自動車や電子機器などの機能が高まると、機器が熱を帯びてしまうため、放熱という課題が生じています。そこでニーズが高まっているのが伝熱材料。リチウムイオン電池モジュールや電子回路基板等の発熱した高温部材からヒートシンク等の低温の放熱部材への熱の移動を促すために、それらの部材間に挟みこんで使われます。三菱マテリアルは、新たな伝熱材料として「伝熱パテ」の開発に着手。柔らかい粘土状で部材に密着させることができるため、従来のゴムシートタイプの伝熱シートに比べて、接触面に生じる熱抵抗を低減することが期待できます。目下、この技術の実用化を目指して開発を継続しています。 切削工具は、硬い金属を加工するために工作機械に取り付けられる刃先部分のこと。耐摩耗性や耐熱性を向上させ、より長持ちさせるために「(Al,Ti)N(アルミチタンナイトライド)膜」※で表面を被覆しています。しかしこれまでは、耐摩耗性や耐熱性の向上には限界があると考えられてきました。 三菱マテリアルはこの限界に挑戦。独自技術による新しいコーティングプロセスにより、高温の環境でも従来比4倍以上の長寿命を実現する「Al-rich(アルミリッチ)コーティング」を開発。従来製品よりも高い切削速度や効率的な加工を可能とすることで加工時間を大幅に短縮し、各種産業でのものづくりに貢献しています。※Al(アルミニウム)とTi(チタン)およびN(窒素)からなるコーティング膜密着して接触面の熱抵抗を軽減粘土状の新樹脂素材耐摩耗性や耐熱性の限界に挑戦コーテッド超硬工具05Al-rich表面処理コーティング樹脂伝熱パテ
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