2014年6月30日
三菱マテリアル株式会社(取締役社長:矢尾 宏、資本金1,194億円)の金属事業カンパニーは、銅製錬におけるリサイクル事業の主要原料である廃家電・廃電子機器中の基板類を破砕した金銀滓(E-Scrap)について、集荷体制を増強するため2014年7月1日付にて米国カリフォルニア州ロサンゼルスの米国三菱マテリアル社内に金銀滓(E-Scrap)リサイクル事業部門を新設いたしますので、お知らせいたします。
近年、世界的な環境保護意識の高まりから、欧州における廃電気電子機器指令( WEEE: Waste Electrical and Electronic Equipment Directive)などに見られるように廃家電・廃電子機器のリサイクル率は世界的にも今後さらに向上していく傾向にあります。限られた資源の有効活用や環境保護を図る上で、これら廃家電・廃電子機器を中心とした都市鉱山への取り組みは、今後さらに重要になっていきます。
当社の金属事業カンパニーは、金銀滓(E-Scrap)を処理することで有価金属の回収・再資源化を図る循環型社会の構築に積極的に取り組んでおり、近年では国内のみならず欧米諸国を中心に海外からの受入量を拡大しております。
特に北米地域は、廃基板等の集荷から破砕・選別などの処理を行うリサイクル業者が多数存在する上、家電や電子機器メーカー、州政府を始めとした各種自治体も資源リサイクルを積極的に推進しており、今後当社が金銀滓(E-Scrap)集荷量の拡大を図る上で有望な市場であり、当社における北米地域からの金銀滓(E-Scrap)輸入量も、2012年度で約12千トン、2013年度で約28千トンと堅調に推移しております。
今後、北米地域から金銀滓(E-Scrap)を継続的かつ安定的に集荷し、将来の集荷量増加に迅速に対応するためには米国拠点の開設が不可欠と判断し、米国で約30年の事業展開の実績をもつ当社の連結子会社米国三菱マテリアル社内に、このたび金銀滓(E-Scrap)リサイクル事業部門を新設することといたしました。
三菱マテリアルグループでは、「人と社会と地球のために」の企業理念のもと、2020年代初頭に向けた長期経営方針において、「ユニークな技術により、地球に新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するNo.1企業集団」となることを目指しております。
その実現のための中期経営計画Materials Premium 2016において、全社成長戦略として、「成長基盤の強化」、「グローバル競争力の強化」及び「循環型ビジネスモデルの追求」を掲げておりますが、この中期経営計画のもと金属事業カンパニーは、金銀滓処理量世界No.1を目指し、更なる金銀滓の処理を通じ、資源の有効活用を図る循環型ビジネスモデルを追求することで、持続的発展が可能な社会の構築に貢献してまいります。
写真:回収している金銀滓(E-Scrap)の例
以上