前処理炉では、可燃物を多く含むE-Scrapを燃焼・熔融させます。この過程でE-Scrapをスラグ・メタルに変えることに加え、熱回収(サーマルリサイクル)を行います。熱回収した蒸気を用いて自家発電を行っています。また、廃基板のプラスチック部には、塩素や臭素といったハロゲン分が含まれ、これらを多量に処理することは三菱連続製銅法の設備腐食の原因となります。前処理炉は、E-Scrap中に含まれる塩素・臭素といったハロゲンを除去する役割も担っています。04廃家電廃家電や廃自動車の破砕■(シュレッダーダスト)再資源化滓(スラグ・メタル)E-Scrapって そのまま炉に入れて大丈夫なの? 前処理炉で焼却・熔融処理しています従来の銅製錬法では微粉状の原料しか熔融処理できませんでしたが、三菱連続製銅法では小石程度の大きさのE-Scrapであれば直接処理が可能です。これより大きなサイズのE-Scrapは、前処理炉に投入して焼却・熔融処理を行い水砕することで粒状の再さい資源化滓(スラグ・メタル)に変え、三菱連続製銅法で処理します。前処理炉は基本的にE-Scrap自体が含む可燃物の反応熱だけで燃焼(自燃)・熔融させることが可能で、化石燃料フリーの環境に優しいプロセスを実現しています。前処理炉と三菱連続製銅法を組み合わせることで、多様な性状のE-Scrapに対応しています。前処理炉の役割は? 塩素や臭素を除去します三菱マテリアルは、金属資源をつくる上であらゆる独自技術や仕組みを活用し、環境に貢献しています。ここでは素朴な「疑問」をもとに、E-Scrapの回収・処理、三菱連続製銅法による環境負荷が低い製造プロセス、リサイクル金属ブランド「REMINE」の立ち上げなど、三菱マテリアルの環境貢献のポイントをご紹介します。前処理炉なぜ、三菱マテリアルはクリーンに金属資源をつくれるの?環境に優しい製造プロセスを確立したから
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