています」と応じてくれたことも、入社を検討する上での安心材料になりました。さらに、女性の先輩社員たちから「出産・育児を経験しながら仕事を通して自己実現でき、管理職も目指せるよ」と教えてもらったことや、長く働き続けられる制度が充実していることなどにも魅力を感じて入社を決めました。

EPISODE 02 蓄積したデータを
活用して開発した
安全可視化
システムに全社が
注目。

入社以来、三田工場の情報システムグループに所属。情報システム職として、半導体関連製品の製造工程管理システムをより使いやすくするための改修と新規開発を担当しています。製品の製造から出荷までトータルに関わっていることから、担当業務が工場に与える影響は大きく、任される責任と手ごたえを感じながら毎日の業務に取り組んでいます。一段階成長できたと感じたのは、入社3年目に携わった、ある製造システムのリプレイスの時です。製造効率を高めるために、現場担当者のヒアリングから設計、実装、テスト、本番リリースまで担当し、スケジュール通りに開発を終えることができました。ところが、リリース直後から想定外のエラーが発生、慌てて全員でエラーを特定する作業を進め、緊急処置で何とか修正することができました。あと少し遅れていたら納期の遅延に繋がる重大な事態でした。この経験を通じてわかったのは、自分の製造に関する知識不足です。製造現場では、言葉にしなくても共有されている暗黙の知識があるものの、その存在すら知らない状態でシステムをつくり込んでしまったため、エラーに繋がったのです。
この経験から、システム開発時は常にユーザーとの連携を意識し、言葉の裏側に隠れているユーザー部門の常識まで確実に聞き出して本質を理解するヒアリングを心掛けるようになりました。
そして入社4年目、この経験を開発にうまく反映できたのが、安全データ可視化システムです。情報産業界では長年にわたり、蓄積データの有効活用がテーマになっています。そこで私は、「SCQDE」という、当社にて業務遂行における判断の優先順位を示した指標(※)の先頭に掲げられている「S:安全」に着目。三田工場で蓄積されたデータの中から情報を抽出・分析・可視化して安全に寄与したいと上司に提案し、開発にチャレンジしました。
この開発で最も力を注いだのが、安全の本質を理解することです。データの活用技術は習得しているものの、安全に関してどのデータにアピール力があり、対策に有効なのか、判断できる知識が私にはありませんでした。そこで、日頃から現場の安全対策に取り組む方々と協力して開発に着手。現場で注目されている経験年数別のトラブル発生率をグラフ化したり、トラブルが頻発している場所を地図表示したりするシステムを開発し、管理者がパソコンで確認できるようにしました。安全環境の向上は全社で重視していることから注目され、この取り組み内容を社内カンファレンスで紹介することになりました。その後、さまざまな拠点から「同じシステムを導入したいので開発方法を教えてほしい」などの連絡をもらい、取り組んだ意義を実感できました。三田工場ではその後、このシステムを活用して可視化した安全関連情報を工場の入り口に設置した大型モニターに表示し、作業者がひと目で内容を理解して注意喚起する環境の創出に取り組んでいます。
(※)Safety & Health(安全・健康最優先)、Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Quality(『顧客』に提供する製品・サービス等の品質)、Delivery(納期厳守)、Earnings(適正利益)の頭文字を取り、業務遂行における判断の指針(優先順位)を表したもの。

EPISODE 03 三田工場の
スマート
ファクトリー化を
リードしたい。

製造業では、AIやロボットなどの技術を導入し、高度に自動化されたスマートファクトリー化が進んでいます。私は、三田工場のスマートファクトリー化実現に向けて、人間の作業負担を最小化しながら、より高品質な製品を低コストで大量生産できる体制を構築したいと考えています。
実現に向けての課題は、三田工場がお客様仕様に合わせた開発品やオーダーメイド品を数多く製造していることです。それは特徴でもあり強みでもありますが、依頼内容に応じて製造ラインを細かく、頻繁に変更する必要があることから、スマートファクトリーとの親和性は低く、対応が容易ではありません。
そこで注目しているのが、自動車業界です。自動車業界ではお客様のオーダーにカスタムメイドに対応しながら、スマートファクトリー化を実現した企業が多くあります。その仕組みを参考にすれば、三田工場もスマートファクトリー化が可能だと考えています。この発想で関連技術情報にアンテナを張り巡らせつつ、できるだけ早くスマートファクトリー化プロジェクトを提案し、取り組みをリードしたいと考えています。
そしてもう一つ、目指したいことがあります。将来的に、さらに当社で環境負荷低減に向けた次世代電池の量産化等に取り組むことになった際には、大学で習得した知識を活かし、必要となるであろう製造工程管理システムの開発を手掛けるのが私の密かな夢です。

MESSAGE

専攻や研究内容で業界・職種を絞る必要はないと思います。私も化学の専攻で、システムの勉強は全くしていませんでしたし、企業が興味を持っているのは、さまざまなバックグラウンドを持つ人材との出会いだと思うからです。また、SNS上で情報が錯綜し、会社説明会への参加回数やエントリー社数などが気になると思いますが、私はその数に価値を見出してはいませんでした。希望する企業へ入社するために必要なことは、胸を張って自分らしさがアピールできることです。そのために、目の前の学業や研究と真剣に向き合うことも、大切な就職活動だと思います。必ずしも成果が出ていなくても、取り組んだプロセスに価値があり、そこが評価されることを忘れないでください。

SCHEDULE

8:30 メールチェックから1日の業務を開始。本日のスケジュールも確認
9:00 本日予定している打ち合わせ用資料を作成
10:00 現場に足を運び、効率的に製造を進めるための改善点をヒアリング
11:00 ヒアリングの内容をもとにシステム設計書を作成
12:00 昼休憩。食堂で後輩と昼食。仕事中は集中力を使うので同僚との雑談はいい息抜き
13:00 プログラミングを依頼している関連会社のプログラマーとミーティング。現場の欲しい機能を確実に開発するため、設計書の内容を共有
14:00 先月依頼したシステムが設計書通りに開発されているか検証。プログラムの誤りが残らないよう入念にテスト
16:00 来週、会議で発表するデータ分析に関する資料の内容について幹部と打ち合わせ
17:00 明日、新しい製造システムをリリースするため、関係部署に事前の対応を連絡するなど、各種の準備を実施
17:30 業務終了