INTERVIEW 25

開発

研究者としての本分。

佐藤 亮介Ryosuke Sato
中央研究所
都市資源リサイクル研究部
2012年入社

EPISODE 01 環境意識の
芽生え。

私が環境問題を意識し始めたのは中学生の時のこと。使い捨ての社会システムに違和感があったことを覚えています。このままでいいのだろうか、と。当時は温暖化問題も盛んに取り上げられていて、環境対策への気運が高まっていた頃でした。「将来は環境問題に取り組みたい」と考えるようになりました。
大学では地球・環境資源理工学を専攻し、土壌に堆積していた物質を調べることで大気汚染の履歴を探求。当時はこの研究を極めることで環境問題の理解を深められると思い、四六時中取り組みました。結果、論文を投稿することができ、研究室では関連した研究テーマを今も継続しています。「この研究を続けた甲斐があったな」と思えました。
そして、いよいよ迎えた就職活動。当然、環境やリサイクルに携われる企業への就職を考えていました。いくつかの企業の門戸を叩きましたが、自分の伝えたいことをすべて伝えて、それを真正面から受け止めてくれたのが当社だったのです。また、事業領域が多岐に渡っていたこと、面接官の方の懐が深かったことも非常に魅力的でした。そうした要因が重なって、「この会社で働きたい」という想いがどんどん強まり、三菱マテリアルで研究する決意を固めました。

EPISODE 02 一つ一つの
積み重ね。

配属は希望通り、中央研究所の都市資源リサイクル研究部に。主に銅製錬の電解工程で生じる電解スライムという副産物から、目的の貴金属を抽出する研究をメインに携わってきました。1年目は、電解スライムから収益に直結するロジウム・ルテニウムなどの貴金属の回収率改善。2年目は貴金属以外の研究にも着手し、コバルトやニッケル、希土類磁石の分離回収に挑戦しました。3年目になると再び貴金属に戻り、“スライムクロリネーション反応解析”というテーマで電解スライムを酸溶液に溶解させる反応を解析することに挑戦。4年目は電解スライムからヒ素を取り除く研究に従事。5年目からは、貴金属の溶媒抽出による分離・回収に取り組み、現在も継続して研究しています。
入社して5年間で、さまざまな研究テーマに携わってきましたが、自分の中で最も達成感があったのは3年目に着手した“スライムクロリネーション反応解析”ですね。この研究は他の研究員から引き継いだものだったため、どこから手をつけていいか分からなかったというのが正直なところ。電気化学の勉強を一から始める必要もありました。しかし試行錯誤しながら研究を続けていた過程で、酸溶液に溶けているはずの金が還元されて析出していることを発見。この研究分野のスペシャリストであった上司からも、「これはすごい発見だ」と言われました。ただし、原理・原則を追求することが研究者としての本分。この現象のメカニズムをどう説明できるのか?を追求しなければならない。その間、上司はもちろんのこと、研究所の研究員、大学の先生、さまざまな方に助言をもらいながら、一年をかけて、仮説の検討、実験による裏付けを繰り返し行いました。一つ一つ積み重ねた結果、社内でも評価され、学会での発表も実現。「研究者として確かな足跡を残せた」と実感できた瞬間でした。

EPISODE 03 会社と社会に
貢献したい。

民間企業での研究は、すべて成果につながるという保証はありません。また、成果が出たとしても、すべてが工場での操業、製品に反映されるものでもありません。しかし、成果や製品につながらなかった研究が無駄になるものでもないと思っています。研究は個人でやり抜くものではなく、チームで、そして、会社全体でやり抜くもの。一人一人の研究がチーム、そして会社全体の技術力・総合力に繋がっていることが判るようになりました。今の自分にできることをとことん突き詰めて、三菱マテリアルグループの技術力・総合力向上につなげることをモチベーションに頑張っています。
そして将来は、これまで培ってきた知識を活かして、環境やリサイクルにつながる研究にチャレンジしたい。この業界を志した理由でもある「環境問題の解決に貢献したい」という想いは、今も変わりません。研究者という立場でなくてもいい、会社の事業に繋がると同時に、社会の安心に繋がるような環境保護に貢献していきたいです。

MESSAGE

私たちの研究は、すぐに成果として現れにくいのが実状です。いろいろやってみて、やっと辿り着けることが多い。ですから、一つ一つ、地道に積み重ねられる根気が求められます。また、研究と言っても一人だけで進められるものではなく、周りの方と協調性を持つことは重要です。人として信頼されていなければ、いくら正しいことを言っていても相手は受け入れてくれません。「相手あっての自分」ということは忘れずにいてほしいと思います。

SCHEDULE

8:00 予定の確認・メールチェック
8:30 実験
11:00 チームミーティング
12:00 昼食,昼食後は軽めに運動
13:00 実験,分析など
17:00 試験まとめ,資料作成など
18:00 退社