社有林について

地球温暖化防止に対する国際的な取り組みが展開される中、当社では広大な社有林を活用し、森林のCO2吸収源としての役割や、国土保全、水源涵養に加え、生物多様性の保全といった森林の持つ多様な機能を有効に活かすため、新たな社有林経営計画を策定し、取り組みを進めています。

社有林の持続可能な管理運営に向けて

明治初期から始まった森林事業

当社における森林経営は明治初期の吉岡鉱山の買収・操業開始以来、坑木や薪炭材(燃料)の調達、環境整備を目的として周辺の山林を所有し、管理・運営を行ってきたことに遡ることができます。
戦前は全国各地の鉱山・炭鉱の展開に伴って広大な山林を買収・所有し、戦後も1960年代前半までは拡大基調にありましたが、その後は炭鉱閉山による坑木需要の減少と木材市況の悪化が重なり、森林事業は厳しい事業運営を迫られており、近年では北海道地区でカラマツの梱包材向け出荷を継続してきたものの、全体としては間伐中心の森林管理を行ってきました。

北海道・早来の社有林

北海道・早来の社有林当社社有林: 北海道・早来(上下とも)

持続可能な森林経営の基本姿勢

当社は、北海道を中心に全国で1.4万haもの森林を保有しており、民間では製紙会社等に次ぐ、大規模森林保有会社です。元々は自社の鉱山や炭鉱の坑道を支える坑木を供給するために森林を保有していましたが、国内に鉱山や炭鉱が無くなったことから、森林に求められる役割、期待も大きく変化してきました。
現在は、生物多様性の保全やCO2吸収による地球温暖化の防止のほか、資源としての木材生産といった、森林の持つ多面的な公益機能を発揮させるため、社有林管理の実務を担うマテリアルリアルエステート(株)とともに、「三菱マテリアルの森が日本の森をリードする」ことを目標に、持続可能な森林経営の実現に向け取り組んでいます。
こうした持続可能な森林経営への取り組みに対する評価として、2012年10月に北海道早来山林においてSGEC森林認証を取得しました。その後、SGECが国際的な森林認証制度であるPEFCとの相互承認への移行手続きのため認証基準を改正・施行したことを受け、2015年9月には早来山林を含む北海道内の9山林について、SGECの新基準による森林認証を一括取得しました。なお、2016年6月にSGECとPEFCとの相互承認が成立後、差分審査を経てPEFC認証の要件を満たしたことから、当社が持続可能な森林経営を行っていることが国際的にも認められています。

SGEC

三菱マテリアル社有林DATA

全国31ヵ所
総面積 14,513ha
SGEC認証取得面積 11,541ha ※北海道内の9山林
天然林面積 6,976ha
人工林面積 7,467ha

早来山林早来山林
禁伐区域として残した天然生林(自然に発芽した樹木でできた林)、資源の循環利用を図るカラマツの造林地(人の手で植えられた苗木でできた林)が、適切なゾーニングに基づき、モザイク状に配置されています。

当社社有林の分布と面積[photo]

各山林の目指す役割

地形、立地等に応じて、各山林の果たすべき役割を決めています。例えば早来山林は傾斜がなだらかなため、効率的な森林整備をしやすい地形です。また、木材を利用する製紙工場や道外輸送も盛んな苫小牧港に近接しているため、流通の面でも有利な立地です。そのため同山林は、持続可能な木材生産に主眼をおいた「資源林」として位置付けています。一方、札幌市内に位置する手稲山林は、大都市近郊では稀に見る豊かな森林に恵まれており、市民の皆様に親しんでいただける「環境林」として位置付けています。現在は札幌市にスペースを提供してキャンプ場や市民の森、自然歩道等としてご利用いただいているほか、地元NPO団体に自然活動の場としてフィールドを提供したり、地元小学校にスキー授業の場として社有林の一部を提供する等して、地域に親しまれる山づくりを目指しています。

手稲山林手稲山林

持続可能な天然生林施業を目指して

山下 雄志マテリアル
リアルエステート㈱
森林部
山下 雄志

ミズナラ、シナノキ、アオダモ等、天然生林の林床に芽生えた実生を調査して早3年、難しい葉の判別も上達しました。北海道の森林では林床に生育するササ類が支障となり、天然生林施業の前提となる自然の力を活かした実生更新が上手くいかない問題があります。そこで、期待する多様な広葉樹を育てるため試験的にササを除去し、芽生えた実生を継続的に調査しています。新たな広葉樹の芽生えが見られる一方、一年で消失する個体も多く、シカの食害や林内の光不足といった一筋縄ではいかない課題に頭を悩ませながらも、「適材適所」で高まる広葉樹材利用の需要に応える日を目指しています。

森林の持つ機能をより良く発揮させるために

森林が持つ機能は、生物多様性の保全、CO2の吸収、再生可能資源としての木材生産等多岐にわたり、社会からの期待も年々大きくなっています。こうした中、どのような機能に比重を置き、将来的にどのような姿の森林を目指すかの目標設定が、森林経営を行ううえで必要不可欠となっています。
マテリアルリアルエステート(株)では、社会のニーズを踏まえてよりバランスの取れた森林経営を行うために、毎月独自に勉強会を、隔月で当社とともに定例会議を開催して議論を深め、目標とする森林の姿を実現できるよう日々研鑽に励んでいます。
現在、重要項目として取り組んでいる一例が、各山林での「ゾーニング」の推進です。ゾーニングとは、ある区域の特性に応じて期待すべき機能を明確化し、区域別の管理方針を適用することで、効果的な森林管理に繋げる考え方です。具体的には、樹木の成長力が旺盛な区域では、積極的な木材生産を図りながら森林が持つ多面的機能を向上させる一方、尾根や沢等では原則伐採せずに生物多様性の保全機能に重点を置くこと等であり、区域の特性に応じた目標設定を通じ、森林の多面的機能の最大化を目指しています。

現地での勉強会現地での勉強会

定例会議定例会議

森山林風景森山林風景

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