ライフサイクルアセスメント

鉄道トロリ線の環境負荷評価

トロリ線はパンタグラフと直接接触し集電を行っています。今後の列車の高速化に対応するためには高い材料強度が要求されます。当社が開発した PHC(Precipitation Hardening Copper:析出強化銅)トロリ線はCu-0.35%Cr-0.10%Zr-0.03%Siを基本組成とする析出強化型銅合金であり、高強度と高導電率を両立させた製品です。これは、従来のトロリ線に比べ優れた耐摩耗性(長寿命性)を有するとともに、優れたリサイクル性を有しています。今後は従来の製品特性に加えてこのような環境面での特性が重視されることが予想されることから、PHCトロリ線と従来の高強度トロリ線製品について、環境負荷(CO2排出量、エネルギー消費量)の評価を行いました。評価は素材製造、製品製造、使用(保守・張替)、廃棄・リサイクル段階について実施しました。

図は、断面積170mm2のトロリ線についての評価結果です。評価結果は、PHCトロリ線を1回使用する期間におけるトロリ線単位長さ(1m)を基準として求めたものです。グラフより、PHCトロリ線のCO2排出量、エネルギー消費量とも、約30%低減されることが分かります。これは、PHCトロリ線の方が従来製品より寿命が長いことから(3〜4倍)、従来トロリ線の場合は張替が必要となり、これに伴って製造段階及び保守・張替段階での環境負荷量が大きくなることが要因となっています。このような製品特性を反映して、PHCトロリ線の方がライフサイクルでの環境負荷量が低減される結果となっています。

トロリ線の環境負荷評価結果
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