プレスリリース

2018年7月25日

拡散防止膜用W-Tiスパッタリングターゲットを開発、7月から量産開始

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:小野 直樹、資本金:1,194億円)の電子材料事業カンパニーは、半導体ファインピッチプロセスに対応した拡散防止膜用W-Ti(タングステン-チタン)スパッタリングターゲットを開発し、7月から量産を開始しましたので、お知らせいたします。

半導体チップを電子基板に実装する際には、Al(アルミニウム)或いはCu(銅)の下地電極上にAu(金)バンプという数十µm(マイクロメートル)の球状の電極を形成します(下記「接合断面図」参照)。しかし、プリント基板が高温下で使用される機会が増えることに伴い、下地電極とAuバンプの元素の相互拡散による電気抵抗の上昇や密着性の低下のおそれがあるため、通常は下地電極とAuバンプの間にW-Tiスパッタリングターゲットにより形成した拡散防止膜(W-Ti膜)を用いて元素の相互拡散を防止します。拡散防止膜のAuバンプを設置する以外の部分はエッチングにより除去しますが、これまでの拡散防止膜ではエッチングレート(エッチングの際に拡散防止膜が溶ける速さ)が遅く、更にその制御が難しいため、半導体素子実装工程における生産効率の向上と半導体ファインピッチプロセスに対応できるエッチングレートの制御がユーザーより求められてきました。

こうしたユーザーのニーズに応えるため、当社は長年にわたり蓄積してきたスパッタリングターゲットの金属組成の設計ノウハウと制御の開発経験をさらに磨き上げてまいりました。その結果、生成された拡散防止膜のエッチングレートを当社従来品より最大で約60%向上させた上、その範囲でエッチングレートをお客様のニーズに応じた速さに自由に制御することに成功しました。

昨今はスマートフォン等の高機能化により、大規模情報通信が可能な半導体が必要となっているため、半導体チップの電極間隔が非常に狭い配線、すなわちファインピッチでの接合が増えております。今般のW-Tiスパッタリングターゲットの開発は、こうした半導体ファインピッチプロセスへの対応を可能にすると同時に、半導体素子実装工程の生産効率の向上にも寄与してまいります。

当社は、ビジョンの中で「ユニークな技術により、人と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」となることを掲げております。当社電子材料事業カンパニーは、今後も市場ニーズを先取りしたユニークで優れた電子材料製品とそのソリューションの提供を通じて、社会に貢献してまいります。

※エッチング
化学薬品などの腐食作用を利用した塑形ないし表面加工の技法。
拡散防止膜用W-Tiターゲット 拡散防止膜用W-Tiターゲット (画像をクリックして拡大イメージを表示)
接合断面図 接合断面図 (画像をクリックして拡大イメージを表示)

以上

このページの先頭へ戻る

このページの先頭へ戻る