加工事業カンパニー
「自分が設計した」
と胸を張って言える。
設計者の夢をカタチに。
- O.T
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加工事業カンパニー 筑波製作所
インサート工具開発部 工具開発課2016年入社
※所属部署・役職、インタビュー内容は当時のものです
多種多様なインサートをはじめ
製品の全設計を任される喜び。
父が設計技術者だったこともあり、幼い頃から自然とものづくりに興味を持ち、プラモデルをつくったり、頭の中に浮かんだイメージを段ボールで形にしたりしていました。大学も父と同じ機械工学科へ進学し、研究室ではインサートと呼ばれる切削工具の刃先を、薄膜でコーティングする研究に取り組みました。そこで偶然、手にしたのが三菱マテリアルの切削工具カタログです。私が見てきたインサートは、材料にはさまざまな種類があったものの、形状はISO規格の1種類のみでした。ところが、三菱マテリアルのカタログで紹介されていたインサートはそれとは全く異なる斬新な形状のものも多く、世の中には各社が独自設計したユニークなインサートがあることを、この時に初めて知りました。
その印象が大きかったことから、就職活動では真っ先に三菱マテリアルの会社説明会に参加しました。そこで、「材料とともに形状がインサートの性能を決める重要な要素で、斬新さにも意味がある」という話を聞き、そのことと幼い頃からのものづくりへの想いが共鳴したのです。さらに、任される設計の仕事は工具の一部ではなく、インサートを含む工具全体とのこと。設計した通りに製品化された工具がそのままお客様に提供されることから、「その工具を担当したのは私です!」と胸を張って言えることにも大きな魅力を感じました。
配属先に決まったのは、希望したインサートの開発に携われる筑波製作所です。会社の男子寮に入り、社会人としての歩みをスタートさせました。初めての寮生活でしたが、部屋は個室でゆったりでき、朝夕の食事は食堂で取れたので、とても快適でした。また、同期の男性社員は全員が入寮していたので、時間があると仕事やプライベートの話で盛り上がり、休日は筑波の観光地を巡ったほか、ゴルフやドライブを楽しんだり、電車で都心へ遊びに行くなど、とても充実していました。
最初に任された業務は、研修を兼ねて、近い将来に商品化される新製品の改善設計でした。先輩や上司の指導を仰ぎながら、3次元CADで設計に着手。今思うと、とてもシンプルな形状でしたが、画面上に存在していたものが試作品となり、最終的に製品化されて現物を手にした時の感触は今でも忘れられません。以来、設計者としてのワクワク感は消えることなく自分の中に息づいています。
新技術を確立し
まだ世の中にない新型工具を世界へ。
2年目以降はラインナップ拡充に向けた製品展開に携わり、航空宇宙部品の加工に特化した新工具の開発にも取り組みました。4年目からは、新たな製造技術を活用した新型工具の設計開発を担当しています。世の中で新たに確立された製造技術を導入することで、従来は実現が難しかった形状のインサートを開発し、これまでにない性能を発揮するインサート工具を世に送り出すことが、現在の私のミッションです。
新技術を応用するため、私の取り組みは、全て三菱マテリアル初の試みとなります。前例がないため、関連する情報はゼロから収集し、製品設計や製造に利用できそうな技術や内容を洗い出します。さらに、開発部門でありながら製品化までが担当領域であることから、用いる製造機器や使用条件も自ら選定し、試験・評価・考察を進めます。製造工程での作業では自らの経験不足を痛感しましたが、大学で取り組んだ実験計画の立案から製品化までのプロセスで学んだ考え方を応用することで、前に進むことができました。
開発視点での全体設計が終わると、いよいよ製造関連部署との連携作業に移行します。綿密にコミュニケーションを取りながら、量産化に取り組んでいきます。この段階で、開発工程で直面しなかった課題に出くわすこともあります。壁にぶつかった時、私は「新たな課題解決に取り組める楽しさに出会えた」とポジティブに捉えるようにしています。こうすることで、心理的なプレッシャーが抑えられ、視野が広がって解決策を導きやすくなります。
一連の取り組みを通じて、新たな技術が社内でも注目されるようになりました。「うちでも試してみしたい」という問い合わせや相談へ応対した際、「ありがとう。君に聞いて良かったよ」と言われると、新技術を確立できた誇りを感じます。
新任係長として全メンバーが
自由闊達に議論できる組織に。
7年目になり、係長に任命され、若手メンバーをまとめて自分の組織を運営していくことになりました。これまでの業績が評価されたことに喜びを感じる一方、私のマネジメントがメンバーの働くモチベーションに影響を与え、職場の雰囲気が左右されることに大きなプレッシャーを感じることもあります。そこで目標に掲げたのが、「風通しのいいチームにすること」です。心掛けたのは、係のメンバー同士がいつでも自由闊達に会話できる場をつくること。困ったり、悩んだりした時、気兼ねなく相談できるよう、会話する機会を意図的に増やしています。
その試みの1つが毎日の朝会でのフリートーキングです。最近観た映画や楽しみにしている旅行の計画など、メンバーの1人が話題を提供し、そのテーマについて全員で語り合います。業務内容についても曜日ごとに担当者を決めて、業務の成果と課題を全メンバーの前で発表し、同じように全員で気兼ねなく話し、アドバイスし合う時間を共有しています。課題に直面したメンバーに私がよく話すのは、「課題に出会えて良かったじゃないか」ということです。前述の私のスタンスを伝えることで、課題解決にプラス思考で取り組み、いち早く解決策を導き出せる組織を目指しています。
係長としては組織をマネジメントして、働きやすく、メンバー全員が能力を存分に発揮できる係をつくり上げること。技術者としては、現在取り組んでいる新技術に基づく新製品の商品化を実現すること。この二つを目標に私自身も課題をクリアしていく喜びを追求していきます。
ある一日のスケジュール
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- 8:00
- ラジオ体操で身体の調子を整えたあと、部署内朝会に参加
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- 8:10
- 係内朝会でメンバー全員の業務状況を把握。その後、雑談タイムで係内のコミュニケーションを深める
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- 8:30
- メールチェック。時々アメリカに駐在している同期とWebミーティングを行い、技術や製品に対する問い合わせに対応
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- 9:00
- 新製品の開発業務。納得がいくまで試験・検証を繰り返す
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- 12:00
- 同期とランチ&雑談
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- 13:00
- 前日に作成した会議用資料の内容を再度チェック
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- 14:00
- 社内会議に参加。量産化に向けて上司や関係部署と細部の調整を実施
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- 15:00
- 会議の内容に基づいて今後の対応を各部署に依頼
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- 16:00
- 係メンバーの業務進捗を確認。成果と困り事を係内で共有し、アドバイス
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- 18:30
- 終業。所内のトレーニングジムで汗を流して帰宅。次の休日に計画しているつくば観光の行程を妻と相談