三菱マテリアル

プレスリリース

2013年2月18日

プラズマ処理による注射針の低痛化処理装置の開発について

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:矢尾 宏、資本金:1,194億円)の連結子会社である菱光産業株式会社は、このたび東京大学(工学系研究科 中尾教授)および永田精機株式会社技術研究所(新潟県燕市)と共同で、世界ではじめてプラズマを使用した注射針の低痛化処理装置を開発しましたので、お知らせいたします。

注射針の低痛化に関しては、インスリンや人工透析など、同じ患者が長期に亘り継続的に注射での投薬を行うため、痛みの軽減が求められており、医療現場での喫緊の課題のひとつとして、これまでさまざまな技術改良が行われてきました。この痛みを軽減する技術改良の一例として、針の径を可能な限り細くする手法がありますが、針を細くし過ぎれば折損の危険性があり、内部を薬液がスムーズに通過しないケースもあります。これ以外の低痛化対策としては、針へのシリコーン塗布がありますが、シリコーンによるアレルギー発症も長年議論されており、早期の低痛化対策が医療現場の共通課題となっていました。
加えて、これまで静脈針や経皮針、透析用針などは、そのほとんどを砥石研磨のあと、電解研磨により先端を鋭利化してきました。しかしながら、電解研磨では形状変更に限界があり、十分な低痛化が図れていませんでした。

今回共同開発した低痛化処理装置では、砥石研磨後にプラズマ処理工程を取り入れたもので、外径の太い針も針先端を凹状に先鋭化できるなど、針先の大幅な形状変更(先鋭化)が可能となり、従来の方法では加工が困難であった形状を実現したものとなります。この結果、電解研磨法の針に比べ刺通抵抗は45%程度低下し、またシリコーンを塗布した状態と比較しても20%程度の低痛効果が確認されています。

菱光産業(株)では、既に国内医療機器メーカーに向けプラズマ処理による注射針の低痛化処理装置の販売を始めておりますが、今後は医療分野に限らず、プラズマを用いてさまざまな分野の課題解決に向けて取り組んでまいります。

(ご参考1)プラズマ処理前の注射針プラズマ処理前の注射針

(ご参考2)プラズマ処理後の注射針プラズマ処理後の注射針

本件販売等に関するお問い合わせ:菱光産業(株)営業開発部 03-3660-1748

以上

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