INTERVIEW 21

物流資材

ものづくりの上流から関わり、
利益創出に直接貢献できる購買業務。

S.M
加工事業カンパニー
筑波製作所 事務部 資材課
2019年入社

(所属部署・役職、インタビュー内容は当時のものです)

EPISODE 01仏像研究から
メーカーの
購買担当へ。
とことん
突き詰める姿勢が
今の仕事に
生きている。

大学では美学美術史学科を専攻。国宝の仏像付随の化仏を研究対象に選び、造立背景や当時の信仰・経典解釈に基づき、その由縁や時代的意義について考察しました。有形物の研究に取り組んだことから就職に当たっては、ものづくりへの想いが強く、さまざまな業界を代表するメーカーを中心に企業研究しました。三菱マテリアルに注目したポイントは、素材メーカーとして川上から川下まで幅広く事業を展開していること。社員懇談会では「関わる業界が多く、常に新しい知識を吸収できるのが楽しい」と、魅力を語る社員の姿が印象に残りました。文系出身者の仕事として紹介された中で、魅力を感じたのが「購買」です。購買は製造・開発部門と密接に関わり、生産に必要なより良いものを、より低コストで安定調達することによって操業を支える「ものづくりの最上流」に位置する仕事です。コストダウンで会社の利益に直接貢献することにも、やりがいを感じました。もう一つ決め手となったのが、業務内容との相性です。私は大学での研究を通じて多くの資料を徹底的に分析し、考察する姿勢が身に付いていました。この経験が、安定調達やコストダウンの実現に向けて取り組む分析業務に活かせると思ったのです。一方、研究は基本一人で行っていたため、集団を率いる能力に弱点を感じていました。この点を面接で話すと、「仕事を通じて一緒に伸ばしていきましょう」と言われ、この言葉が背中を押してくれました。
配属された筑波製作所では、希望通り購買部門に所属。生産する切削工具の原料から機械設備、手袋・マスクまで、筑波製作所のものづくりに必要なあらゆる物品の発注と在庫管理、更に安定調達とコストダウンに向けた新規サプライヤーの開拓に取り組んでいます。

EPISODE 02想定外の事態に対応
リスクを回避し
数百万円単位の
コストダウンを
実現。

新規サプライヤーの開拓に初めて取り組んだのは、入社した年の下期でした。筑波製作所の購買では当時、複数種ある切削工具のコーティング材料を対象に、調達リスク回避とコストダウンのため、調達先の開拓を進めており、そのプロジェクトに仲間入りしました。まずは、新たな調達先候補に対して、当社向け材料の開発を依頼。試作品が出来上がると、実際の製造設備を使用して評価を行いますが、製造現場では日々生産や新製品の試作を行っており、通常業務の合間を縫って評価する時間を創出する必要があります。そのため、製造・開発部門と綿密に打ち合わせ、作業工程を最適化し、スケジュール管理を徹底しました。当初、評価から正規導入の決定までは約1年を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症のまん延により、製造現場は稼働を抑制。状況が改善に向かってからも生産量の回復が最優先のため、評価時間の確保は難しい状況が続きました。こうした中、製造・開発部門でも新規サプライヤー開拓の重要性を理解してくれていたことから時間のやり繰りに協力してもらうことができ、評価を完了しました。評価基準を全てクリアしていることが確認でき、ついに新規採用が決定したのです。これにより、複数サプライヤーからの購買体制で安定操業に向けた環境が整備でき、サプライヤー各社の価格を反映した最適な調達量を割り出すことで、数百万円単位のコストダウンが実現。この時は、製造・開発部門への感謝とともに、ものづくりに貢献できたやりがいを実感することができました。
これ以降も、多くの新規サプライヤー開拓に取り組んでいます。中には結果が芳しくなかった場合もありますが、その時も経緯を記録に残すようにしています。これは後輩たちが今後、同様のトライアルをする際、同じ失敗を避けて効率良く進める手助けになればという願いから行っていることです。
また、コーティング材料の新たな調達先を確保する取り組みを進めている時、実際に調達リスクと直面することを経験しました。地震によって、出荷する製品パッケージの原材料を納入するサプライヤーの生産設備にトラブルが発生し、供給が止まってしまったのです。パッケージの素材は急に変更できないため、そのままでは製品出荷が滞り、大損害になりかねません。そこで連日サプライヤーと連絡を取り、生産の復旧状況や原材料の在庫量などを共有。並行して同じサプライヤーの原材料を使用する岐阜製作所・明石製作所とも連携し、以後数ヵ月の使用予測を取りまとめました。最低限の供給量確保に向けてサプライヤーと協議を重ねた結果、出荷停止という事態を無事回避することができました。この経験から安定的な調達と調達リスク回避の重要性を痛感し、製品パッケージの原材料についても、直後から代替材採用の取り組みを開始しました。

EPISODE 03購買部門の
スペシャリスト
として
カンパニーの利益に
直接貢献したい。

直近の新たな業務として、製造工程で使用する素原料粉末の発注・在庫管理を担当しています。具体的には、毎月見直される生産計画と今後の動向を踏まえて製造現場・生産管理・本社・サプライヤーとの調整を進め、発注計画を策定することです。この業務を通じて、コストメリットが最大となる使用比率の提案を行うとともに、安定的な調達に向けて、新規サプライヤーの開拓や代替品の採用にも踏み込んでいきたいと考えています。
この業務の前任者は、私が入社した時にトレーナーだった先輩です。何も知らなかった私が社内ルールや業務の進め方などを学び、仕事上の不安や悩みを解消して成長へ導いていただいた人で、今でも良きアドバイザーです。そんな先輩が磨き上げてきた業務だけに、今はそれを踏襲することで精一杯ですが、どこかで私のオリジナリティを発揮したいと考えています。今後更に経験を積み、購買のスペシャリストとして加工事業カンパニー全体の利益創出に直接貢献していきたいと考えています。

MESSAGE

専攻や興味の有無にとらわれず、幅広い業界・職種を検討してみてください。私が特に薦めるのは、社員の生の声が直に聞ける座談会への参加です。社員の話から、「思っていた仕事内容と違った」ということもあれば、「案外面白そう!」という発見に出会えることも。私自身、当社で開催された管理職種の座談会に出席したことで「購買」という業務を初めて知り、ものづくりを支える魅力的な仕事だと知り、当社への入社を決意しました。座談会では、ホームページや企業説明会だけでは伝わりきらない社員の人柄や、仕事に対する熱意を肌で感じることができます。具体的なエピソードや実情も気兼ねなく質問できると思いますので、この貴重な機会をぜひ活用してください。

SCHEDULE

8:00 出社してメールをチェック。サプライヤー各社にメールで見積りを依頼
9:00 原料の受け入れに立ち会い
10:00 製造部の要求と在庫予測を踏まえて発注計画を策定し、内容を製造部と協議
11:30 昼休憩。食堂で同僚と昼食
12:30 午前中に製造部とすり合わせた計画をもとに、サプライヤーへの説明資料を作成
15:00 月例のテレビ会議に参加。参加者は私のほか、本社、岐阜製作所、筑波製作所の資材関係者とサプライヤー。当社の発注計画とサプライヤーの供給能力に関するすり合わせをはじめ、業界動向などについて情報を交換
16:00 社内システムを利用して発注書を送付
17:00 終業