マーケット用語ワンポイント解説

IMFの保有金売却案

近年になって、最貧国等の債務解消策として、時折浮上するテーマにIMFの保有金売却案があります。ひとことで言えば、IMFが保有する金を売却し、その売却益を最貧国等が抱える債務返済に充てて救済しようというものです。IMFの保有金は現在3,200トン程度あり、しかもそれらの保有金は1971年以来1オンス40ドル程度で計上されたままです。それをたとえば市場価格800ドルで売却すれば、800ドル−40ドル=760ドル×売却重量分が利益となります。それを最貧国の債務返済の原資に充てられるだろうという考え方です。ただし、IMFの保有金を市場に放出することに関しては賛否両論あり、なかでも拒否権を持つ米国が長く反対してきたことから、なかなか実現しませんでしたが2009年6月、400トンの売却に関し米上院で可決が見られ、今後は実現に向け加速すると思われます。過去には1999−2000年にかけて、ブラジルとメキシコが抱えるIMFへの債務を減らすために、IMFの保有金のうち360トンを両国へ簿価の40ドルで売却、そして同時にIMFは同量の金を両国から市場価格(当時360ドル)で買い戻したことがありました。この同時売買により、ブラジルとメキシコの両国は、売却益をIMFへの債務返済に充てることができました。しかもIMFの保有金は、実質的には360トン分が評価替えされただけで保有量は維持されたことから、金市場への影響は皆無でした。今後もし仮にIMFの保有金売却が あるとしても、おそらくこの手法が採られるのではないかというのが市場関係者の見方です。

インフレターゲット

経済金融面における我が国の課題はいろいろありますが、特に今クローズアップされている課題はふたつでしょう。ひとつは800兆円にまで膨らんでいる国の 財政赤字(借金)をどのように減らすか、もうひとつはバブル崩壊後に進んだ資産デフレをどのように解消するかです。その解決方法としてよく登場する言葉が この「インフレターゲット」です。本来は、インフレの状態を一定の目標レベルへ抑え込んでいく通貨政策(貨幣価値を上げて物価を下げる政策)を指します が、現在話題になっているのは少々趣きを異にしています。つまりデフレの状態を一定の目標レベル持ち上げていく通貨政策(貨幣価値を下げて物価を上げる政 策)として、インフレターゲットという言葉が使われています。つまり意図的にインフレを起こすことによって、財政赤字縮小と資産デフレ解消というふたつの 課題が同時に解決されるのではないかという期待があるわけです。しかしこの手法は行き過ぎることも考えられ、その場合にはインフレヘッジとしての金に目が 注がれることになるかも知れません。

インフレ・ヘッジ

インフレに強い資産(不動産や金などの実物資産)を保有することで、インフレによる金融資産の目減りを回避する方法のことです。インフレとは、簡単にいえばモノの値段が上昇することです。そしてモノの値段が上昇するということは、貨幣の価値が相対的に低下することを同時に意味しま す。仮にモノの値段、つまり物価が1年間で10%上昇し、その時の金利が仮に5%だとすると、貨幣の価値は5%目減りすることになります。100万円が 95万円の購買力しか持たないことになるということです。こうしたインフレのトレンドでは資産保全の観点からインフレ・ヘッジが求められるわけです。 21世紀初頭の現在、世界的に過剰流動性(カネ余り現象)が高まる一方で、巨大な人口を抱える中国、インド、ブラジル、ロシアなどの経済成長でモノの需要 が旺盛になっています。この二つの大きなインフレ要因から、原油価格や石油製品などのモノの値段が長期的に上昇しています。そして金の価格も同様に上昇トレンドを描いており、古来よりインフレ・ヘッジ資産として認められてきた金に、ますます注目が集まっています。

英国の金売却

英国政府は、1999年の5月に「中央銀行が保有する金準備高 715トンのうち415トンを売却し、うち125トンを1999年〜2000年にかけて入札方式で5回に分けて売却する」との計画を発表しました。金準備 の売却で得た資金は、ドルやユーロや円で運用されているとのことです。この英国政府の決断が正しいか間違っているかは、まだ誰にも分かりません。ただ、同 年の9月に欧州中央銀行15行が、向こう5年間の政府保有金の売却・貸出制限を共同声明(ワシントン協定)の形で発表したこと、そして米国、日本、 IMF、BIS(国際決済銀行)が売却はしないと表明したこと。これらを考え合わせると「金は今後とも世界各国の準備資産の重要な部分であり」「金は究極 の支払手段である」というのが、先進各国の共通認識と言えるのでしょう。 なお、2000年春以降、肝心の金価格は大きく上昇。その結果、英国政府は国家の貴重な資産を安値で手放したことになったため、国民から非難されていることを付け加えておきます。

FFレート

米国の「Federal Funds Rate(フェデラル・ファンド・レート)」のこと。頭文字をとってFFレートまたはFF金利と呼び習わしています。日本の無担保コール翌日物金利(コー ル・レート)に相当します。米国でも日本でも、市中金融機関は預金残高に応じて中央銀行に準備預金を預け、そのために必要な資金を市場から調達しますが、 FFレートとはその際の金利のことです。米国の金融当局(FRB:米国連邦準備制度理事会)は経済情勢や景気動向に応じて、このFF金利の誘導目標を設定 して誘導・操作を行なうことから政策金利の性格を持っています。ところで一般に知られている公定歩合は、中央銀行が市中金融機関に資金を貸す際に適用され る基準金利のことですが、米国では限定的にしか使われません。したがって米国において金利とは、公定歩合ではなくFF金利のことを指す場合が多いようです。

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外貨(建て)資産

日本円の側から見た場合、日本以外の国の通貨、たとえば米ドルやユーロは「外貨」として分類されます。そして外貨による預金や外国の株式・債券のことを、一般に「外貨(建て)資産」と呼び習わしています。 こうした「外貨(建て)資産」に投資する場合、通常はその時の為替レートで、円資金を米ドルやユーロなどの外貨に換えることになります。それと同じように「外貨(建て)資産」を満期時や解約時に再び日本円に戻す場合も、その時の為替レートが適用されます。 ご存知のように為替レートは時々刻々動いていますから、「外貨(建て)資産」の価値は、「資産そのものの価値」だけでなく「売買時の為替レート」によっても左右されるところとなります。したがって売買のタイミングによって為替差益や為替差損が発生する資産であることを認識しておく必要があるでしょう。 ところで金は世界的には米ドル建てで取引されています。日本で売買する場合に適用される金価格は円建てですから、そこには為替レートが反映されています。 ペーパー資産である外貨預金・外国株式・外国債券と、現物資産である金地金や金貨とは、その性質が根本的に異なってはいますが、このような観点で見ると金もある意味で「外貨(建て)資産」と言うことができます。

加工用需要

金マーケットにおける需要は、その内容から「投資用需要」と「加工用需要」に大きく分けることができます。この加工用需要をさらに細分化すると、宝飾品用、エレクトロニクス用、公的コイン用、歯科治療用、メダル等用、その他の産業・装飾用というようになります。このように加工用需要にはさまざまな分野がありますが、このなかで最大の項目は宝飾品用で、加工用需要全体の8割を占めています。ちなみに2008年の需要全体は約3,900トン、そのうち加工用需要が約2,900トン、そして最大項目の宝飾品需要が約2,200トンとなっています。需給のファンダメンタル面から見ると、最近減少傾向にあるとはいえこの宝飾品用需要の動向が重要な役割を持っていることが理解されると思います。

基軸通貨(Key currency)

国際為替相場での取引が多い通貨を、一般に主要通貨(Major Currency)と呼びます。具体的には、米ドル、ユーロ、円、ポンド、スイスフランなどです。そのなかでも、中心的な役割を果たし、支配的な地位にある通貨のことを、基軸通貨(Key currency)と呼びます。貿易、商品取引、金融取引など、国際的な取引の決済に広く使用される通貨であることから、各国は外貨準備としてこの通貨を保有する機会が増えます。19世紀半ばから100年間は当時の覇権国家であった英国のポンドが、IMF体制が確立した20世紀半ば以降は唯一の超大国である米国のドルがその地位にあります。基軸通貨の条件は次の3点に集約されます。
(1)通貨価値が安定している国の通貨であること。
(2)政治力、経済力、軍事力が強大な国の通貨であること。
(3)国際金融市場が整備されている国の通貨であること。
なかでも
(1)の「通貨価値が安定している」という点は、制度上の重要な条件となっています。これは言い換えると、「他国の通貨価値の基準となりうる通貨」であるかどうかということです。それがためにこそ、第二次大戦後の米ドルは金とリンクしていました(=金ドル本位制)。しかし、1971年に米国は金とドルとのリンクを放棄していますから、あくまでも実態上基軸通貨と認められていると捉えるのが正解でしょう。なお現在は、EU(欧州連合)内の15の国が採用している通貨であるユーロが2006年に市中の流通量で米ドルを抜き、各国の外貨準備に占めるシェアも上がっており基軸通貨ドルの足元を脅かしています。したがって、他国の外貨準備における米ドルとユーロの保有比率の推移は、今後のマネーの流れを見る上で重要な指針のひとつとなります。

金ETF(上場投資信託)

ETFとは、Exchange Traded Fundの頭文字をとったもので、証券取引所に上場して取引される投資信託(多くの投資家から集めた資金をひとまとめにして運用する金融商品)のことです。既に上場されているものは、日本経済新聞の証券欄に、「上場投資信託(ETF)」という分類で銘柄が掲載されていますのでご覧ください。現在、日本国内では、「日経平均型」、「日経300型」、「東証株価指数型」となっているように、いずれも特定の指数に連動して値動きする上場投資信託です。もちろん通常の株式と同じように、一般の個人投資家が証券会社を通じて売買することができます。これに対して金ETFは、これらとは少し異なり、金地金(現物)そのもので運用する投資信託を有価証券化して証券取引所に上場したものです。この現物の金地金は厳重に別途保管され、万一取扱会社の破綻があったとしても保護される仕組みとなっています。ちなみに取引単位は1/10オンスです。金ETFは、2003年にオーストラリア証券取引所(シドニー)で初めて上場。その後ロンドン、パリ(ユーロネクスト)、ニューヨークでも上場し、急速に普及し始めました。さらに2006年にはシンガポールでも上場。2009年5月末で、金ETFの総資産残高はすでに1,300トンを超えています。顕著な影響は、有価証券化されたことで、これまで有価証券にしか投資できなかった年金基金など機関投資家の長期運用資金による金市場参入が始まったということです。金ETFによって、巨大な需要が新たに創出されたわけで、今後ますます注目が高まっていくと見られています。尚、2007年大証に上場された金ETFは、金価格にリンクするいわゆる仕組み債で現物の裏づけは有りません。一方、2008年6月30日東証に上場されたものはシンガポール、ニューヨークに上場されたETFが重複上場されたもので、現物の裏づけのあるものとなります。

金市場

金は、日々世界中で取引されています。そしてそれぞれの取引の中心となる時間帯の地名を被せて、たとえば「東京市場」と呼んでいます。メジャーな金市場は、ロンドン市場、ニューヨーク市場、チューリッヒ市場、香港市場、東京市場の五つで、これをもって五大金市場と呼ぶこともあります。なかでもとくに中心的な役割を果たしているのが、300年の歴史を誇るロンドン金市場(金現物取引が中心)と、ヘッジファンドなど投機的資金を集め活発な取引が行われているニューヨーク金市場(金先物取引が中心)の二つです。前者のロンドン金市場では、1919年から毎日ロスチャイルド社の「黄金の間」に固定のメンバーが集まってフィキシングと呼ばれる「値決め」を行ってきました。そして、この価格が金現物の国際的な指標価格として用いられてきました。しかし、2004年にチェアマンであったロスチャイルド社がコモディティ・ビジネスを縮小したことによりフィキシングから撤退、現在はスコシア・モカッタ、バークレイ銀行、ドイツ銀行、HSBC、ソシエテジェネラルの5社(チェアマンは輪番制)が、毎日午前と午後に電話で売買注文を突き合わせ、折り合った価格をフィキシング・プライス(値決価格)として世界に向けて発信しています。この「値決め」を中心にロンドン金市場では、多くの参加者が活発に取引を行っており、価格は時々刻々と変化しています。後者のニューヨーク金市場では、金先物取引が中心です。先物取引は証拠金を積むことで取引に参加できますから投下資金の数倍の取引が可能で、短期の値ザヤを狙った取引も多く、価格の動きも大きくなります。先物取引は「買い(ロング)」の取引以外に、将来の値下がりを見込んだ「売り(ショート)」の取引も可能なことから、ファンドの取引参加が増えています。そのため現在では、プライス面に関しては、ロンドン金市場よりもニューヨーク金市場の影響力の方が大きいと言って良いでしょう。

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金準備

IMF(国際通貨基金)体制下において、加盟国の政府・中央銀行は、輸入代金・対外債務返済等の支払い、国際通貨不均衡の是正、あるいは為替相場介入などのために、一定比率以上の外貨等の資産を保有する義務を有しています。これらの資産のことを通常、準備資産あるいは外貨準備と呼びます。準備資産に含まれる資産項目にはさまざまありますが、主要なものに「外貨や外債などの流動的資産」「貨幣用の金」「SDR(特別引出権)」などがあります。つまり金準備とは、各国政府・中央銀行等の公的機関における準備資産として位置づけられているのです。

世界の公的金保有トップ20 (2008年度)

順位 国名・機関名 重量(t) 外貨準備資産に占める
金準備比率(%)※1
米国 8,133.5 72.8%
ドイツ 3,406.8 68.1%
IMF 2,966.8 不明

イタリア 2,451.8 67.0%
フランス 2,435.4 65.6%
中国 1,054.1 1.6%
スイス 1,040.1 24.1%
日本 765.1 2.8%
ロシア 668.6 5.5%

10 オランダ 612.5 55.2%
11 インド 557.7 7.5%
12 ECB 501.4 27.1%
13 台湾 423.6 4.3%
14 ポルトガル 382.5 82.2%

15 ヴェネズエラ 363.9 47.6%

16 サウジアラビア 322.9 2.8%
17 英国 310.3 16.6%
18 レバノン 286.8 26.1%
19 スペイン 281.6 37.1%
20 オーストリア 280.0 56.1%
世界の公的保有(計)

30,741

※2

※1 算出には直近の市場価格を用いた。

※2 公的保有には、民間・個人による金保有量は含まれていない。

※データ出典:ワールド ゴールド カウンシル

限月

「限月」とは、商品先物取引(以下、先物取引)の用語で「ゲンゲツ」と読み、取引を決済しなければならない「期限の月」のことです。ちなみに「COMEX 金2月限」というのは、「COMEX金2月限月価格」の略称でCOMEX金市場における2月限月の金先物価格を意味しています。 ところで、なぜここで先物用語を取り上げるかと言えば、一般に現物市場は先物市場の動向に強く影響を受けるからです。分かりやすく「金」の現物取引と先物取引との比較でご説明しましょう。 現物取引の場合は、売買ともに基本的には注文時点で「決済」と「現物受け渡し」が同時に発生します。したがって、買い時と売り時の判断が重要となります。 ただ、買い付けた金は資産としていつまでも保有できますし、売却も気が向いた時に行なうことができます。損失を被りたくなければ、価格が上がるまで待って 売却すれば良い訳です。 これに対して、先物取引の場合は、将来の一定期日(限月)に一定の条件で現物受け渡し(現物の授受)を約束する取引、または将来の一定期日に受け渡しを行 なわず反対売買(商品の転売や買い戻し)によって手仕舞う(差金決済によって取引を完結する)取引を意味します。したがって、取引注文をする時点では「決 済」も「現物受け渡し」も発生しませんし、少ない資金(証拠金)で大きな取引を行なうことも可能です。しかしその反面、状況によっては証拠金の追加が必要 になりますし、期限(限月)が来れば損益にかかわらず決済しなければなりません。きわめて投機性の高い取引であることを認識しておくことが肝要です。

鉱山ヘッジの削減

鉱山ヘッジとは、鉱山会社が行なっている「生産者ヘッジ」のこと。通常、鉱山会社では、金価格変動により将来被りうるリスクを回避または最小化するため に、先物市場を利用してヘッジ取引(保険つなぎ行為)を行なっています。生産計画にそって生産している金現物の価格が、販売時に大きく下落していては死活 問題になるからです。具体的に言えば、金鉱山会社が将来の生産見込み分の金現物を市場から借り、それをあらかじめ市場で売却して販売価格を確定、そして借 りた金現物は生産した金現物で返済するということになります。 こうした鉱山ヘッジの取引量は、金価格が下落トレンドにある場合にことさら増大する傾向にあります。その一方、金価格が堅調に推移または上昇トレンドにあ る場合には、ヘッジ取引という保険は必要最小限で済みますから、取引量は削減される傾向にあります。 ちなみに鉱山ヘッジは、金価格が長期下落傾向にあった1990年代後半にとくに盛んに行なわれましたが、2001年以降は金価格上昇トレンドで逆に大きな損失を被る金鉱山会社もあり盛んにヘッジはずしつまり買い戻しが行われヘッジ取引そのものの解消がかなり進みました。

国際金価格

国際金価格と言う時、それは「米ドル建て金価格」のことを指しています。ポンド建てではなく、ユーロ建てでもなく、なぜ米ドル建てなのかと言えば、米国が 世界最大の経済大国であるとともに、米ドルが世界の基軸通貨としての地位にあるからに他なりません。 ところで、ひとくちに国際金価格とは言っても、金現物価格はロンドン金市場で一日2回値決される価格(フィキシング・プライス)が指標となり、金先物価格 はニューヨーク金市場における取引価格が指標となっています。ただし、いずれの価格もドル建てであることには変わりありません。 一方、各国国内の金価格は、国際金価格の動きにリンクして上がったり下がったりします。そして同時に、国際金価格が米ドル建てであることから、各国国内金価格は米ドル為替相場の動きにも連動して上下します。 たとえば日本国内の場合で言えば、国内金価格は国際金価格に連動するとともに、円対米ドル為替レートが円高ドル安に動けば国内金価格は下がりますし、円安ドル高に動けば国内金価格は上がることになります。

固定相場制

固定相場制とは、ひとことで言えば為替レートを一定の水準に固定する制度のことです。 現在、IMF(国際通貨基金)体制下では、多くの国が変動為替相場制を採用しています。しかし、経済基盤が脆弱な国や金融システムが未成熟な国の場合、為 替を変動相場制にしてしまうと、ちょっとした経済変動や投機筋の動きで為替レートがコントロール不能になり、大きな打撃につながる可能性があります。そのため、そうした発展途上の国のなかには、自国経済と通貨の安定のために固定相場制を取っているところがあります。 ひとくちに固定相場制と言っても、その有り様はさまざまですが、最近よく話題になるものはペグ制とバスケット制の二つでしょう。前者は特定の通貨(多くは ドル)と連動する為替制度で、現在の中国元や香港ドルは、まさにこのドル・ペグ制を採用しています。もうひとつのバスケット制とは、複数の通貨(たとえばドルとユーロと円)の平均値と連動する為替制度で、近年アジア地域でかなり真剣に討議されており、将来実現する可能性もあります。これもドル離れ現象の一 つと見て良いかも知れません。ちなみに中国は、2005年7月に、完全なドル・ペグ制からドルを中心にしたバスケット制へ移行しました。

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産金上位10カ国

  前年順位  

2009年順位

国名

生産量

昨年対比

中国

324.0トン

111%

オーストラリア

222.8トン

104%

南ア

219.8トン

94%

米国

219.2トン

94%

ロシア

205.2トン

109%

ペルー

182.4トン

102%

インドネシア

157.5トン

166%

カナダ

96.0トン

101%

ガーナ

90.3トン

112%

10 10

ウズベキスタン

74.5トン

102%

   

上位10ヶ国合計

1,791.7トン

 
   

全世界合計

2,571.8トン

107%

※データ出典:ゴールド フィールズ ミネラル サービシーズ 「ゴールドサーベイ 2010」

資金の逃避先

投資マネーは、つねに利益を求めて動いています。投資マネーにとっての関心事は、投資対象にどのような価値があるかではなく、短期間でどれだけの利益が得 られるかだけです。したがって価格変動のあるところ、つねに投資マネーが投下されていると言って良いでしょう。なかでも利回りの良い投資先には、大量のマ ネーが投下されることになります。これは投資マネーがつねに利益を追い求めることを宿命づけられているからです。 このような投資マネーも、世界情勢の不確実性が高まった際には、利回り追求とは異なった行動に出ることがあります。危機に直面して安全な場所を求めて移動 する動物のように、投資マネーも安全な場所に資金を避難させる行動をとります。この時に選ばれる対象を、「資金の避難先」と呼びます。 たとえば米国株価の下落局面においては、投資マネーは金や債券などの安全性の高い商品に向かって移動する傾向があります。たとえば世界的な企業の倒産などが起き て信用リスクが高まった時も、同じような傾向を示します。これは投資マネーが、金を安全避難先として認識しているために起きる現象です。

資産4分割法

我が国には、もともと「資産三分割法」という考え方がありました。資産は、預貯金、有価証券、不動産の三つに分割して運用、あるいは保全するのが好ましい とされてきました。ところが最近になって、この三つの資産に金を加えた「資産四分割法」が注目されるようになりました。資産を預貯金、有価証券、不動産、 金に分散して運用、あるいは保全するのが安全という考え方です。その背景には、「長引く景気低迷」、「社会不安の増大」、「資産の国際化」という三つの流 れがあるように思われます。バブル経済の発生と崩壊をすでに経験した国だからこそ、長い目で見て価値を失わない資産、国際的に通用する資産が求められてい るのかも知れません。では、どれくらいの割合で金を持てば良いのでしょうか。その割合は、社会情勢や個人の資産状況によって異なりますし、明確な基準があ るわけでもありませんが、欧米では一般的に金融資産の15%程度が妥当であろうと言われています。

史上最安値

我が国で金取引が完全に自由化された1978年4月以降で見ると、ドル建ての史上最安値は99年7月につけた1オンス252.80ドル、円建ての史上最安値は同年9月につけた1グラム917円です。 90年代最後の年にここまでの最安値を付けた要因は、おもにみっつ。ひとつは、90年頃に始まった東西融合と金融IT革命の進展を背景に、米国経済が一人 勝ち状態となったこと。ひとつは、欧州各国中央銀行がEU統合に向けて、財政再建の原資を確保する方法として保有金の売却に動いたこと。最後のひとつは、 中央銀行の保有金売却の流れを利用して、ヘッジファンドがカラ売り攻勢をしかけたこと。そして金価格の下落に慌てた鉱山会社が先売りに加わったことで、金 価格の下落にさらに拍車がかかったことです。 とくに90年代後半は、米国への投資が増え、ニューヨークを中心に株式市場が活況を呈し、「有事のドル」と呼ばれるほど米ドルへの信頼が高まりました。その結果が99年の最安値でした。

史上最高値

ここでいう「史上」とは、有史以来を意味しているわけではありません。金が国際市場を形成して自由に取引されるようになって以降、我が国でいえば金取引が完全に自由化された1978年4月以降を指しています。ドル建て国際金価格は、2008年1月に更新されるまでの27年間は1980年1月に付けた1オンス850ドルが最高値でした。この時高値を付けた要因は、主にふたつ。ひとつは、前年1979年のイラン革命を契機に第二次オイルショックが起き、それが全世界に波及して超インフレが到来したこと。もうひとつは、ほぼ同じ時期に旧ソ連がアフガンに侵攻し、東西冷戦時代当時の超大国であった米国と旧ソ連の政治的緊張が急激に高まったことです。つまり「インフレ」と「有事」という、ふたつの流れが相乗効果を生み、金価格は急騰につぐ急騰で最終的にバブル化し、その段階で付けたのがこの27年間破られることのなかった史上最高値だったのです。さて現在の最高値は2011年9月に付けた1896.50ドル(ロンドンAM Fixing)。同月、ドルが信用懸念、景況感の悪化などにより下落し、ドル安を背景に金への資金流入が進みました。また、一部新興国などが、国際通貨基金(IMF)から金塊をさらに購入するのではないかとの観測もサポート要因となったようです。

上海金市場

2002 年に上海に創設された中国初の金取引所。これまで中国では、金の取引は中国人民銀行によって厳しく統制され、中国人民が投資目的で金を保有することは禁じ られていました。しかし、2001年に世界貿易機構(WTO)へ加盟したことを受けて、金自由化プログラムが始動。金取引所の開設はその第一歩です。ただ 金の完全自由化には、人民元建て金価格が国際金価格と連動することが不可欠であり、人民元の対外交換性の完全自由化が大前提となります。そのため中国にお ける金の完全自由化は、数年間かけて段階的に実施される予定です。 しかし、不完全ながらもすでに個人投資家が金の現物を購入できるようになりましたし、政府を挙げて金市場の育成に力を入れているところを見ると開かれた市場となるのも時間の問題でしょう。 中国の金の完全自由化が達成されると、金需要は飛躍的に増加する可能性があります。その理由は二つ。第一の理由は、中国は金選好の強い国であると考えられ ていること。第二の理由は、90年代にインドが金の自由化を段階的に実施した際、金需要は数年間で200トンから800トンへと急増した前例があることで す。800トンと言えば世界の総需要の2割に当たりますから、市場に与えるインパクトは大きいといえます。

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ショートカヴァー

ディーリングの用語に、ショート、ロングという言葉があります。ショートは「売り越し」を意味し、売り越しの状態をショート・ポジションと言います。一方、ロングは「買い越し」を意味し、買い越しの状態をロング・ポジションと言います。 ディーリングと呼ばれる活動は、つまるところ相場の動きを予想して、「売り越し」あるいは「買い越し」の状態を意図的にとって、利益を生み出すことを目的 としたものです。したがって、予想どおりに相場が動いた場合には利益を生み出しますが、予想がはずれた場合には損失が発生することになります。 たとえば先々、金価格が下がると予想している場合、ディーラーは通常ショート・ポジションをとります。そして実際に下がった場合には、その時点で「買い」 を入れることで利益が確保されます。ところが、予想に反して相場が動き出す(価格が上がる)場合も当然あります。その場合、ショート・ポジションのままで は大きな損失が発生する可能性があります。そこで、ショート・ポジションを低くするために「買い」を入れることになります。これを「ショート・カヴァー」 と呼んでいるのです。

ストップ・ロス・オーダー

日本語に直訳すれば、損失限定取引注文ということになるでしょうか。ひらたく言えば、相場が予測に反して動いた場合に発生する損失を、一定水準で確定する 取引注文のことを意味します。または、相場が予測に反して動いた場合に、期待利益率あるいは期待利益額を失わないために行なう取引注文を指します。わが国 の場合、前者を「損失限定の売り(買い)」と言い、後者を「利益確定の売り(買い)」と呼びます。 プロのディーラー達が先物市場などで期間限定の取引を行なっている場合 には、投資の失敗によるリスクは計り知れません。したがって将来相場がどのように予測されていようとも、足元の相場が予測と反対方向に一定額(一定率)動 いた場合には、「損失限定」あるいは「利益確定」を行なうようになっているのです。 ただし、これはあくまでも「一定期間に相当の利益を上げることを至上命題とするディーラー達のリスク・マネジメント手法」であることをお断りしておきます。

第一次ワシントン協定

1999年9月に、欧州中央銀行(ECB)と欧州各国中央銀行14行による共同声明の形で発表された「金に関するワシントン協定(Washington agreement on Gold)」のことです。協定の内容は、次の通りです。 1.金は今後も世界各国の重要な準備資産であること。 2.上記中央銀行は、すでに決定済みの売却を除いて市場に売り手として参加しないこと。 3.決定済の金売却は、今後5年間にわたり協調プログラムのもとで実施されること。年間の売却量は400トン以下、5年間の合計売却量は2,000トンを超えないこと。(この2,000トンには、売却決定済みの1,715トンが含まれている。) 4.署名国中央銀行は、金の貸出、金のデリバティブ取引を拡大しないことにも合意したこと。 5.この協定は5年後に見直されること。 また、この協定にはIMF、BIS、米国、日本も同意を表明し、これにより全世界の公的保有金の90%近くがこの制限に含まれるところとなりました。 なお、このワシントン協定は、2004年3月に更新されることが決定し、同年9月から適用されています。基本的な内容はこの第一次の協定と同じですが、詳しくはこちらをご覧ください。(→第二次ワシントン協定

代替資産

従来の株式や債券な ど「紙の資産」への「伝統的投資」の損失分を補ってくれると期待される資産群への投資ことをいいます。このカテゴリーには、ヘッジファンド、未公開株、不動産証券、そして金などの天然資源が含まれます。2000年に米国ITバブルが崩壊した頃から欧米の年金ファンドなどが注目し始め、その後米国同時テロをきっかけに株式、債券を始めとした「紙の資産」が一斉に値下がりしたことから、ことさらに注目を浴びるところとなりました。ちなみに米国では年金資産運用にすでに金が使われ始めています。株や債券だけでは、世界的金融不安などの信用リスクやその処方箋としての多額な各国の財政出動の結果、今後懸念されるインフレリスクをヘッジできないために、代替資産を組み込む動きが本格化しているのです。ただし代替投資は決して運用の主役ではなく、あくまでも脇役と捉えられています。したがって全資産の10%程度を振り向けるのが妥当とも言われています。

第二次ワシントン協定

2004年3月に、欧州中央銀行(ECB)から発表され、同年9月から発効となった「金に関する共同声明(Joint Statement on Gold)」のことです。これは第一次ワシントン協定の更新版ともいうべきものです。この第二次協定の大筋は、第一次協定と同様、金が今後とも世界各国の中央銀行の重要な準備資産であることを宣言するとともに、金の売却および貸出しの上限を明示。売却も貸出しも秩序だったプログラムに基づいて行うことを合意しています。ただし、協定参加国の中央銀行による金の売却量の総枠は、第一次協定では年間400トン、5年間で2000トンでしたが、第二次協定では年間100トンを上乗せし、5年間で2500トンとなっています。総枠は予想範囲内であり市場で十分に吸収できる量であることで、金価格への影響は折込済とされています。なお、この第二次協定に参加したのは、欧州中央銀行(ECB)を含め欧州各国中央銀行15行。第一次協定に参加して保有金の売却に動いた英国は参加を見送りました。貴重な保有金を売却したことで、国民世論から非難されていることが背景にあるとされています。英国に代わってギリシャが新たに参加しました。

第三次ワシントン協定

2009年、欧州の中央銀行間における金の売却と貸出に関する協定(The Central Bank Gold Agreement、通称「ワシントン協定」)が更新されました。協定期間は、第二次協定満了後の2009年9月27日から5年間。年間の売却上限枠はこれまでの500トンから100トン引下げ、400トンに縮小されました。協定参加国は19ヵ国。ユーロ導入国の16ヵ国に、ECB(欧州中央銀行)、スイス、スウェーデンを加えた陣営です。なお、2009年現在、公的売却は下火になっており、売却枠上限に達しない状況が続いています。それでも年間400トンの枠が用意されている背景には、IMF(国際通貨基金)が財政基盤強化、弱小国支援目的で保有金の一部403トンを向こう2年間で売却する計画があります。その分がカウントされているとも見られているわけです。また、保有金売却については、市場へ影響を及ぼさないように、市場外で、中国あるいはロシアと相対で取引される可能性があるとも言われています。

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建玉明細報告

米国CFTCが毎週発表している、商品先物取引所に上場している各種商品(オイル、穀物、貴金属など)の取組状況のこと。正式にはCommitments of Traders Reports(建玉明細報告)といいます。米国には、商品先物取引の安全性や透明性を高めるために、規制・監督をつかさどる連邦政府機関があります。この機関を、Commodity Futures Trading Commission(商品先物取引委員会)と言い、頭文字を取ってCFTCと略称します。 この報告内容は詳細にわたりますが、市場関係者が重点的にウォッチしているのは、第一に投機玉の動き(ロングとショートの推移)といって良いでしょう。ファンド筋・投機筋の動きは、短期的に市場価格をリードするほど大きな影響力を持つためです。実際、過去において商品市場の価格が乱高下した場面では、ほとんど必ずと言って良いほど、投機玉に大きな変動が現れています。 ただし建玉明細報告は、毎週火曜日時点の状況をその週の金曜日に発表しているためにタイムラグがあります。この報告を参考にする場合には、時系列でロングとショートの推移を見て行くことが必要となります。

地政学的リスク

もともと地政学とは、地理的条件に基づいて国家の政治体制を戦略的に発展させるための理論として確立されました。しかし最近マスコミで目にする地政学リス クは、地域的に軍事的あるいは政治的な緊張が高まることにより、世界経済が影響を受けるような事態のことを指して使われています。たとえばイスラエル・パ レスチナ紛争の激化、イラク戦争後の不安定な政治状況、テロの発生等がニュースになるような場面では、この地政学的リスクという言葉が使われます。ちな みにリスクが高まる段階で「資金の避難先」として金などの実物資産が選択されることが多いことはよく知られています。

通貨バスケット制

複数の主要な貿易相手国通貨(例えばドルとユーロと円)を相応の構成比で組み入れた「バスケット」の加重平均値に、自国通貨を連動させる為替制度のことです。1997年の東アジア通貨・経済危機をきっかけに、にわかに注目が集まるようになり、アジアではすでにシンガポールが導入。2005年2月にはロシアがドルとユーロを組み合わせたバスケットを採用。そして同年7月には中国が為替制度をドル・ペグ制からバスケット制に移行しました。この為替制度では、投機筋の攻撃や、ドルなど単一通貨との急激な為替変動を緩和できると期待される一方で、バスケット内の通貨の構成比率が不透明であるとの指摘もあります。いずれにしても、今後、アジア地域で導入が進めば、ゆるやかなドル離れにもつながる可能性もあることから、金市場でも注目しています。

テクニカル要因

金価格の将来予想には、過去の価格動向を利用することができる。そういう立場に立って用いられる投資分析法のことを、通常テクニカル分析と言います。さま ざまな手法を用いて過去の価格動向を分析し、現在の価格が「高い水準にあるか低い水準にあるか」を判断し、「売り」「買い」のオーダーが入ったと見られる 場合、「テクニカル要因での売りが入った」あるいは「テクニカル要因での買いが入った」というように表現します。そして、このテクニカル要因とちょうど対 をなす言葉に、ファンダメンタルズ要因があります。たとえば金の需給がタイトになり、今後価格が上昇する可能性がある状況で大口投資家から継続的に買いが 入った場合、「ファンダメンタル要因での買いが入った」というように言うわけです。

金準備

デフレーションの略。端的に言えば、物価が持続的に下がり続ける経済状態を意味しています。ただし最新のIMF(国際通貨基金)の定義では、「2年程度物価下落が続く経済状態」をデフレと呼ぶようです。 ところで一口にデフレとは言っても、いくつかのケースがあります。21世紀初頭に日本が落ち入ったデフレ環境は、次の3つです。
1. 景気低迷による需要の落ち込みによるもの(消費デフレ)
2. 資産価格の下落によるもの(資産デフレ)
3. 内外価格差解消によるもの(構造変化によるデフレ)
なお、デフレスパイラルという言葉がありますが、これは物価が下落しても需要の上昇が見られず、さらにデフレを進行させる悪循環のことを指します。

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ドル・コスト平均法

価格が変動する金融商品を、長期にわたって、定期的に、つねに一定の金額で買い付ける投資手法のことです。この手法では、価格変動に関わらず一定金額で買 うため、価格が上がった時は買い付け数量が自動的に減少し、価格が下がった時は買い付け数量が自動的に増加することになります。その結果、価格変動リスク を抑制することが可能となるだけでなく、投資期間中の対象商品の平均価格(小売価格)よりも低い金額で買い付けることができます。 このドル・コスト平均法は、さまざまな商品分野で利用されています。身近なところでは株式購入の「るいとう」でも利用されていますし、金購入の「純金積立」でも利用されています。最近は保険や年金でも利用されている商品が出ています。

成行き(成行)/指値

もともと株式投資用語で、株式市場における顧客の値決注文方法を表わしています。 「成行き」注文とは、顧客が価格を指定することなく、市場価格で売買を行なう注文方法のこと。価格が高いか安いかよりも、とにかく売買を確実に成立させた いという場合によく利用される注文方法です。もちろん価格があまり動いていない局面でも利用されるようです。この注文方法には、売買契約は成立しやすいと いうメリットがある反面、売買価格が想定価格と大きく異なることもあり得るというデメリットもあります。 「指値」注文とは、顧客が売買注文する際、売買価格をあらかじめ明示して注文すること。買いの場合は指値以下で、売りの場合は指値以上で取引される注文方 法です。おもに手元資金に限界がある場合や、価格大きく動いている場合などに利用される注文方法です。売買価格は自由に設定できるメリットがある反面、希 望する期間に売買契約が成立するかどうか不明というデメリットもあります。 余談ですが、弊社の「MGPオンライン・トレード」(純金積立マイ・ゴールドプランのオンライン版)でも、この値決注文方法を導入しています。スポット購 入、売却、等価交換の取引で、成行き注文/指値注文のどちらかをお選びいただくことが可能です。

200日移動平均線

短期、中期、長期の相場動向を判断するために、一定期間の平均値を連続して計算してグラフ化した線のことを移動平均線といいます。この移動平均線は、相場 商品とくに株式の動向を見る上で欠かせないものとなっていますが、金価格の動向を見る上でもよく利用されます。20日あるいは30日の移動平均線を短期 線、50日または60日のものを中期線と呼ぶこともあり、ここでいう200日移動平均線とはつまり長期線にあたります。長期資産として金と付き合う一般投 資家が金価格のトレンドを知りたい場合には、この長期線を見るとよいでしょう。200日移動平均線が右肩上がりにある場合には金価格は上昇トレンドにあ り、右肩下がりにある場合には金価格は下降トレンドにあると判断することができるからです。ただし金は国際的に取引されていますから、200日移動平均線 もドル建て金価格を使用します。

日本の財政赤字

日本政府が抱える財政赤字は、現在およそ800兆円を超えるまでになりました。幸い貿易面では黒字を計上していますから、米国のような「双子の赤字 (財政と貿易の両面での赤字)」とはなっていませんが、それでも財政赤字が巨大であることに間違いはありません。 この赤字がどのような意味を持つのか、分かりやすくするために一般家庭の家計に置き換えてみましょう。日本政府の収入(=税収)をおよそ40兆円、財政赤 字をおよそ800兆円とすると、これはつまり借金が年収のほぼ20倍に達していることになります。すなわち年収700万円のサラリーマン世帯が、なんと1 億4千万円の借金を抱えているのと同じ状態ということです。収入だけでは借金および利子の返済まで賄うことはできませんから、さらなる借金(=国債発行) を余儀なくされています。赤字額は減るどころか増える一方です。 これだけ巨額の借金を返済する方法として、2つのシナリオがあると言います。ひとつはマネタリー・インフレを意図的に引き起こす、つまり紙幣を大量に増刷 して返済に充てるというシナリオです。もうひとつは消費税率をヨーロッパ各国なみにアップして税収を増やし、増収分を返済に回すというシナリオです。この ような巨額の財政赤字という名のリスク、そこから類推されるインフレや消費税率アップに対する備え、さらには少子高齢化にともなう公的年金の目減りなどへ の不安なども、日本国内で金への注目が高まる要因となっているようです。

双子の赤字

米国の二つの赤字、すなわち「財政収支の赤字」と「経常収支の赤字」のこと。 1980年代の米国では、減税政策の実施や国防費の増大などで財政収支の赤字が拡大する一方、産業界の国際競争力が低下して貿易収支の赤字(→経常収支の 赤字)も拡大した。この「財政収支の赤字」と「経常収支の赤字」という二つの赤字によって、米ドルの信用力は低下し、強いては急激なドル安・円高につな がった歴史があります。 その後1990年代のクリントン政権時代にこの二つの赤字は改善されましたが、2000年のITバブルの崩壊、2001年の9.11同時テロをきっかけ に、景気浮揚のために大型減税が実施されたこと、そしてまたテロ対策費やアフガン・イラク戦争戦費が増大することによって、米国の財政赤字はふたたび増大 の一途をたどっています。その一方、国内消費が旺盛であることから輸入増による貿易赤字も増大し、経常収支の赤字額は過去最大規模にまで膨れ上がっていま す。 このまま財政収支と経常収支の赤字が拡大すれば、金利の上昇やドル暴落の恐れがあり、世界経済に深刻な打撃を与える可能性があることから、米国の「双子の赤字」は世界の重大関心事のひとつになっています。

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プラザ合意

1985年9月22日、米国の呼びかけにより、当時の先進5か国(日・米・英・独・仏=G5)の大蔵大臣(米国は財務長官)と中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集まり会合を持ちました。そこで、各国がドル安に向けて協調行動を採ること、具体的には基軸通貨であるドルに対して参加各国の通貨を一定の幅で切り上げること、そのための方法として参加各国は外国為替市場で協調介入を行うことが合意されました。この合意を、会議が開催されたホテルの名前にちなんで「プラザ合意」と呼び慣わしています。米国の狙いに、ドル安によって米国の輸出競争力を高め貿易赤字を減らすことと同時に、伸長著しい日本の輸出競争力を抑制することにあったことは言うまでもありません。ちなみに、この合意が発表される前日の円ドル為替相場は1ドル240円程度。それが年末には200円を切る水準へ。それでも円高は止まらず、1988年の年初には120円台まで進みました。凄まじい為替変動です。この結果、円建ての国内金価格はもちろん大きく下落するところとなりました。ところで、この過程で見逃せないことが二つあります。一つは、超円高を緩和するために大量の為替介入が行われていたこと(ドル買い円売り)。一つは、超円高による為替差損を避けるべく、米国へ投資されていた大量の金融マネーが国内に回帰したことです。こうして国内には過剰流動性(カネ余り)が発生し、それが国内の証券市場および不動産市場へ投資され、その結果、80年代後半の日本に史上空前の資産バブルが発生したということです。過剰流動性が不動産バブルを引き起こすという現象は、2001年以降の米国でも現れ始めています。

ブリオン・バンク

特に欧米の大手銀行で、金を含めた貴金属取引を幅広く行う部署を持つ銀行を、金市場のサイドから、ブリオン・バン ク(Bullion Bank)と呼んでいます。 欧米の金融の世界では、金は、ドルやユーロなどと同様に通貨のひとつと考えられています。金は、もともと通貨そのものでしたから、当然かも知れません。そのために欧米にはこのブリオン・バンクが多数存在します。 日本においても、1978年の金自由化以来、多くの銀行で金地金や金貨といった金現物を取り扱っています。ただし日本の場合には、銀行法によって貴金属取 引の範囲が限定されていることから、欧米に見られるようなブリオン・バンクは存在しません。その役割はおもに大手商社が果たしているのが実情です。 国際的な金現物取引における指標価格は、毎日午前と午後の2回、ロンドン金市場においてフィキシング(値決め)されていますが、このフィキシング業務に当っているのもブリオン・バンクと呼ばれる銀行です。2007年現在のフィキシング・メンバーは、スコシア・モカッタ、バークレイ銀行、ドイツ銀行、 HSBC、ソシエテ・ジェネラルの5社となっています。

分散投資

いくつか性格の異なる対象に資産を分散することを、一般に分散投資と呼びます。この方法が推奨される理由は、保有資産対象を分散しておくことで、仮に一つ の資産が値下がり、または目減りしたとしても、他の資産でリスクをカバーできるだろうという考え方に基づいています。ただし、分散するといっても、性格の 異なる対象を選ぶことが鉄則です。これは対象分散投資とでもいうべきものです。 分散投資にはもうひとつあります。それは時間を分散することで、時間分散投資と呼ばれます。株式、債券、金などの商品には値動きがありますが、一時期にま とめて投資をすると、結果的に高値づかみをする可能性があります。ところが、投資する時期をずらしながら投資を続けると、価格変動リスクを抑え、購入単価 を平均化できるというメリットがあります。金現物投資には適した方法として、改めて注目されています。この考え方を徹底した方法にドルコスト平均法があ り、金商品では純金積立に利用されています。

ヘッジ

ヘッジというと、最近ではヘッジファンドを思い浮かべる向きが多いようです。国際金融システムを揺るがす諸悪の根源のように考えられ、そのためにヘッジそ のものがリスキーな取引であるかのように誤解されているフシがあります。しかし本来のヘッジとは、将来被り得るリスクを回避または最小化するための取引 (保険つなぎ)行為を指しています。 弊社のような金製錬会社が行なうヘッジ行為を、具体例をまじえてご紹介しましょう。たとえば本日、金製錬会社が顧客から金地金の注文を受けたとします(こ れは現物取引ですから金価格はこの時点では確定せず、現物を渡す1ヶ月後に確定します)。同社は注文の金地金を製錬するために、金鉱山会社から本日の金価 格(仮に1,000円/gとします)をベースに「金の原料(鉱石)」を購入します。ところが、本日の金価格と1ヶ月後の金価格は必ずしも同じではありませ んから、期間差による価格リスクを回避できなければ事業が成り立ちません。そこで、原料の購入と同時に貴金属ディーラーに対して1ヶ月後にでき上がる金地 金を同価格・同数量にて渡す先物売りを行ないます。この行為をヘッジと呼ぶのです。ただし、これだけでは肝心の取引は手仕舞われておらず、金地金が実際に でき上がった1ヶ月後に、取引は次のように完結します。

でき上がった金地金は、その時点で注文をいただいた顧客へ販売されます。金価格が仮に800円/gになっていた場合には、-200円/gの損失。

矢印

しかし同時に、1ヶ月前に1,000円/gで先物売りを行なった貴金属ディーラーに対して「反対売買(差金決済)」を行ないます。ここで+200円/gの利益が発生。

矢印

これで取引はすべて手仕舞われ、損失と利益は相殺されるのです。

仮に、1ヶ月後の金価格が1,200円/gになっていた場合には、顧客への販売で+200円/g、貴金属ディーラーに対する反対売買で-200円/gとなり、利益と損失は相殺されます。この場合には、ヘッジしなければ良かったことになりますが、金製錬会社は価格差で一獲千金を狙う事業を行なっている訳ではありませんから、リスク回避を第一に考えてこのようなヘッジ取引をつねに行なっているのです。

ホットマネー

巨額の運用資金を有するファンド(ヘッジファンドや年金基金など)のなかで、短期間のうちに利益を稼ぎ出すべく、株式、債券、通貨、商品といった国際金融 市場を動き回る投機的な短期資金のことを、海外ではホットマネー(hot money)と呼んでいます。 とくに2000年以降、大量の通貨供給が生み出した「過剰流動性」(カネ余り現象)を背景に、ホットマネーは急速に膨れ上がっていると見られます。振り返ってみればITバブル崩壊、米国同時多発テロ、イラク戦争、イラク復興対策と、2000年以降さまざまな政治的経済的なイベントが相次いでいますが、そ の都度、景気浮揚目的あるいは不良債権問題による経済ショック緩和のために、各国中央銀行では金融緩和を長期に渡って実施し、大量の通貨が市中に供給されてきました。またさらに、経済成長著しいアジア諸国などでは、自国通貨安を望んで大量の自国通貨売りを実施し続けてきましたから、過剰流動性に拍車がか かっている状況です。これをもって「通貨の堕落」と呼ぶ人もいます。 いずれにしても、「安定から波乱へ」と時代のトレンドが転換した21世紀初頭において、国際金融市場はきわめて不安定化しており、その結果、将来の信用リスクやインフレリスク増大に対するヘッジとして、「金」などの実物資産に注目が集まっています。

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ポートフォリオ

もともと紙挟みとか、携帯用の書類入れ、あるいはカバンを意味する言葉。それが転じて、現在では「保有する金融資産の集合または組み合わせ」のことを指して 使われるようになりました。金融資産にはさまざまな種類のものがありますが、銀行預金ですら安全とは言えなくなった昨今、100%安全で有利な資産はない と言って良いでしょう。そこで注目されるようになったのがリスク分散でありポートフォリオ運用です。ちなみに効果的な分散方法は、「違う性格、違う値動き をする複数の金融商品に分けること」とされます。さらに「異なる国や地域に分けること」も大切とされます。そういう観点から、多くの金融資産とは異なる値 動きをする傾向を持つ金に注目が集まりやすくなっています。

無債務性

資産として金の価値を考える上で、もっとも重要なキーワードです。 株式、債券、預貯金、生命保険など、一般に保有されている金融資産の価値は、「発行体の信用」の上に成り立っているペーパー資産です。つまりこれらの資産 は、発行側にとっての債務であり、消費者にとっての債権であると言うことができます。株式や債券に証券があり、預貯金に通帳があり、生命保険に証書がある ことが何よりの証明です。 これに対して、金の場合はそのもの自体に価値がある実物資産であるために、誰の信用の裏付けも必要としません。発行体を持たず、信用リスクとまったく無縁 な資産ですから、無価値になることがありません。国際的な有事や通貨不安、さらには経済不安や金融不安などが起きる度に、かならず金に注目が集まるのは、 こうした事情が背景にあるからです。この「無債務性」という金の持つ価値は、今後ますますクローズアップされることが予想されます。

ユーロ

EU(欧州連合)域内の統一通貨のこと。欧州の経済統合は、1950年代から幾多のプロセスを経て進められてきました。そして、1998年6月にECB(欧州中央銀行)が業務開始、1999年1月にEU域内通貨統合、2002年1月にユーロ貨幣の市中流通がスタート。旧通貨とユーロ通貨との切り替えも順調に進み、同年3月末をもって通貨統合は完了となりました。2009年1月の段階で単一通貨ユーロを導入しているのは、EU加盟27カ国のうちの16カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、オーストリア、フィンランド、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、ルクセンブルグ、スロベニア、キプロス、マルタ、スロバキア)です。発行量で米ドルを抜いた巨大な通貨ユーロは、基軸通貨のドル一極集中体制を、事実上の基軸通貨の二極化へシフトさせました。

利食い売り

プロのディーラーの心得のひとつに、「噂で買ってニュースで売れ」という言葉があります。彼らは、対象とする商品が為替であろうと金であろうと、値上がりが 見込まれる場合は誰よりも早く買い、値上がり確実のニュースが出て買いの参加者が多数になる頃にはいち早く売って利益を確定させるという習性を持っていま す。彼らの目的は、一般投資家と異なり資産保全を目的にドルや金を買っているわけではなく、あくまでも利鞘を稼ぐことだからです。しかも彼らは短期間で成 績を判断される立場にあります。「投機筋の利食い売りが入った」とか「投機筋から利益確定の売りが出た」という言葉は、このようなことを意味しています。 該当商品の価格が長期的に上昇トレンドにあると思われる時に、なぜ投機筋の売りが出るのか理解に苦しむ場面があるでしょうが、それはこうした事情によりま す。一般個人が資産保全を目的に金を買う場合には、このようなプロの動きに惑わされず、あくまでも長期保有を原則とすべきでしょう。

ロコ・ロンドン

金現物取引において最も頻繁に使われる用語です。“ロコ”とは貿易条件で「現場渡し価格」(運賃や保険料等を一切含まない価格)を意味しています。“ロン ドン”は金現物取引の歴史において中心的役割を担ってきた、英国のロンドン金市場を意味しています。もちろん取引所のような具体的な建物を意味している訳 ではありません。 金現物取引において「ロコ・ロンドン」という時は、「金現物の受渡場所をロンドンにすることを条件とした場合の金取引価格」を指しています。実際にロンド ンにおいて金現物の受渡しを行なうことを意味している訳ではなく、あくまでも「運賃や保険料等を一切含まないネットの金取引価格」の総称として使われてい ます。 ではロコ・ロンドンは英国通貨ポンドで表示されているのかと言えばそうではなく、「280ドル/oz」という具合に金1トロイオンス当たりの米ドル建てで 表わされます。釈然としないものを感じる向きもあるでしょうが、第2次大戦後のIMF体制下において、国際金価格の表示は米ドル建てが標準となっているか らです。 ところで、ロコ・東京(東京渡し価格)、ロコ・チューリッヒ(チューリッヒ渡し価格)、ロコ・ニューヨーク(ニューヨーク渡し価格)という言葉もありま す。この場合の価格は、ロコ・ロンドンをベースにしてそれぞれ運賃や保険料等のコストが加えられたものとなっています。

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ワールド・ゴールド・カウンシル

1987年に世界の主要金鉱山会社40社がメンバーとなって設立された非営利組織。現在は、英国に本社をおき、主要17ヶ国に拠点を構えて、グローバルな 視野から金に関する調査研究、規制の撤廃や物流システムの改善支援、さらに世界各国の公的機関における金準備の役割増進などの活動を行なっています。 身近なところでは、金に関する正しい知識の普及、個人投資需要の促進、ゴールドジュエリーのトレンド分析やプロモーション支援、その他産業用途の開発支援などの活動も行なっており、きわめて重要な役割を担っています。 わが国では弊社三菱マテリアルがメンバーとして名を連ねております。なお、ワールド・ゴールド・カウンシルは金の売買に直接関わることは一切ありません。

BRICs

ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、そして中国(China)の頭文字を取った造語。2003年に米国の大手証券会社がこの造語を使用して以来、経済用語として定着しつつあります。 理由は、このブリックス(BRICs)と呼ばれる国々の経済成長は著しく、近い将来、世界の経済地図を大きく塗り替えることになるだろうと予測されているからに他なりません。さらにロシア、インド、中国は核保有国であり、ロシアと中国は国連安全保障常任理事国でもあることから、経済や金融にとどまらず、政治的、軍事的なパワーバランスにも大きな変化をもたらすであろうと見られており、このことが米国ドルの評価が長期的に下がりつつある背景の一つにもなって います。 この4カ国に共通して見られることは、国土が広く、人口が多く、産業を支える資源が豊かで、経済成長率が高いことです。なかでも中国の著しい経済成長の影 響は大きく、エネルギー需要や素材需要が今後ますます拡大することが予想され、将来のインフレの火種とも見る向きもあります。 ちなみに現在、その中国で金自由化が進展しており、国家レベル、国民レベル双方で金需要が高まりつつあります。2001年以降、国際金価格は底堅く長期上 昇トレンドを描いていますが、その要因の一つとして、この中国の経済成長と金自由化が挙げられています。

COMEX

COMEXとは、字義的にはCommodity Exchange(商品取引所)の省略形ですが、大文字で表記する場合は「ニューヨーク商品取引所」を指します。誤解を避けるためにニューヨーク COMEXまたはN.Y.COMEXと呼ぶ場合もあります。 この世界最大の商品取引所であるCOMEXに上場している貴金属に、「金」があります。いわゆる「ニューヨーク金市場」とは、このCOMEXにおける金取引の総称と捉えて差し支えないでしょう。 ところで「金市場」には、他の商品市場と同様に「現物市場」と「先物市場」があります。欧州やアジア地域の金市場では現物取引が中心になっているのに対し て、COMEXにおける金取引はドル建てで行われる先物取引があきらかに市場をリードしているところに大きな特徴があります。 先物市場での取引は、必ずしも現物の受け渡しを伴う必要がなく、反対売買によって(差金決済によって)手仕舞うことができるため、コストや便利さ等の面で メリットがあります。そのためCOMEXは、鉱山会社のヘッジやファンド筋等の投機が活動の中心となっており、取引高も桁違いに多く、流動性も高いことに 大きな特徴があります。 つまりそれだけCOMEXの動向が世界の金市場に与える影響が大きいとも言えます。その意味で、COMEXの動向は、良くも悪くも市場関係者にとって目が 離せないところとなっています。

CPI

Consumer Price Indexの頭文字を取ったもので、消費者物価指数のことです。消費者が購入する商品・サービスの価格変動を測るもので、卸売物価指数(Producer Price Index)とならんで重要な物価指標です。米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、このふたつの指標の上昇率を景気動向の重要な判断材料にしてい ることから、米国の金利とも密接な関係にあります。為替相場にも影響を与えうる先行指標と位置づけることもできます。なお、米国では、エネルギーと食品の 価格を除いた消費者物価指数のことを、コア物価指数と呼びます。エネルギーと食品の価格は短期的に大きく変動する傾向があるためです。中長期の傾向を見る 上ではコア物価指数も重要視されています。

ECB

欧州中央銀行のこと。European Central Bankの頭文字をとって、ECBと呼び習わしています。ドイツのフランクフルトに本部を置いて、1998年6月に業務を開始。1999年1月には域内通貨をユーロに統合し、EU(欧州連合)全体の中央銀行として統一的な金融政策を行うと共に、EU各国の中央銀行各行はECBの方針に基づいて諸政策の実施運営にあたっています。その金融政策の第一の課題は、EU域内の物価安定にあるようです。なお、ユーロの通貨価値の裏付けとして、ECBは金を保有することが定められており、その比率は準備資産の15%となっています。ちなみに、EU加盟国は、2009年1月の段階で、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギー、スウェーデン、オーストリア、 デンマーク、フィンランド、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、ルクセンブルグ、チェコ、エストニア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ハンガリー、マルタ、ポーランド、スロベニア、スロバキア、ルーマニア、ブルガリアの27カ国となっています。

FOMC(米連邦公開市場委員会)

米国の連邦準備制度理事会(FRB)のもとで、短期金利政策や公開市場操作(通貨供給量の調整等)を担当する委員会。Federal Open Market Committeeの頭文字をとってFOMCと呼び習わしています。この委員会のメンバーは、FRBの理事7名、ニューヨーク連邦準備銀行(FRBN)の 総裁1名、その他11の連邦準備銀行総裁から選ばれる4名の合計12名で構成されています。ちなみにFOMC議長は、FRBの理事会議長が兼任していま す。 FOMCの会議は、年に8回、ほぼ6週間に1回の割合でワシントンにおいて開催され、その都度、短期金利政策に変更があるかないかを巡って各方面から強い 関心が集まります。そのうち2月と7月の会議では、大局的な見地から経済目標設定等(経済見通しや通貨供給量の見通し等)について検討が行なわれます。2 月の会議ではその年の目標設定等について、7月の会議では目標設定の修正等について議論されるようです。 この2月と7月の定例会議の後にはFRB議長が経済目標を議会に提出して証言を行なうことになっています。この議会証言は、FRBが経済実勢をどう見てい るのか、また今後どのような方針で舵取りをするのか、世界中の注目が集まるイベントのひとつとなっています。

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FRB

Federal Reserve Bank(米国の連邦準備銀行)を指す場合もありますが、とくに断りがない限り一般的には、Federal Reserve Board(米国の連邦準備制度理事会)を指します。頭文字を取ってFRB(エフ・アール・ビー)と呼び習わされています。 FRBすなわち米国の連邦準備制度理事会は、米国大統領が任命する理事7名で構成されています。その位置づけを一言で表現すれば、「米国の連邦準備銀行(中央銀行)の業務を統括する最高意思決定機関」ということになります。 近年我が国のマスメディアにも頻繁に登場するようになったFRB議長とは、すなわち理事会のリーダーであると同時に、米国の中央銀行総裁に相当する役職で もあります。そのためにFRBの意思決定あるいはFRB議長の公式発言は重要な意味を持ち、米国のみならず世界各国の政府関係者、金融市場関係者、さらに マスメディアがつねにウォッチするところとなっています。 現在のFRB議長は、ベン・バーナンキ氏(2006年2月就任)。初の戦後生まれの議長です。ちなみに前任者は、1987年8月から18年6ヶ月もの間そ の職にあったアラン・グリーンスパン氏。その大胆かつ慎重な金融運営手腕から、米国内はもちろん世界的にも「金融の神様」と高く評価されていました。その グリーンスパン氏の金に関する語録に、「金は究極の支払手段である。金は誰によっても受け入れられる。危機に際しても金ならいつでも受け入れられる。」と いうのがあります。これは米国議会における公式発言であることから、「米国は国家として金を保有し続ける。」という明確な意思表明として認識されています。

GFMS

国際貴金属マーケットに関する調査分析を専門とする、世界で最も信頼の厚いコンサルタント会社。正式社名GOLD FIELDS MINERAL SERVICES LTD(ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ社)の頭文字をとって、GFMSと呼び習わされています。 同社は、金の調査報告書を毎年発行していることで知られています。同報告書は、もともとCGF(コンソリテッド・ゴールド・フィールズ)社によって 1967年以来毎年発行されていたものですが、発行が危ぶまれる事態に陥った1989年に、ザ・ゴールド・フィールズ・グループによってGFMS社が設立 され、同社によって引継がれ今日に至っているものです。 同報告書の調査分析は、専門家を世界各国に派遣し、金現物の関係者に直接取材するという地道な活動をベースに行なわれていることから、「金のバイブル」とも称され、金関係者はもちろん各方面からの支持を受けています。 ちなみに同社は現在では、国際金市場だけでなく国際銀市場に関しても最も信頼のある情報源として広く認められるところとなっています。

IMF

国際通貨基金のこと。International Monetary Fundの頭文字をとってIMFと呼び習わしています。1944年7月に米国のブレトン・ウッズで開催された連合国通貨金融会議で採択されたIMF協定に 基づいて、翌1945年12月に発足しました。発足当時と現在とでは、国際通貨制度が変容していること(固定相場制から変動相場制への変容)、国際金融市 場の規模が比較にならないくらい拡大していることなどから、その役割も変遷しています。当初担っていた「通貨の番人」としての役割は低下しつつある一方、 現在は発展途上国等向けの融資や経済構造改革の推進、新興工業国などで突発的に発生する通貨・金融不安の解決といった役割が大きくなっています。 ところで、IMFは現在3,200トン強の金を保有しています。これは各国中央銀行を含めた公的機関の金保有量としては、米国の8,100トン強、ドイツの3,400トン強に次いで3番目です。金はIMFにとっても重要な準備資産であることが分かります。

WTO

世界貿易機構(World Trade Organization)の略称。国際的な物品の貿易、サービス貿易、知的所有権の貿易関連事項などを対象に、世界的なルールの実施運用を扱う唯一の国 際機関。関税その他の貿易障壁を軽減し、貿易が可能な限り円滑に行なわれることを目指すものです。このWTOで定められた協定は、世界の大多数の貿易国に より交渉され、署名され、各国の国会で批准されたもので、国際的な商取引の法的な基本ルールです。ちなみに2001年に中国がWTO協定に署名し、その流 れにそって金自由化プログラムが始動しています。

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