プレスリリース

2019年4月16日

モバイルタイプの小型決済端末向けマルチバンドアンテナを開発

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:小野 直樹、資本金:1,194億円)は、セルラー通信※1(LTE/3G)を使用するIoT端末向けに小型高性能のマルチバンド※2アンテナ(以下「新製品」)を開発しましたので、お知らせします。

近年、キャッシュレス化が進む中、決済端末は複数の決済方式に対応する必要があり、通信機能のみならず、液晶パネルをはじめカードリーダーや非接触読み取りなど数多くの機能が搭載されております。特に小型端末内の空間は狭く、それぞれの機能部分が近接して配置されるため、各々が動作する際に発生する輻射ノイズが無線通信性能を大きく低下させるという課題がありました。

このたび当社は、株式会社フライトシステムコンサルティング(代表取締役社長:片山 圭一朗、資本金:1億円)と連携して輻射ノイズの影響が少ない形状と最適配置を実現する新製品を開発しました。この最適化された新製品は、同社が得意とするマルチ決済端末の新モデル「Incredist Trinity(インクレディスト・トリニティ)」のモバイルタイプに搭載され、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて接触/非接触ICクレジットカードや各種電子マネーなど国内外の多種多様な決済を通信面でサポートするものです。

当社は、今後もお客様のニーズにあったアンテナ設計を支援するとともに、当社が保有する以下の専用設備や技術を活用して評価・解析し、お客様の製品構造や部品レイアウト、設置環境等の条件を最適化する無線通信環境をご提案してまいります。

  • 3D CAD等の設計データを利用した電磁界シミュレーションの実施
  • 電波暗室による2D/3D放射パターン評価
  • リバブレーション・チャンバ※3による放射効率測定
  • TRP/TIS評価設備によるセルラー帯アクティブ測定※4評価と解析
    (セルラーIoT規格:NB-IoT※5、Cat M1※6も評価可能)

当社グループは、長期経営方針において、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」となることを目指しております。今後もユニークな電子材料製品とこれに関連するサービスをスピーディーにお客様に提供することにより、社会に貢献してまいります。

※1.
セルラー通信
主にデジタル携帯電話サービスに用いられている通信。
※2.
マルチバンド
複数の周波数帯に対応していること。
※3.
リバブレーション・チャンバ
再現性のある実反射環境をつくることができる試験室。
アンテナ性能(放射効率)の試験と測定を高速に行い、通信問題の改善に利用。
※4.
セルラー帯アクティブ測定(TRP/TIS)
アンテナ効率を評価する重要な指標の測定。TRP(Total Radiated Power)は全放射電力、TIS(Total Isotropic Sensitivity)は全等方感度のこと。
※5.
NB-IoT (=Narrow Band IoT)
LPWA(Low Power, Wide Area)というIoT向けの無線通信技術の一つ。
高速のデータ通信を必要としないIoT向けのセルラー通信(LTE)のこと。
※6.
Cat M1 (= LTE Cat.M1)
NB-IoT※5同様にセルラー通信(LTE)を使用したIoT向けの無線通信技術の一つ。
【マルチバンドアンテナ(標準品)】
【マルチバンドアンテナ(標準品)】 (画像をクリックして拡大イメージを表示)
【新製品が搭載されたモバイルタイプのマルチ決済端末「Incredist Trinity」】
【新製品が搭載されたモバイルタイプのマルチ決済端末「Incredist Trinity」】 (画像をクリックして拡大イメージを表示)

以上

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