飲料用アルミボトルのキャップ技術

集合写真

リキッドパッケージ革命への挑戦

休憩のひととき、アルミボトルコーヒーを開封すると、広い飲み口からコーヒーの香りが広がり、私たちに安らぎを与えてくれます。
アルミボトルに使用されているキャップ、実は高い密封性と強い力を必要としない開け易さという、相反する要素を克服した高度な技術で実現しているのです。
写真左より:府川、山本、武藤

アルミボトル缶とキャップ「UniAKROS®」

アルミボトル缶とキャップ「UniAKROS®

飲料用アルミ缶は、軽く、強度があり、無臭・衛生的、優れた耐食性、表面の美しさ、熱伝導率がよく冷蔵庫ですぐに冷える、遮光性、そして優れたリサイクル性など、数々の特長があり、世界中で大量に利用されています。
三菱マテリアルグループ(現:ユニバーサル製缶㈱)は、1972年に飲料用アルミ缶製造を開始し、進化するニーズに対応してきました。2001年には、ペットボトルのようにリシール(再栓)が可能なアルミボトルの製造を開始しております。
アルミボトルの登場は、まさにリキッドパッケージ革命でした。
アルミボトルは、一枚のアルミ板から複雑な形状に仕上げる高度なアルミ薄板成形技術により実現していますが、今回ご紹介するのは、そのキャップに秘められた挑戦のストーリーです。

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密封性と開け易さを高度に両立させたキャップに秘められた技術がある

──今回ご紹介いただくキャップとはどのようなものですか

武藤 ミルク入りコーヒーなどの低酸性飲料は、飲料工場にて飲料を充填後、レトルトと言う高温殺菌処理が行われます。殺菌時に高温・高圧の過酷な条件に耐えることが、キャップの第一の試練となります。更に流通過程や消費者が消費するまで、落下などの衝撃に耐える密閉性が第二の試練、そして、いざ消費者が開封するときの開け易さが第三の試練になります。密封性と開け易さは相反することですが、これを実現した究極のキャップが、当社が開発に成功した「UniAKROS®(ユニアクロス)」です。

山本 特殊な製造方法により、二層構造のライナー(ライナーとは、キャップ内部に仕込まれた樹脂材料を言う)をキャップ内面に接着せず、かつ取り外せないようにしています。一層目は滑らかに開封できるライナーを用い、二層目は、高い密封性を実現するライナーを用いています。しかも、この二層のライナーをキャップに非接着とするため、キャップの内部は当社独自の極めて高度なアルミ成形技術を駆使することで、機能性を備えた、小さなフックを作り上げる事が出来ました。
この開発に成功したことで、ライナー材自体の使用量を削減し、環境負荷を軽減させつつ、高い「密封性」と、滑らかで開け易い「開封性」の両立を実現したのです。

武藤武藤

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世界初 レトルト飲料用アルミボトル用キャップへの挑戦がはじまった

──開発のきっかけについてお話しください

府川 一般的なキャップのライナーは一層で、しかもキャップに接着しています。一層でも密封性はあるのですが、実際に開封する際には、強い力でねじ開ける必要がありました。
当社のキャップは「ユニバーサルキャップ」と呼ばれています。老若男女が、開け易い「開封性」の追求が、どうしても必要だったのです。

武藤 アルミボトルは、広口であるため、開封時に香りを楽しむことができます。最初はブラックコーヒーから利用が拡大しましたが、飲料メーカーさんにおいて、ミルク入りコーヒーやお茶などレトルト飲料用のニーズが拡大していきました。私は、開発担当であるとともに商品企画部門も兼任し、マーケティング部門と連携しながら商品開発に結び付ける役割も担っています。レトルト飲料用アルミボトルのネックとなっていたキャップの開発に俄然、闘志を掻き立てられました。その後、開発に成功するまでの数年間の苦闘の始まりとなったのです。

府川府川

──開発で苦労された点を教えてください

山本 一般的なキャップのようにライナーを接着させれば簡単です。しかし「密封性」と、滑らかで開け易い「開封性」を両立させ、かつ開栓時にライナーが削れない工夫から、ライナーを浮かせることを考案しました。しかし、簡単にライナーが外れないようにキャップの内側に配置することにしたフックの最適形状設計には苦労しました。百個以上の試作品を作り、試行錯誤により確実にライナーを保持するフックの設計に成功しました。

府川 最初はキャップに加工された穴の隙間からライナーが出てきてしまうなど、成型がうまくいきませんでした。金型の問題なのか、ライナーの量の問題なのか、原因究明は試行錯誤の連続で、数えきれないほどの試験を繰り返しました。

武藤 全く新しいプロセスであるゆえに、その他説明しきれないほど多くの苦労も伴いましたが、これまで困難であったユニバーサルデザインが施された、レトルト飲料用のキャップが世界で初めて(2層ライナーのアルミボトル用として)出来上がった時には、大きな達成感を得る事が出来ました。

「UniAKROS®」の断面 ライナーがキャップに接着していないことが分かる。

「UniAKROS®」の断面 ライナーがキャップに接着していないことが分かる。

「UniAKROS®」の断面 ライナーがキャップに接着していないことが分かる。

開栓のメカニズム(アニメーション)

開栓のメカニズム(アニメーション)

山本山本

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リキッドパッケージ革命への終わりなき挑戦

──わたしたちが何気なく楽しんでいたアルミボトルにもレトルト飲料が普及するため、陰で世界初のキャップ開発があったのですね、今後チャレンジしていきたいことについてお話しください

山本 アルミ缶は、100%リサイクルすることができる優れたパッケージです。キャップにおいても更なる生産性向上を実現し、地球環境への負荷軽減にも益々貢献していきたいと思います。

府川 今回はご紹介していませんが、キャップには、こちらも世界で初めてとなる、レトルト用に開発した防爆機能など様々な技術が詰まっています。各種飲料に適応するキャップの展開や、更に付加価値を高めたキャップの開発に邁進するとともに、若い開発者へ技術を伝承していくことも私の仕事であると考えています。

武藤 「人と社会と地球」にやさしいリキッドパッケージの提供が私たちの使命であり、市場から評価されることが私たちの誇りでもあります。常に次なる仕掛けを考えて、「リキッドパッケージ革命」への終わりなき挑戦を続けていきたいと考えています。

リキッドパッケージ革命への終わりなき挑戦

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