WITH MATERIALS Vol.09
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15 自動車や航空宇宙などのものづくり現場で欠かせない「道具」である、三菱マテリアルの工具は、それら産業を支える「生命線」でもあります。高品質な工具を供給し、ものづくりの未来に貢献する。それが入社以来7年間、営業として働いてきた私の使命です。 こう言うと聞こえは良いですが、営業は想像以上に泥臭い仕事です。私は大企業から家族経営の小さな工場まで幅広いお客様を担当しているため、各社の事業を理解し、その先に潜むニーズをつかむことはなかなかに困難。時には、足を運んでも話を聞いてもらえないこともありました。まずは信頼してもらわないことには始まらない。そう痛感した私は、お客様のもとに通いつめました。 その甲斐あって、お客様から相談を受けるまでの関係を築けた時、私はお客様の課題を解決する術を持ち合わせていないことに気付きました。そこで37,000点におよぶ当社の製品情報を頭に叩き込み、最適なご提案を実践。自然と売上もついてきて、営業としての自信につながったのです。 三菱マテリアル加工事業では、中経2030で「ものづくり現場へのコト売り」を掲げていますが、私自身どんなに製品が良くても、それがお客様にとって最適なソリューションでなけ社内外問わず、迅速なレスポンスを心がけている瀧さん。その理由としては、「こちらの本気度が伝わらなければ、人は動きません。だからスピード感を持って対応することで、私がどれだけそれにかけているのかを伝えたいんです」とのこと。れば選んでいただけないことを実感しました。そして「モノ売り」から「コト売り」への転換という目標も芽生えました。 自分の力だけでは前に進めない――。これは1年半ほど前、農業機械メーカーのお客様から依頼を受け、エンジンの部品を製造するための特殊工具の開発に携わった時に痛感したことです。そのお客様には長らく当社の工具を愛用していただいていましたが、時の経過とともに、より高性能で寿命の長い工具を所望されるようになりました。競合他社から新製品の提案が相次いでいたこともあり、本開発はコンペになりました。エンジン部品は超精密部品のため、工具に対する要求は複雑。しかも厳しい工具寿命の条件付きだったため、ひとりの営業マンである私には手に余る状況でした。 突破口となったのは、工具の総合的なソリューションを提供するテクニカルセンターや工具の設計・開発を担う仲間の存在です。寿命が長く、効率的かつ高精度な加工を実現する工具を開発するにはどうすれば良いか。約半年間、一丸となって考え続けました。テクニカルセンターの技術者とは一緒にお客様のもとに何度も訪問し、お客様が使用している工作機械に対応した切削加工の解析・シミュレーションを繰り返しました。そうした努力の末にお客様に最適な工具を開発でき、当社の工具が採用された時は「お客様との関係性を守ることができて良かった」と心の底から安■しました。また私はこの経験を通し、競合他社にはない三菱マテリアルの強みは、三菱マテリアルグループの総合力であると確信しました。 三菱マテリアルをお客様から「勢いがあるね」と言っていただけるような会社にしたい。これは私が当社で成し遂げたいことの一つです。新たな市場やお客様の開拓、革新的な製品づくりに挑戦し続けるアグレッシブな会社は自然と競争力が高まりますし、市場の変化にも適応できると思います。そのためにも、まずは自身のプレゼンスを高めていきたいです。そこで注力したいのは、広い視野を持つこと。他の営業の話を聞いたり、月1回の営業会議に出席したりする中で、最新のソリューション事例や技術の知識を吸収し、自分自身を常にアップグレードしてお客様と接したいです。そして将来的には、お客様と接する中で培った気付きや経験を活かし、経営戦略・販売戦略を担う部門で活躍することで、会社が成長する原動力になりたいと考えています。「モノ売り」から「コト売り」への転換を目指す突破口となったのはグループの総合力だった常にアップグレードした自分で会社が成長する原動力になりたい

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