超硬工具製品におけるリサイクル原料使用比率80%を超える、さらなる高みを目指す誠実さと信頼をビジネスにつなげる「顔の見える関係」を築きスクラップディーラーからタングステンスクラップを買い付け、それを提携先のタングステンせること。それが当社グループの資源循環システムにおけるMMUSの役割です。を担当しています。スクラップの価格は日々変ら毎月市況をヒアリングし、品質やシェア割り、します。その際、私は契約に至らなかった場す。そうすることで各スクラップディーラーがしたコミュニケーションを通じて、スクラップディーラーとの間に信頼関係を築く狙いもあります。ンスクラップを適正な価格で、安定的に調達すること」です。リカにも三菱マテリアルグループのようにグローバルでタングステンリサイクルに取り組む企ップを選別、分析、品質管理できるスクラップディーラーは限られています。その中で当社が別するのは、スクラップディーラーの役割です。粉末メーカーに納入し、タングステン粉末の原料である酸化タングステンに生まれ変わら その中で、私は主にスクラップの買い付け動しているため、適正価格を判断するために定常的に取引のあるスクラップディーラーか今後の需要動向なども踏まえて取引先を選定合にも必ず、その理由を伝えるようにしていま価格の見直しや、スクラップの品質の向上に努めるようになり、市場に健全な競争環境が構築されると考えているからです。また、そう スクラップディーラーとの交渉を担当する私のミッションは「より品質の高いタングステ そこで私は、スクラップディーラーとの「顔の見える関係」の構築に挑戦しています。アメ業が存在しますが、ある程度の規模のスクラ選ばれるには、同業他社よりも強固な信頼関係をスクラップディーラーと築く必要があるのです。アメリカでも人間関係や誠実さがビジネスを左右することがあるため、私はスクラップディーラーのもとに定期的に訪問し、対面のコミュニケーションを大切にしています。また、当社と取引のあるスクラップディーラーはここ数年内に取引を開始したディーラーから、10年以上の付き合いがあるディーラーまで幅広く存在しています。長期的に良好な関係を維持するためにも、常に誠実な対応を心がけています。そうした積み重ねで信頼を獲得し、ひいてはスクラップ回収量の拡大につなげていきたいです。 三菱マテリアルグループは「中期経営戦略2030」において、タングステンのリサイクルを通じ、2030年度までに超硬工具製品におけるリサイクル原料の使用比率を2023年度の56%から80%以上に高めることを掲げています。その成否を握るのが、タングステンスクラップの回収量の拡大と、タングステンリサイクル能力の向上です。 これらを実現するために、三菱マテリアルグループは、2024年5月に100年以上の歴史を有する世界有数のタングステン製品メーカー、H.C.Starck社の全株式を取得することについて、基本合意。これにより、三菱マテリアルグループは日本、欧州、北米、中国の4大市場においてタングステン事業の拠点を有することになります。また、世界最大級のタングステンリサイクル能力を保有するH.C.Starck社を取得することでリサイクル能力が増強されれば、私たちもスクラップ回収量を増やすことが可能になります。H.C.Starck社がグループに加わることで、スクラップディーラーの当社に対する信頼度も高まり、取引の活発化も期待できます。 そうした事業環境の変化をチャンスに変えて、私たちはスクラップ回収量のさらなる拡大を目指します。現在、三菱マテリアルグループではアメリカに加え、メキシコ、ブラジルなど米州エリア全体でのスクラップ回収を強化しています。今後は欧州エリアにおけるスクラップ回収量の拡大にも挑戦していきます。 現在、北米エリアで調達したタングステンスクラップは日本新金属社で最終的なタングステン粉末として再資源化していますが、ゆくゆくは米州エリア内で完結するタングステンの循環システムも構築したい。私にはそんな夢があります。そうした挑戦の先で、三菱マテリアルグループのタングステンリサイクルの処理能力をさらに高め、超硬工具製品におけるリサイクル原料の使用比率80%を超える、さらなる高みの実現に貢献したいです。09
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