WITH MATERIALS Vol.09
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阿あべ部 龍たつみ巳佐ささき々木 岳がく08安比地熱株式会社技術部主任※1 生産井:地熱貯留層から蒸気を取り出す井戸※2 還元井:熱水を地熱貯留層に戻す井戸――お二人の経歴と安比地熱発電所プロジェクトにおいて担った役割を教えてください。阿部 私は入社以来キャリアの半分以上、地熱事業に携わってきました。地下部門のリーダーとして本プロジェクト参加の打診を受けたのは、カナダとチリで10年間の海外勤務を終えた後、秋田県で澄川地熱発電所の操業管理に携わっていた2019年のこと。 地熱発電では、地下2,000m付近にある地熱貯留層からマグマに熱せられて高いエネルギーを得た高温で高圧の熱水や蒸気を取り出し、その蒸気を用いてタービンを回し発電します。そのため地熱発電開発では生産井※1と還元井※2を掘る必要があります。そして地下部門のリーダーである私の役割は、それらの井戸の掘削工事を成功へ導くことでした。佐々木 私も阿部さんとともに井戸の掘削を担当しました。実は入社2年目から阿部さんのもとで澄川地熱発電所の蒸気設備管理を青森県秋田県岩手県安比地熱発電所三菱マテリアル再生可能エネルギー事業部地熱事業開発部長地熱資源に恵まれた日本では、天候に左右されることなく安定的に電力を供給できる地熱発電の可能性に大きな期待が寄せられています。三菱マテリアルはグループ力を結集し、50年以上前から地熱発電開発に取り組んできました。その最新プロジェクトこそ、2024年3月に岩手県で運転開始した「安あっぴ比地熱発電所」です。現在は三菱マテリアルをはじめとする3社の共同出資で設立した安比地熱株式会社によって管理運営がなされ、一般家庭約3.6万世帯もの消費電力に相当する14,900kWを発電しています。ここでは三菱マテリアルと安比地熱社の担当者に登場いただき、運転開始に至るまでの挑戦の軌跡とその先に描く未来について、語り合っていただきました。Project.1安比地熱発電所プロジェクトクリーンエネルギーを未来へ。培った技術力と気概は次世代へ窮地を救ったのは、人の心を動かす“ひたむきさ”G

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