WITH MATERIALS Vol.08
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髙たかはし橋 亘わたる照明用LED画像センサ変位センサ加工事業カンパニー開発本部 加工技術センター開発規格課 三菱マテリアルは超硬工具業界のリーディングカンパニーとして、切削加工のデジタル化に取り組んでいます。その一翼を担うのが私たちが開発を進めているセンサ工具です。 当社センサ工具の特長は「変位センサ」と「画像センサ」を搭載している点です。従来の被削材の寸法測定は、加工機上では切削工具を測定専用のセンサに交換、加工機外では被削材を取り外して測定器で測定という一手間が必要でした。しかし、変位センサがあれば加工直後に加工機上で測定できるため、生産性が向上します。また従来の工具は、生産個数が一定数に達したら寿命と判定し交換することが主流でした。一方、センサ工具は工具寿命の限界まで使い切ることができるため、コスト削減を実現できます。さらに、人間の目視によって判定していた加工面の品位の悪化を加工機上で判定でき、かつ定量化できることで技術者のノウハウ伝承にも活用できます。 そのようなセンサ工具ですが、開発では多くの壁に直面してきました。例えば、画像センサは狭いスペースに埋め込むことができる、小型かつ高画質なセンサが要求されます。また、工具で削る材料(以下、被削材)の寸法を測定するための「変位センサ」と、加工面を撮影するための「画像センサ」を搭載した切削工具。センサを搭載することで、切削加工直後に被削材の寸法測定や自動補正、加工面の撮影を行うことができます。また、加工面の画像解析により、工具寿命の自動判定も可能になります。変位センサも同様に小型かつ高精度でなくてはなりません。そこで、この分野で豊富な知見を持つ当社イノベーションセンターと共同で部品の選定、電子回路の開発などを行い、現在の仕様を導き出しました。 今後はお客様の多様なニーズにお応えすべく、さまざまな仕様のセンサ工具の開発にも挑戦したいと思います。そのためにも、一日でも早くセンサ工具を使用していただき、当社の切削加工ソリューションでお客様のものづくり現場の課題解決に貢献していきたいと考えています。08三菱マテリアルの中経2030では、加工事業において“グローバルで顧客が認めるタングステン製品のリーディングカンパニー”になることを目標にしています。この実現のため、ものづくり現場のあらゆるニーズに応えるべく、従来にない機能を搭載した切削工具の開発や、グローバルで展開するテクニカルセンターに蓄積されたデジタル技術を活用した幅広い切削加工ソリューションサービスの提供などを目指しています。ここでは、そうした取り組みの一例として、センサ工具開発とテクニカルセンターの海外展開についてご紹介します。センサ工具開発品質、コスト、生産性。お客様のあらゆる課題を解決する工具を世に出したい中経2030実現へ 技術と経験を活かすセンサ工具とは?Project Story 2デジタル技術でものづくり現場を革新

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