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◎ 純銀粘土について

・PMC3、クイックタイプ、スタンダードタイプの違い
各粘土の物性、特性を表にまとめると次のようになります。

名称(日本)

PMC3

クイックタイプ

スタンダードタイプ

名称(海外)

PMC3

PMC+

PMC

粘土内銀含有量

90%

90%

77%

線収縮率

10-18%

8-15%

20-30%

焼成条件

600℃:30分以上
700℃:10分以上
750℃-900℃:5分以上

800℃:30分以上
850℃:15分以上
900℃:5分以上

850℃:2時間以上
900℃:1-2時間

推奨焼成方法

電気炉
ハンディガスバーナー
シルバーポット
ミニパン

電気炉
ハンディガスバーナー

電気炉

焼結体銀品位

99.9%

99.9%

99.9 %

希望小売価格
(税込)

6.3g 1,439円
9g 1,953円
16g 3,234円
25g 5,030円
50g 9,755円

6g 1,260円
18g 3,696円
45g 9,030円

7g 1,281円
20g 3,728円
50g 9,125円

※重量は、粘土内に含まれる銀重量を表しています。
・PMC3の特徴
PMC3は、粘土本来の柔らかな手触りを持ち、細かな造形からボリュームある作品作りまで対応できます。また、600℃から900℃という幅広い範囲で焼成することが可能です。焼成後の作品強度及び光沢は、同一条件で焼成したすべての純銀粘土の中で、最大を示します*)。これらの優れた特性は、PMC3が従来品に比べ極めて微細な純銀粉末を原材料として使用していることに由来します。

600℃でも焼成可能という特性を生かし、従来は不可能だったスターリングシルバー(Silver 925)との同時焼成が可能となりました**)。

幅広い範囲で焼成できることから、電気炉だけではなく、ハンディガスバーナー、シルバーポット(固形燃料を熱源に使用)、ミニパン(ガスコンロを熱源に使用)などの簡易焼成が可能です。幅広い温度で焼成できる純銀粘土は、三菱マテリアルが世界で初めて開発、商品化したものです。

*)PMC3は、これまで市販されたすべての純銀粘土の中で、最も焼結性が優れています(当社比)。PMC3と従来品の焼成後の状態を電子顕微鏡で撮影すると次のようになります。

 
PMC3   従来品

**)スターリングシルバーと同時焼成する場合、必ず温度保持機能がついた電気炉を使い600℃〜700℃の範囲内で焼成して下さい。場合によっては、スターリングシルバー表面が、酸化により黒変(もしくは光沢が劣化)しますが、研磨布等で取り除くことが可能です 。

・リニューアルされたPMC3について
現在販売されているPMC3は、焼成時及び焼成後の優れた特性を維持しつつ、それ以外の特性が大きく改善されております。主な改善ポイントは、次の通りです。

(1)従来品に比べじっくり時間をかけて作品作りが可能です。
純銀粘土の最も重要な性質の1つは、「粘土」という言葉からイメージされる柔軟さをどれだけ長い時間保持できるかという点です。使っているとすぐに柔らかさが無くなり、粘土にひびが入ってくるようでは、思い通りの作品作りを楽しむことができません。
PMC3は、粘土の「保水機能」を大幅にアップし、粘土としての柔軟性を長い時間保つことを可能としました。

(2)従来品に比べ水を加えての粘土の再生が容易になりました。
純銀粘土は造形していると、体温や気温の影響で必ず粘土内の水分が徐々に蒸発します。その結果、粘土の柔軟性、伸びが無くなり、また表面に細かなヒビが入りやすくなります。このような現象が生じた場合、粘土に極少量の水をなじませることで、元に近い状態に戻すことが可能です。
PMC3は、従来品に比べ粘土の「吸水性」を大幅にアップしました。粘土と水のなじみが大幅に改善され、水が粘土内部にまで浸透し、粘土の再生が行いやすくなりました。これにより、純銀粘土を無駄なく使うことができます。

注)粘土が完全に乾燥固化した場合、水を加えての再生は困難です。

(3)従来品に比べ乾燥時のトラブルが大幅に少なくなりました。
純銀粘土を使った作品作りでは、乾燥工程(粘土に含まれる水分を蒸発させる工程)が、とても重要です。粘土内に水分が残っていると、その後の焼成工程(粘土内のバインダーを焼失後、銀の粒子同士を接着させる工程)で、作品が膨れたり、亀裂が入ったり、最悪の場合粉々に破裂することがあります。乾燥方法として、1日〜2日間自然乾燥する方法、ドライヤー等を用いて短時間で強制乾燥する方法の2通りあります。この内、強制乾燥では、作品の形状(大きさ、厚さ)、乾燥器具の当て方などの条件により同じ時間乾燥しても、内部まで十分に乾燥できない場合がありました。
PMC3は、加温時における粘土内の水分の「発散・放出性」を大幅に高めました。この結果、強制乾燥時の乾燥時間が短縮し、焼成時の乾燥不足によるトラブルが大幅に低減します。

注)(2)に記載した「吸水性」とここに記載した「発散・放出性」は、表裏の関係(つまり同じ事を視点を変えて言っている)と理解した方が分かりやすいかもしれません。


(4)乾燥温度を変えることで、乾燥体の強度及び切削性を変えることができます。
PMC3を強制乾燥する場合、乾燥条件により、乾燥体の強度及び切削性を変化させることが可能です。乾燥条件と特性をまとめると次のようになります。

乾燥温度 時間(or 状態変化) 強度及び切削性 乾燥器具の目安
80℃〜180℃ 作品の大きさ、厚さ、形状によるが、15分から30分。作品から、白煙が出始めた直後までの状態。 切削性は、極めて良好。ヤスリ、彫刻刀などを使って手でさくさく研磨、切削可能。   ・ドライヤー
・当該温度に調整されたホットプレート
180℃〜250℃ 作品から白煙が出て5分以上経過した状態。 強度大。
ヤスリ、彫刻刀などを使って手で研磨、切削するのは困難。
リューター等機械を使った研磨、切削は可能。
・当該温度に調整されたホットプレート
・電気炉

注1)250℃を超えた温度での乾燥は、粘土中のバインダーが分解し、強度が著しく劣化する可能性があるので、行わないで下さい。
注2)乾燥器具と作品の距離、乾燥器具の出力などの条件により、目安として記載した乾燥器具を使っても、所望の特性を得られない場合があります。

(5)従来品に比べ乾燥体の研磨、切削が容易になりました。
完成品のクオリティを高めるには、乾燥体の状態で、作品表面をヤスリ、研磨材等で十分に研磨しておくことが重要です。また、彫り加工を施した作品を作るためには、乾燥体の段階で、彫刻刀、カッター、リューター等を使って切削する必要があります。PMC3は、乾燥体の「切削性」を大幅に改善し、さくさくと研磨、切削が可能です。切削の際、余分な力が作品に加わらないので、研磨、切削中の作品の破損を防ぎ、作業時間も短縮できます。

注)(4)の記載内容を十分にお読み下さい。ここに記載した内容は、80℃〜180℃で乾燥した場合の特性です。

・クイックタイプの特徴
クイックタイプは、PMCシリーズに共通の「粘土らしさ」を持つ造形性に優れた粘土です。焼成後、PMCシリーズの中で最も収縮率は小さく、作品強度及び光沢はPMC3に次いで優れています。

注)現在、一部販売店ではお取り扱いしておりません。また、店舗によっては、お取り寄せで対応可能な場合があります。詳しくは、当社までお問い合わせ下さい。
・スタンダードタイプの特徴
スタンダードタイプは、粘土内に含まれる水、有機バインダーの割合が、すべての純銀粘土の中で最も多いため、最も「粘土らしい」粘土といえます。粘土自身の伸びがよく、長時間造形してもヒビが入りにくく、また乾燥してきても水を加えての再生が容易です。 焼成は電気炉を使う必要があり、焼成後の収縮率は20〜30%(長さ方向)と、すべての純銀粘土の中で最大を示します。この大きな収縮を利用し、繊細な作品作りが可能です*)。 スタンダードタイプは、世界で初めて商品化された純銀粘土として、記念碑的位置づけも持ち、アメリカでは”original PMC”とも呼ばれ、多くの愛好者がいます。 電気炉設備がある場合、初心者が初めて触る純銀粘土として最適と言えます。

*)模様、デザインなどを大きく作り、収縮を利用してそれらを小さくすることができます。
注)現在、一部販売店ではお取り扱いしておりません。また、店舗によっては、お取り寄せで対応可能な場合があります。詳しくは、当社までお問い合わせ下さい。
・PMC3ペーストタイプ、PMC3シリンジタイプの特徴
PMC3粘土タイプ同様、極めて微細な純銀粉を原料に使用しております。そのため、低温焼結性、焼成後強度、焼成後光沢に優れた特性を示します。PMC3だけではなく、クイックタイプ、スタンダードタイプで作った作品にも使用できます。 特徴、使用方法、注意点をまとめると次のようになります。

PMC3ペーストタイプ PMC3シリンジタイプ
特徴 (用途) ・優れた焼結体強度
・優れた光沢性
・粘土同士の接着
・乾燥体同士の接着
・焼成体同士の接着
・焼成体と純銀製パーツとの接着
・粘土体、乾燥体、焼成体の修正
・転写技法(葉っぱ、ガーゼ、凹凸のある可燃物等へ塗布し、その模様を写し取る技法)
・有機溶剤を使用していないため、異臭(刺激臭)を発せず、人体に悪影響を与えない。
・焼成後品位:99.9%
・優れた焼結体強度
・優れた光沢性
・優れた保形性
(押し出した後の型くずれが少ない)
・焼成後品位:99.9%
乾燥 室温で一昼夜。
または、80℃で15〜30分以上。
ドライヤーやホットプレートの使用も可能。
(ホットプレートは、必ず80℃に設定すること。)
室温で一昼夜。
または、80℃で15〜30分以上。
ドライヤーやホットプレートの使用も可能。
(ホットプレートは、必ず80℃に設定すること。)
焼成 600℃:30分以上
700℃:10分以上
750℃-900℃:5分以上
600℃:30分以上
700℃:10分以上
750℃-900℃:5分以上
他のPMC製品と
使用する際の注意点
スタンダードタイプと使用する場合は、スタンダードタイプの焼成条件を使用すること。また、クイックタイプと使用する場合は、クイックタイプの焼成条件を使用すること。 スタンダードタイプと使用する場合は、スタンダードタイプの焼成条件を使用すること。また、クイックタイプと使用する場合は、クイックタイプの焼成条件を使用すること。
その他注意点 ・乾燥した場合は、水を少量加えると元に戻ります。すぐに戻らない場合は、水を加えた後、一昼夜おくと、ペースト状に戻ります。
・造形時にでる粘土屑や使用しなかった乾燥体をペーストに入れて、再利用することも可能です。少量の水を加えることで、好みの粘性に調整可能です。ただし、このようにして作製したペーストでは、本来のPMC3ペーストの優れた特性を発しない場合があります。
・焼成体同士の接着をする場合、乾燥体などを混入して再ペースト化したものは、使用できない場合があります。
・優れた焼結体強度を持ちますが、何度も折り曲げすると、破断する場合があります。
希望小売価格(税込) 15g 3,213円 9g(ノズル無し)2,373円
9g(ノズル有り)2,583円
・シートタイプの特徴
シートタイプは、純銀の粉末とバインダーのみで構成されており、水を含んでいません。特殊なバインダーを用いることで、水を含まなくてもしなやかさがでるように工夫されています。折紙感覚、ペーパークラフト感覚で、自由に折り曲げたりハサミで切ることが可能です。水分を含まないため、時間を気にせず使うことができます。
シートタイプに水を塗布、滴下すると、バインダーが水に溶解し、形状を保持できなくなる場合があります。シートタイプ同士の接着には、アラビア糊(一般的に事務用糊として使用されているもの)をご使用下さい。
なお、シートタイプは粘土タイプに比べバインダーを多く含んでいます。また、PMC3とは異なり低温焼成に対応しておりません。焼成は、必ず電気炉を使用し、850℃の場合15分以上、900℃の場合5分以上焼成して下さい。