INTERVIEW 11

技術

研究は失敗して当たり前。
いかに切り替えて
次に進むかが大事。

H.X
加工事業カンパニー
開発本部
2018年入社

(所属部署・役職、インタビュー内容は当時のものです)

EPISODE 01 幼い頃、
偶然見た
日本の
ものづくりから
受けた衝撃。

小さい頃、日本の有名なロボットが母国のベトナムに来たのをテレビで見ました。当時のベトナムはバイクでさえ珍しかったような時代。幼心に経済発展のためには先進技術が欠かせないと思ったのが、日本に憧れを抱いた最初の瞬間でした。以来、日本でものづくりの勉強をしようという強い想いを持ち続け、19歳の時に来日。1年間、日本語学校に通った後、大学に進学しました。
大学、大学院では亜鉛製錬において課題となっている消費電力の削減など主に金属材料に関わる研究をしており、これまでにない優れた性能をもつ金属材料の開発に挑戦したいとの想いで就職先として三菱マテリアルを志望しました。そもそも金属にフォーカスしたのは、車や飛行機をはじめ、身の回りのものの多くが金属でできているというところから。金属を勉強すれば、いろいろ面白いことができるという確信がありましたし、三菱マテリアルならそれまで研究していたベースメタルに限らず、貴金属、レアメタル材料などの開発に幅広く携わることができるので、ぜひ挑戦したいと思いました。
入社を決める際には見学会、説明会、インターンシップなどを通じて、会社の明るい雰囲気を感じることができたことも大きかったと思います。やはり自分の性格と合わないと楽しく働けないと思いますし、ここは自分に合うのかなと決断しました。

EPISODE 02 思い切って
一歩を
踏み出すことが、
よい結果を生む。

4月から6月末まで現場実習として製造現場でプレス工程の段取り作業に携わりました。これは硬い金属を削るためのインサート工具を製造する工程で、できたものが本当にお客さまの要求されている寸法公差を満たしているかを確認し、合わなかったらまたもう一回やり直すという機械設定作業なのですが、現場で作業をする一方、同期と一緒に問題点、課題を見つけて解決するための改善策を考えたところ、生産性を最大11%向上可能な改善提案を行うことができました。新人ながらも「ずっと見てきた人では気づかないこともあるかもしれない、新しい目で見て感じたことは伝えよう」と思い切って行動したことがよい結果につながったと思うのですが、言われたことだけをやるのではなく、自分で考えて動くのが仕事だということを改めて認識することができたという点ですごく貴重な経験でしたし、現在実際に提案した改善策を採用するか否かの検討段階にあるということで私としても非常に楽しみにしています。
また、この段取り作業は重いものを持ったりしなければならないこともあり、女性に任せられたのは私が初めてでした。周りの方々の助けもあって無事女性でも対応できることを証明することができ、その後他の女性社員の方も携わるようになったと聞いて、そういう意味でも印象に残っています。
もちろん、私たちの仕事は思い通りに行くことばかりではありません。ですが、研究職は9割が失敗とも言われますし、落ち込むのは時間の無駄なので、ダメならダメですぐに新しい方法に切り替えていくというスタンスで業務にあたるよう心がけています。

EPISODE 03 ユーザーの
役に立つことが
一番のモチベーション。

現在は、材料開発グループでインサートの原料を開発する仕事に就いていますが、学生時代の研究と一番違うのは、結果に対して強い責任感を持って取り組むようになったこと。具体的には以下二つのミッションを自分の中で掲げています。
一つは憧れている職場の先輩のように、グループ内外の人だけでなく、お客さまにとっても頼られるような存在になること。二つ目はお客様のニーズに応えられるような新材料を開発することであり、現在実際にまだ採用されていない混合方法の評価・調査を行っており、得られた知見を用いて今後期待される高結晶性粒子材料の開発に挑戦したいと考えています。そして、今は材料開発をしていますが、その材料で作ったインサートを取り付ける工具の開発にも興味があります。加工事業では材料だけではなく、材料を使った機械を作ったり、設計したりすることもできますので、将来的にはどちらもできるようになるのが目標です。
何回か出張にも行かせていただき、こういうものがあればというお客さまの要望を直接聞くチャンスがあったのですが、そうした声に応えていくことをモチベーションに、新たな試験や研究にも積極的に取り組んでいこうと思っています。

MESSAGE

材料開発グループの魅力は、筑波製作所内の製造設備のスケールダウン実験装置で配合から焼結を実施し、その特性を評価するといった、インサート製造に関わる一連の作業を自分で行えるところ。ものづくりの面白さを感じることができると思います。
金属材料やものづくりに興味がある人はもちろんですが、常にこれまでにないやり方とか、方法を探すのが仕事でもあるので、新しいものを考えることが好きな人も向いているかなと思います。

SCHEDULE

8:00 朝礼、チームミーティング
8:30 メールチェック、本日の予定・作業内容の確認
9:00 作業(合金特性評価など)
11:00 実験データ整理
12:00 同期とランチ
13:00 作業(合金の組織観察、分析依頼など)
15:00 データまとめ、進捗報告・相談、翌日の予定確認
16:00 勉強会
17:00 退社