WITH MATERIALS Vol.07
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宮みやざき崎 純じゅんオリバー銅加工事業本部 事業本部長室海外事業戦略グループ節水ノズル、スプリンクラーヘッドターボチャージャーのベアリング、ブレーキ部品、リリーフバルブ、 温度センサー、インサートナット、 タイヤバルブフレアナット、コネクタ端子時計 : リューズ、ケース 黄銅とは、「真鍮」とも呼ばれる銅と亜鉛の合金で、工業材料として幅広く用いられています。一般的な黄銅製品は、切削加工性を高めるために鉛が3.0%前後添加されていますが、近年は環境負荷低減を目的に、鉛の含有量などの規制が欧米を中心に強化されています。例えば「RoHS指令」「ELV指令」では、電気・電子部品や自動車部品への、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなどの含有が禁止されています。こうした規制は、今後もより厳しくなる見通しで、鉛含有量0.1%以下の「鉛フリー黄銅製品」の需要が高まっています。 そうした中で、当社は2020年に次世代鉛フリー快削黄銅「GloBrass®」を開発しました。GloBrass®は当社従来品「ECO BRASS®」の約2倍の導電率があることに加えて、切削性しんちゅうや高強度を維持しつつ、銅分を下げてメタルコストを抑えており、自動車部品や電子部品への利用拡大が期待されています。 またGloBrass®は、鉛含有量を0.09%以下に抑えているため、水栓用途での活用拡大も期待されています。水栓分野での市場展開を加速させるため、欧州の飲料水規制に適合する合金として規格登録を進めています。 今後は、環境規制の先進地域である欧米市場へ広く普及させるべく、GloBrass®の独占的ライセンス権を付与した当社グループのLuvata社と協働し、欧米市場における製品開発やマ―ケティングなどに戦略的に取り組み、環境に配慮した鉛フリー黄銅製品におけるグローバル・ファースト・サプライヤーの地位を確立していきます。素材の提案事例GloBrass®とは?鉛フリー快削黄銅の分野で世界No.1の販売実績を誇る「ECO BRASS®」に続く、当社鉛フリー快削黄銅シリーズの最新製品が、 「GloBrass®」。低価格・高性能を強みに、これまで鉛を含んだ黄銅が使われていた部分での代替材となることで、環境負荷の低減に貢献できる合金として期待されています。車載部品 : ソレノイドバルブ、 電気部品 : エアコンの二方弁・三方弁・ 銅加工事業11素材の提案事例水栓金具 : 水道メーター、水栓継手、 人に、地球に優しい「鉛フリー快削黄銅」を世界に届ける

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