秋田大学 国際資源学部 国際資源学科資源開発環境コース エネルギー資源工学研究室廣ひろもと本 康こうき己さん三菱ガス化学株式会社 特任理事満みつだ田 信しんいち一さん11 三菱ガス化学と三菱マテリアルは、1981年から40年以上にわたって地熱発電事業のパートナーとして共に歩んできました。三菱ガス化学は、新潟の天然ガス開発で大口径の井戸を掘削する技術、三菱マテリアルは鉱山で地下資源を探査する技術を有し、協力しながら両社の技術を進化させ、地熱開発に挑戦してきました。 この間、国の政策や経済性の観点から民間企業が撤退した時期もありましたが、我々は地道に取り組みを継続して知見を積み重ね、新たな開発につなげています。また、地熱開発に関わる技術者を継続的に養成し、技術を受け継いできました。地熱発電所を開発、建設し、操業する過程 私は大学で内陸地を対象とした石油の回収量を増やすためのメカニズムを研究していますが、地下を開発するという点では地熱エネルギーも同じです。地下というスケールの大きな舞台で地球と対話する資源開発にロマンを感じています。 私たち人間は、主に化石燃料を使った火力発電に頼ってきましたが、化石燃料は一度使えばなくなってしまうのに対し、地熱エネルギーは再利用することができます。しかも発電の過程でのCO2排出量が少なく、まさに持続可能な社会に寄与できるエネルギーです。地下を開発することによるマイナス影響を心配する声もありますが、大学で新しい技術や研究を学んでいる限り、その心配はないと感じています。知識をアップデートして、前向きに捉えてほしいと思います。卒業後はエネルギーでは、多くの事業者や地元の皆さまを巻き込んでプロジェクトを推進していく実行力が求められます。三菱マテリアルは豊富な経験と組織力で、安定的にプロジェクトを推進していて、その力量はトップクラスだと思います。 地熱発電は、CO2排出量が圧倒的に少ない純国産エネルギーで大きなポテンシャルがあります。新規参入の事業者も増えるなか、事業者同士でオープンに情報を共有し、協力していくことでその可能性を広げられます。政府、地方自治体、地元の皆さま、そして我々民間事業者が一体となり、地熱発電で再生可能エネルギーを生み出していきましょう。に関わる仕事に就きたいと考えていますが、化石エネルギーから再生可能エネルギーにシフトする転換点に立ち会えることを楽しみにしています。 三菱マテリアルは、鉱山に始まる地下開発の歴史で培った高度な技術力があり、多くのパートナー企業とともに事業を成功させてきたことからも、外部から信頼されている企業であることが分かります。今後も地熱発電をはじめとする再生可能エネルギーの分野で、循環型社会の構築に貢献し続けてくれることを期待しています。エネルギーの転換点に立ち会いたい技術力と知見、そして実行力で国内の地熱発電開発をリード
元のページ ../index.html#11