プロジェクトストーリー

レアアースのリサイクルへの挑戦。

当社では、環境リサイクル事業の一環として、使用済み家電製品から、高性能なレアアース磁石を回収・再資源化するための技術開発を実施しています。金属資源の乏しい日本において、この取り組みは注目されている分野であり、当社は、いち早くこの分野において研究・開発を進めてきました。

最先端分野での需要が高まるレアメタル・レアアース

自動車やコンピュータなどに使われるIT機器、携帯電話をはじめとする生活家電製品、また、アルミ缶等の飲料容器など、私たちの暮らしの中で使われているものには多くの種類の金属が使われており、「ベースメタル」と呼ばれる鉄、銅、鉛、亜鉛などは、さまざまな産業で使われる基礎素材として重要な役割を果たしています。

一方、近年、金属の中でも特に希少な「レアメタル・レアアース」と呼ばれる素材は、エレクトロニクスや航空・宇宙産業など最先端の分野や省エネ家電、エコカーといった環境配慮型製品での需要が増加し、改めてその重要性が認識されています。しかしながら、日本ではこれらの金属資源に乏しく、鉱石の国内自給率は限りなくゼロに近いという現状にあります。将来的にも未調査の地質構造の中から新たな優良鉱床が発見される可能性は低く、日本は鉱物資源供給を海外に依存しなければならず、レアメタル・レアアースの安定確保の重要性が高まっています。

また、レアメタル・レアアースは鉱石中の品位が低いため、採取の際に大量の廃棄物を発生させます。リサイクルを実現できれば新たな資源の採掘量を減らすことができ、循環型社会の構築にも大きく貢献できると期待されています。

ネオジム磁石リサイクルの社会システムを実証する

当社は、2009年度よりレアアースを含有する磁石であるネオジム磁石のリサイクル活動に取り組み、国からの助成を受けながら、調査や技術開発を実施しました。この過程において、2011年12月には、独自に開発した機械装置を用いて、エアコン等の使用済み家電製品からネオジム磁石をより効率的に回収することができる実証プラントを完成させました。

この実証プラントは、茨城県にある家電リサイクル工場に併設しています。当社グループの家電リサイクル工場は、全国に5社6工場あり、国内で発生する使用済み家電製品の約20%を処理しています。家電リサイクル工場内でエアコンを解体してコンプレッサ等の部品回収を行い、これと並行して同工場内でコンプレッサを分解してネオジム磁石を回収できるという点が、他社にはない当社の強みとなっています。2014年10月から家電リサイクル事業の一部としてネオジム磁石の回収を行っています。

TOPIC

リサイクル資源・環境配慮型資源としてのネオジム磁石

ネオジム磁石

ネオジム磁石は、永久磁石のうちでは最も強力なものです。ネオジム磁石の強力な磁界・磁束を活用することで、無駄なエネルギー利用を省く・モーターなどの部品を小型化、軽量化できるといった効果から省エネ型の家電製品や、ハイブリッドカー、電気自動車に多く用いられています。エアコンや冷蔵庫などの家電製品に用いられるネオジム磁石の量は近年増加しており、現在流通している家電製品の多くがリサイクルされる2019年頃には、年間400tを超える量が回収可能になるという試算データがあります。
また、ネオジム磁石は、風力発電の発電機や河川の浄化装置などにも本格的に用いられ始めており、環境配慮型資源としての需要も高まっています。そのため、ネオジム磁石の再生は、将来に必要な資源確保のため、より一層必要性が高まっています。

レアアースの国内資源循環をリードしていく

2011年度末から2年間、経済産業省の「レアアース・レアメタル使用量削減・利用部品代替支援事業」として、回収したネオジム磁石を再生して再び製品に使用するというプロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは、エアコンのコンプレッサ1台に約100g使用されているネオジム磁石を数tレベルで回収し、磁石メーカーや家電製品メーカーに再生資源として供給するという社会システム実証に取組みました。当社はネオジム磁石を回収するだけでなく、資源循環を実現させるために必要なサプライチェーン全体のマネジメント役も担いました。
今後も引き続き、使用済みの家電製品や自動車から、貴重な資源を効率的に回収する技術開発に取組み、総合素材メーカーとして循環型社会システムの構築へ貢献していきます。

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