プロジェクトストーリー

世界最薄と屈曲性。新しい電子材料開発への挑戦。

スマートフォンやタプレット、パソニンなどの電子機器の熱暴走の防止と安定動作の確保には、正確な温度検知と、より細やかな制御が欠かせません。当社は、この温度を検知するサーミスタセンサとして厚み70μmという世界最薄化と、曲率半径6mmまで曲げても動作可能な「フレキシブルサーミスタセンサ」の開発に成功しました。当社だから成し得た製品開発への挑戦をご紹介します。

電子機器の小型化と薄型化という技術の進歩に応える

スマートフォン

サーミスタセンサは温度を検知するセンサであり、スマートフォンやパソコンなどの電子機器、エアコンをはじめとした家電や自動車等、日常生活を取り巻く様々なものに広く使われています。皆さんも使用されているスマートフォン、タブレットやバソコンなどの電子デバイスなどの半体や電子部品は、熱によって故率が大きくなるため、これを未然に防ぐ役割を担うのがサーミスタセンサです。近年、スマートフォンやタブレットなどのデバイスは、高機能化と小型化が著しく発展し、サーミスタセンサに対しても小型化、薄型化、熱応答性の高速化という要望が強まっています。このニーズに対して、当社の中央研究所が開発に成功したのが世界最薄のフレキシブルサーミスタセンサです。

複合事業体だから成し得た別分野の素材の応用

これまでサーミスタに使用する素材は、精製過程で600℃以上の高温で焼成する必要があり、薄くするともろくて壊れやすいという課題がありました。そのため、従来の素材では、500um(1umは1mmの1000分の1)程度の厚さ限界でした。当社の中央研究所では「もっと薄く、屈曲のある素材はないのか」と考え、これまでの10分の1の厚さ50umのポリイミイドフィルを採用し開発を進めていきました。しかし、この素材は、焼成過程で燃えてしまうため、これまでと同様の精製方法では、製品化することができませんでした。この課題を解決すべくサーミスタ特性を備えた材料を探すことに。当社の中央研究所では、様々な事業分野に関連する材料技術の基礎から応用までの研究開発を行っています。その環境下で見つかったのが、切削用超工具に用いられる「ひたすら堅い膜」、アルミチタンナイトライドという窒化物。この材料はサーミスタとしての温度特性を備えており、課題であった焼成が必要なく常温で形成できる素材でしたこの素材を厚さ50μmのポリイミドフィルム上に0.1μm~02μmの厚さの薄膜として直接形成することで、電極や保護膜を含めたセンサの厚みは70μmという世界で最も薄いサーミスタセンサを作り出すことに成功しました。最薄の実現とともに、従来の材料では難しかった曲げることも、最小曲率半径6mmの屈曲性をもったフレキシブルなサーミスタの開発に成功しました。
フレキシブルサーミスタは、薄くなったことで熱応答性が高くなり、従来品に比べ約6倍以上の高速化を実現でき、併せて動作する温度範囲も従来品では、一40℃~125℃であったものが、-40℃~200℃と幅広くなるなど、様々な進化を遂げました。

TOPIC

三菱マテリアルの知が結集する「中央研究所」

中央研究所

セメントや銅などのべースマテリアルから超硬工具、さらには電子材料・デバイスに至るまで幅広く事業展開する中、中央研究所では、これら事業分野に関連する材料技術の基礎から応用までの研究開発を行っています。それぞれの専門分野の研究者が毎週集まり、自由に討論できる場が設けられており、分野を横断的に渡り、知の共有を図ることができます。複合事業体だからこそ可能な研究開発力は、この体制により、強化・推進しています。

サーミスタにより製品がもっと進化する

世界最薄で屈曲性のあるフレキシブルサーミスタにより、これまで困難だった携帯機器の狭いすき問や曲面部などにサーミスタを設置することができ、デザインを一新するようなインパクトを与えるだけではなく、従来は温度測定をあきらめていたアプリケーションへの道も開けることが期待されます。当社は、限界への挑戦する姿勢によってものづくりの未来をこれからも支えていきます。

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