第5回 ステークホルダーミーティング

再生可能エネルギーの「これから」を考える
三菱マテリアルグループが本業で果たすべき役割について

社外有識者の方々との対話を通じ、いただいたご意見を長期的な視点でCSR活動に活かすことを目的に、2014年もステークホルダーミーティングを実施しました。第5回目となる今回は再生可能エネルギーをテーマに幅広く意見交換を行いました。

ミーティング風景

ミーティング風景

当社は「ステークホルダーコミュニケーションの推進」を重要課題(マテリアリティ)の一つに挙げ、ステークホルダーミーティングを開催しています。
第5回目となる今回は、東日本大震災後、社会的な注目と期待が高まる再生可能エネルギーに焦点を当てました。この分野に知見のある有識者をお招きし、当社の地熱発電事業、水力発電事業、メガソーラー事業、及び三菱マテリアルテクノ(株)の地中熱ヒートポンプ事業についてご説明しました。意見交換では、今後の課題や社会に果たすべき役割などをテーマに、貴重なご意見やご提言をいただきました。

特集:自然エネルギーの活用に向けた中長期的な取り組み

第5回ステークホルダーミーティングのテーマである「再生可能エネルギー」について、国内の多様な自然エネルギー活用に向けた具体的な取り組みについてご紹介しています。

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日程 2014年3月4日(火)13:00~16:00
開催場所 当社本社会議室(東京都千代田区)
三菱マテリアル
グループ参加者
竹内 章常務取締役(CSR担当)
近藤 比呂志常務執行役員(資源・リサイクル事業本部長)
柴田 周資源・リサイクル事業本部 エネルギー事業部 事業部長
有木 和春資源・リサイクル事業本部 エネルギー事業部 地熱・電力部長
松野 芳夫生産技術部 地球環境プロジェクト室長
林 年治経営戦略部門事業戦略部 部長補佐
柴田 芳彰三菱マテリアルテクノ(株) 資源・環境・エネルギー事業部長
杉山 和稔三菱マテリアルテクノ(株)資源・環境・エネルギー事業部ドリリング部長
島村 健司執行役員 総務部長
田本 俊典総務部 総務・CSR室長
※部署名・役名は開催当時のものです。
ファシリテーター 後藤 大介 氏(株)アイディアシップ 代表取締役

電力市場構造の変化を見据えた事業戦略や、地域社会とのコミュニケーションの深化を期待。

写真 株式会社大和総研
調査本部
主席研究員
河口真理子 氏

今後の日本の電力市場は「二階建て構造」へ移行していくと考えられます。「一階」は既存の大手電力会社による大規模発電事業、「二階」は地域分散型の小規模電力です。今後はこの複層化する市場を見据えた事業戦略が必要でしょう。
中国の大気や水の汚染問題は、無料とされてきた水や大気の重要性を再認識させますが、こうした自然の価値を「資本」として評価する取り組みが世界的に進んでいます。貴社の再生可能エネルギー事業も「自然の恵みをどう活かしているか」という視点で社会に向けて語ることにより、共感をより広く得られるのではないでしょうか。将来性を感じる地中熱ヒートポンプ技術についても、住宅メーカーとのアライアンス構築など、一般家庭へのマーケティングの工夫により、更なる展開を期待します。
再生可能エネルギー事業においては、地域と融和するためのコミュニケーション能力がますます重要になるでしょう。優れた技術であっても、地域に歓迎されなければ事業の継続発展は困難です。水力・地熱発電に長い歴史をもって取り組んでこられた貴社は、コンサルテーションの様々なノウハウを蓄積されています。それらをビジネスツールとして体系化することで、他の事業にも活用できるのではないかと考えます。

企業の持続可能性に欠かせない「持続部門」としての今後に期待。事業間の更なるシナジーも重要に。

写真 千葉大学大学院
法経学部総合政策学科
人文社会科学研究科
教授
倉阪秀史 氏

「ご当地電力」が流行語大賞2013にノミネートされたように、地域の電力を地域で賄いたいと考える人は確実に増えています。再生可能エネルギーや森林事業等、地域の自然にきちんと手を入れながらその恵みを引き出す生態系サービスは高収益を生む事業ではないかもしれませんが、私はこうした経済部門を「成長部門」と対をなす「持続部門」と呼んでおり、企業の持続可能性を考える際に欠かせない領域と考えています。貴社の水力発電所もルーツは鉱山の動力というご当地電力であることを考えると、こうした地産地消のエネルギー事業に関するノウハウには再注目の価値があるのではないでしょうか。
また、化石燃料フリーを目指す大きな流れの中で、地中熱ヒートポンプ技術は省エネの切り札として一層の事業展開が期待されます。利用促進に向けては、貴社の地熱発電技術と組み合わせての応用方法なども検討の余地があると思います。
エネルギーと資源リサイクルとは密接に関連しており、その両方を手がける貴社には、総合的な取り組みを期待しています。安定供給のための畜エネルギー技術の開発や、水力・地熱発電の海外展開による人材育成が進むことで、再生可能エネルギー事業の新たな可能性が見えてくるのではないでしょうか。

中長期的な収益性を見据え、地域とのWIN-WINな関係構築を。「熱の有効利用」が事業展開の鍵。

写真 独立行政法人
石油天然ガス・
金属鉱物資源機構(JOGMEC)
特命参与・地熱部長
中島英史 氏

FIT(固定価格買取)制度により、再生可能エネルギー市場は短期的に活況を呈していますが、水力・地熱発電事業に伝統的に取り組み、開発から発電まで行う企業は、電力会社以外には貴社しかありません。中長期的には、環境付加価値が発電単価に切り替わり内部経済化する時代となり、収益性が高まると考えられます。
そこで、今後は一層地域への配慮が求められるでしょう。地域の資源を使う以上、地域とのWIN-WINのビジネスモデルの構築が望ましいあり方です。技術ノウハウのコンサルティングなど、地域の要望に沿った形での貢献も検討の余地があるのではないでしょうか。
また、山林を活用したバイオマス発電を含め、エネルギーは「熱の有効利用」という観点で捉え直すことが重要です。エネルギー消費のうち熱利用の割合は非常に大きく、現状はその大半を化石燃料で賄っています。地中熱技術も、他の熱機器と組み合わせてのコストダウンや、他の事業とのシナジー創出が事業展開の鍵となるのではないかと考えます。
最後に、20年間発電所の新設がなかった地熱発電事業では、リソース不足が深刻な課題です。今後の海外展開を目指すうえでも、人材育成に力を入れていただきたいと思います。

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重要なご指摘として私たちが受け止めた点

写真 常務取締役
(現・取締役社長)
CSR担当
竹内章

写真 常務執行役員
資源・リサイクル
事業本部長
近藤比呂志

  • 震災後、地域発のエネルギーへの関心は高まっており、電力市場の構造に変化をもたらすことも考えられる。
    また、今後、環境付加価値が発電単価に置き換わり、再生可能エネルギーの採算性は改善が見込まれる。こうした推移を中長期的な視点で捉え、事業戦略を講じる必要がある。
  • 地域の資源を使う再生可能エネルギー事業において、地域との共生は非常に重要である。事業の採算性を確保しながらも、地域にとっても何らかのメリットがあるような、WIN-WINの関係づくりが重要である。
  • エネルギー消費の中で「熱」の占める割合は大きいため、「熱の有効利用」という新たな観点で再生可能エネルギーを捉え直すことが、事業展開の鍵となる可能性がある。利用促進には、社内シナジーの創出やマーケティングの工夫も大切である。
  • エネルギーと資源リサイクルは密接に関連している。この両方を手がける当社は、総合的な取り組みを通じて一層の社内シナジーを追求すべきである。

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