お知らせ

2016年9月27日

「第39回公益社団法人日本金属学会技術開発賞」をダブル受賞

三菱マテリアル株式会社(取締役社長:竹内 章、資本金:1,194億円、以下「三菱マテリアル」)と三菱伸銅株式会社(取締役社長:堀 和雅、資本金:87億円、以下「三菱伸銅」)は、平成28年9月21日に大阪大学で開催された公益社団法人日本金属学会(以下「日本金属学会」)秋期講演大会の各賞授与式において、第39回技術開発賞をダブル受賞しましたので、お知らせいたします。

日本金属学会技術開発賞は、創意あふれる開発研究を推奨することを目的としており、金属工業に関する独創性に富む新技術・新製品の技術開発に優れた実績を収めた技術者に対して授与されるものです。
このたび受賞した技術開発業績は次の2件です。

  1. 強度と導電性に優れた車載端子用固溶型銅合金「MSP®5」の開発
     - 三菱マテリアル、三菱伸銅の2社共同研究
  2. 連続鋳造圧延法による高性能銅合金の開発
     - 三菱マテリアル、三菱伸銅、菱星尼崎電線株式会社の3社共同研究

<技術開発業績の内容>

  1. 強度と導電性に優れた車載端子用固溶型銅合金「MSP®5」の開発

    1)開発背景
    自動車の電装化が進み、コネクタに使われる車載端子も小型化、軽量化の要求が大きくなり、車載端子用銅合金板には更なる薄肉化のための高強度、高導電性のニーズが高まっている。さらに、高温環境下でも確実に電気信号を送るために、オス型端子とメス型端子間の嵌合接合力を保つ高い信頼性が必要であり、その指標である耐応力緩和特性に優れた銅合金が求められている。また、小型端子を成形する際に、厳しく複雑な曲げ加工を施すため、銅合金の曲げ加工性も重要となっている。このように、高強度、高導電性でありながら、耐応力緩和特性と曲げ加工性に優れた銅合金が求められている。
    2)開発材の特徴と効果
    合金設計手法として「高濃度Mg(マグネシウム)による固溶強化」に着目し、Mgを高濃度に固溶させ加工硬化させた銅合金が、高強度、高導電性、優れた耐応力緩和特性と曲げ加工性、低比重を有していることを見出し、特殊な製造工程や高価な合金元素を用いることなく優れた特性を発揮する、軽量な銅合金「MSP®5」の開発に成功した。MSP®5は固溶強化型銅合金でありながら、強度、導電性、耐応力緩和特性において、従来のコルソン合金等の析出強化型銅合金と比べても全く遜色がない。その上、端子成形での厳しい曲げ加工で割れにくく、同重量で約5%の体積増加を実現しているため、同重量で得られる端子個数が増えるなどコストパフォーマンスにも優れている。以上のように、従来にない合金設計コンセプトとMSP®5の卓越した材料性能が評価されたもの。「MSP®5」は、多種多様な電子・電気機器用の導体材料として幅広い展開が期待され、特に電装化が進む自動車の小型端子用途として量産採用が始まっている。

  2. 連続鋳造圧延法による高性能銅合金の開発

    1)開発背景
    近年環境保護の意識が高まり、環境への負荷を軽減する材料の開発が求められている。銅線材分野では、銅重量軽減の手段として自動車や電気機器に使用される配線の細径化が進み、細径化前と同等の強度を有する高強度銅合金や、耐屈曲性および耐摩耗性に優れた高性能銅合金線が求められるようになっている。通常このような銅合金線は、ビレット押出→伸線→熱処理→伸線、といった多くの工程を要し、生産性やコストに問題がある上、長尺化にも限界があることから、低コストで生産性の高い連続鋳造圧延装置による高性能銅合金線の製造技術開発を進めてきた。
    2)開発材の特徴と効果
    この度開発したROX®-CPは、世界で初めて連続鋳造圧延装置によって製造した無酸素ベースの銅合金線である。その組成はCu(銅)-Co(コバルト)-P(リン)系で、Cu-Cd(カドミウム)系やCu-Cr(クロム)-Zr(ジルコニウム)系などの銅合金と同等の高強度、高導電性を有している。更にCo-Pからなる析出物のサイズ調整により、高強度、高導電性に加え、耐摩耗性、耐熱性および耐屈曲性など、ユーザーの要求に応じた様々な特性を付加できる上、鉄道用トロリ線のような大径サイズから、ロボット用配線等の極細線まで、幅広いサイズへの対応を可能とした。ROX®-CPは自動車の組配線(ワイヤーハーネス)用として既に量産を開始しており、自動車の軽量化を通じて環境保護に貢献している。更に、同技術を用いてCr、Mg等の酸素親和性が極めて高い元素の合金化も可能としており、今後更なる拡販が期待される。

当社は、長期経営方針として「ユニークな技術により、地球に新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するNo.1 企業集団」を目指すことを掲げております。今後も研究開発の促進によって技術の維持・発展に努めることにより、社会のニーズに応える新たな製品を創造し、社会の持続的な発展に寄与してまいります。

※菱星尼崎電線株式会社は、三菱伸銅の100%子会社。取締役社長:山口 俊一郎、資本金:3千万円。

授賞式の様子 授賞式の様子
(画像をクリックして拡大イメージを表示)

以上

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