プレスリリース

2018年12月 3日

アルミワイヤーハーネスのコネクター端子用防食めっき技術を開発

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:小野 直樹、資本金:1,194億円)は、連結子会社である三菱伸銅株式会社(取締役社長:堀 和雅、資本金87億円、以下「三菱伸銅」)と共同で、自動車の軽量化への貢献が期待されているアルミワイヤーハーネス※1のコネクター端子用防食めっき技術を開発しましたので、お知らせいたします。

近年、燃費向上によるCO2削減を目的として自動車の軽量化が強く求められ、その実現に向けて自動車のワイヤーハーネスのアルミニウム(以下、アルミ)化が注目されています。アルミワイヤーハーネスは、銅合金製のコネクター端子とアルミ電線で構成されますが、その接続箇所にガルバニック腐食※2が発生して接続信頼性が低下するという問題点がありました。銅合金端子とアルミ電線の間で発生する腐食の防止処理は、製造コストが大きくかさむとともに、銅合金端子の小型化の阻害要因にもなるため、ワイヤーハーネスのアルミ化を進める上での大きな課題となっていました。

このたび当社と三菱伸銅は両社の技術を応用することにより、銅合金端子の表面処理に広く用いられている錫めっきの中に、新たに亜鉛(Zn)を添加してガルバニック腐食の進行を大幅に抑制する防食めっき技術を開発しました。従来技術と比べて製造コストの面でも優位性が期待できます。

今般開発した防食めっき技術では、アルミに近い腐食電位※3を持つ亜鉛と、従来から銅合金端子の表面処理に用いられている錫(Sn)を積層し、錫めっき表面に亜鉛を拡散させためっき構成となっています(図1)。錫めっき表面の腐食電位をアルミのもつ電位に近接させ、銅合金端子とアルミ電線との間の腐食電位差を制御してガルバニック電流を長時間にわたって大幅に抑制できます(図2)。さらに、銅合金端子の防食めっきは従来から錫が主成分であることから、これまでの錫めっきと同等の電気的接続信頼性も確保しています。また、各種銅合金に適用できる技術です。

今般開発した防食めっき技術は、2018年12月5日~7日に幕張メッセで開催される「第5回高機能金属展」に出展予定です。

当社グループは、長期経営方針において、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」となることを目指しております。今後も独自の技術を活かした製品開発により、社会に貢献してまいります。

※1.
アルミワイヤーハーネス:
電線にアルミ線を採用したワイヤーハーネス。アルミ電線は従来から用いられている銅線よりも軽いため、約4割の重量削減が可能。端子には銅合金が用いられる。
※2.
ガルバニック腐食:
異種の金属が電解質溶液を介して接触したとき、各金属の腐食電位の違いを駆動力としてガルバニック電流が流れ、金属が腐食される現象。
※3.
電位、電位差:
電位は金属のガルバニック腐食の原因となるエネルギー。電位差はそのエネルギーの差。
図1 防食めっきの基本層構成 図1 防食めっきの基本層構成 (画像をクリックして拡大イメージを表示)
図2 アルミ電線と各種金属の間に流れるガルバニック電流測定結果 図2 アルミ電線と各種金属の間に流れるガルバニック電流測定結果 (画像をクリックして拡大イメージを表示)

※従来のアルミワイヤーハーネスでは、銅(Cu)と錫(Sn)ではアルミ電線との間にガルバニック電流が流れているが、新しい防食めっき技術により電流が大幅に抑制されている。

図3 アルミ電線と接続した防食めっきコネクター端子 図3 アルミ電線と接続した防食めっきコネクター端子 (画像をクリックして拡大イメージを表示)

<第5回高機能金属展 WEBサイト>
http://www.metal-japan.jp/

以上

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