自然エネルギーの活用に向けた中長期的な取り組み

再生可能エネルギーの利用拡大に向けて ― 地熱・地中熱・水力・太陽光の活用 ―

東日本大震災を契機として、エネルギー問題への関心が高まっています。当社グループは100年以上にわたり、再生可能エネルギーに関わってきました。「循環型社会への一層の貢献を推進する」という長期経営方針のもと、国内の多様な自然エネルギーの活用を進めています。

多様な自然エネルギーの活用を強化

エネルギー事業部 事業部長 柴田周 資源・リサイクル事業本部
エネルギー事業部
事業部長
柴田周

当社の再生エネルギー関連事業の歴史は古く、1898年、そのルーツは尾去沢鉱山(秋田県鹿角市)への電力供給を目的として開始した永田水力発電所までさかのぼります。その後、鉱山事業で培った技術を活かして地熱開発に着手。1974年には、同地域で大沼地熱発電所の運転を開始しました。当社は地熱事業の分野において、地下調査の段階から設備建設、発電・運営・管理までを一貫して行うことができる高い技術力と豊富な経験を有しており、こうした技術・ノウハウは、グループ会社〈三菱マテリアルテクノ(株)〉の地中熱ヒートポンプシステム事業にも応用されています。
「資源循環型社会の構築」を企業理念に掲げる当社は、長期的な視点で自然エネルギーの利用を進めたいと考えています。地熱・水力事業において、発電所の更新や新規プロジェクトを進めて安定した収益を目指しているほか、2013年に参入した太陽光発電事業では国内3拠点で操業を開始し、新規拠点の調査も進めています。

当社が参画している再生可能エネルギー発電所位置図

当社が参画している再生可能エネルギー発電所位置図

再生可能エネルギーによるCO2削減量

再生可能エネルギーによるCO2削減量 ※ 最新の(財)電力中央研究所(2010)のデータを用いて再計算しています。

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地熱発電事業

貴重な資源を活かす、優れた技術

大沼地熱発電所大沼地熱発電所

傾斜堀削概念図

傾斜堀削概念図

多くの火山地帯では地下数kmの所に高温のマグマが存在し、膨大な熱エネルギーが蓄えられています。地熱発電とはこの熱エネルギーを蒸気として取り出し、電気を作る仕組みです。火山国日本の地熱資源量は世界第3位ですが、実際に発電に使われているのはわずか2%と言われています。地熱発電の1kWh当たりCO2排出量は13gと、石油火力に比べて700g以上少ないと試算されており〈(財)電力中央研究所(2010)〉、東日本大震災後は、特に利用拡大が期待されています。
地熱発電の建設を進めるためには、長期にわたる綿密な調査や設備投資、高度な開発技術を必要とします。当社は地下資源開発で培った調査技術を活かし、約50年にわたり開発・運営を進めてきました。現在は秋田県鹿角市八幡平地区に大沼地熱発電所(認可出力9,500kW:運転開始1974年)と澄川地熱発電所(認可出力50,000kW:運転開始1995年)の2ヵ所の地熱発電所(澄川は蒸気供給)の運営に参画し、クリーンなエネルギーを安定供給しています。
近年、固定価格買取制度や開発促進策の整備等、社会的要請は一段と高まっており、事業環境も好転の兆しを見せています。当社はこの機会を活かし、秋田県山葵沢地域、岩手県安比地域、北海道武佐岳地域等の新規地熱開発を進めています。

地域の方々とのコミュニケーションを大切に

地熱・電力部長 有木和春 資源・リサイクル事業本部
エネルギー事業部
地熱・電力部長
有木和春

地熱資源の開発には温度や地層、地熱流体(水)の量や性状などさまざまな必要条件があり、探査から操業まで約10年のリードタイムがかかります。現在環境影響評価期間の短縮について国が検討しており、当社としても進行中の山葵沢や安比等のプロジェクトでの早期事業化を目指しています。また、事業を円滑に進めていくためには、地元の温泉事業者の方々をはじめ、地域との相互信頼関係を育むことが非常に重要です。当社では、定期的に温泉モニタリングを行い、自治体や温泉事業者の方々への報告や技術協力を行っています。また、温泉への影響について審議する委員会の設置や、大沼地熱発電所の蒸気で造成した温水を給湯管理組合に提供するなど、地域への貢献とコミュニケーションにも力を入れています。

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地中熱ヒートポンプシステム

一貫対応で利用促進を図る

東京スカイツリーボアホール方式を施工した
東京スカイツリー

コイル型水平方式の熱交換器鉄道トンネル下床版に敷設した
コイル型水平方式の熱交換器

地熱と同じく、地中熱も再生可能な自然エネルギーです。昼夜、年間を通じてほぼ一定であり、外気温度との差を有する熱源として冷暖房や融雪に活用する地中熱ヒートポンプシステムは、省エネルギー効果、CO2削減効果に優れています。熱を外気に排出しないため、ヒートアイランド対策としても高く評価されています。
三菱マテリアルテクノ(株)は地熱発電における調査・掘削技術を活かし、地中熱ヒートポンプシステムの調査から設計、施工、メンテナンスまで一貫して提供しています。これまでに日本各地で施工実績を重ねており、東京スカイツリーや小田急電鉄複々線化事業等でも同社のシステムが採用されています。小田急複々線化事業では、従来の冷暖房システムと比べて年間CO2排出量の32%、及び年間ランニングコストの33%を削減できる見込みです。

多様な施工方式を開発、普及を進める

ドリリング部長 杉山和稔 三菱マテリアルテクノ(株)
資源・環境・エネルギー事業部
ドリリング部長
杉山和稔

2009年度、東京スカイツリーの地区熱供給設備に当社の地中熱利用システムが採用されました。このことがきっかけで地中熱への注目が集まり、当社の知名度アップにも繋がりました。欧米や中国では地中熱の利用が進んでおり、日本でも今後普及が見込まれています。当社はボアホール方式、基礎杭方式、水平方式の3種の施工方式を開発しており、今後もコストダウン等、利用普及への取り組みを進めていきます。

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水力発電事業

歴史を受け継ぎ、次の世代へ

小又川第四水力発電所小又川第四水力発電所(秋田県)

太平湖太平湖(秋田県)

当社の自然エネルギー活用のルーツは水力発電事業にあります。1898年に秋田県鹿角市の米代川水系熊沢川で運転を開始した永田発電所は、当時同地域で稼働していた尾去沢鉱山の動力用電力を供給していました。その後、尾去沢鉱山の電力需要増加に伴い、米代川の碇発電所(1907年運転開始)を増強、更に大湯発電所と小又川に4ヵ所の発電所を建設し、自家用発電設備の増強を図ってきました。また、1962年以降は小又川系発電所から自家用送電線で秋田製錬所に送電していましたが、1999年の亜鉛製錬休止以後、電力会社に直接送電しています。
水が落下する時のエネルギーを使う水力発電は、CO2の排出量が少ないクリーンなエネルギーとして再注目されています。100年以上にわたり受け継いできた水力発電事業を次の世紀へと繋いでいくために、当社は既存設備の更新や発電所の新設等、地域に欠かせないエネルギー源として安定供給、操業に向けた取り組みを進めています。

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太陽光発電事業

遊休地を活かし、各地で展開

入釜太陽光発電所入釜太陽光発電所
(宮城県栗原市)

長い歴史と豊富な技術・ノウハウをもとに再生可能エネルギー事業に取り組んできた当社グループ。近年の社会的要請の高まりや、固定価格買取制度等の事業環境の変化を受けて、事業の更なる展開を進めています。
事業ラインナップの拡大と強化を図るために、2013年より、新たに当社グループの遊休地を活用した太陽光発電事業に着手しました。三菱UFJリース(株)との合弁事業として入釜、真壁、福井、鳥越の4ヵ所で発電サイトの建設を開始。敷地面積は合計約23万m2、発電設備容量は16.4MWです。うち真壁、福井は2013年12月に、鳥越は2014年4月に運転を始め、残りの入釜も2014年度中に運転開始の予定です。
発電した電力は所在する地域の電力会社に全量売電していますが、今後は当社グループの工場や周辺地域への供給等のビジネスモデルも検討しつつ、遊休地における新規拠点の調査を継続していきます。

福井太陽光発電所 福井太陽光発電所
(福井県福井市)

真壁太陽光発電所 真壁太陽光発電所
(茨城県桜川市)

秋田県鹿角市における再生可能エネルギー総認可出力の約7割を供給

秋田県鹿角市

秋田県鹿角市では、当社の関与している澄川・大沼地熱発電所(総認可出力59.5MW)及び鹿角系永田・碇・大湯発電所(総認可出力3.36MW)のほかに、10ヵ所の水力発電所(総認可出力 22.525MW)と1ヵ所の風力発電所(総認可出力7.65MW)が稼働しています。その合計認可出力は93.035MWに達し、市内全域(人口約37,000人)の需要を大きく超える電力量を発電しています。「永続地帯2013年版報告書」(千葉大学倉阪研究室&環境エネルギー政策研究所、2013)によると鹿角市の電力自給率は325.11%で、全国の市町村で20位に位置付けられており、当社は鹿角市の再生可能エネルギー総認可出力の約7割を供給しています。

* あくまで鹿角市内で発電された再生可能エネルギーによる電力量と同市内の需要量から求めた推計値であり、実際に全てが鹿角市で消費されているとするものではありません。

鹿角市内の当社発電所と認可出力

  発電所名 認可出力
地熱発電 東北電力 澄川地熱発電所 50.0MW
大沼地熱発電所 9.5MW
水力発電 永田発電所 0.6MW
碇発電所 1.8MW
大湯発電所 0.96MW

鹿角市の発電所における総認可出力と内訳

総認可出力の約70%を当社が供給

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